通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

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ISS講師が語る「私を支える○△□」 第6回 山口朋子先生の「座右の銘」

 

 


7月からスタートした、新連載「ISS講師が語る『私を支える○△□』」

プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、自らの“通訳者・翻訳者人生”(少し大げさですが…)を振り返りながら、現在の自分を支えている「言葉」や「モノ」、「出来事」について語っていただきます。

○「言葉」=座右の銘、
△「モノ」=こだわりの逸品、
□「出来事」=私のデビュー戦(初仕事)

ISS講師がこの3つからテーマを選んで語る本シリーズ。

第6回目は、英語翻訳者養成コース講師、山口朋子先生の「座右の銘」です。

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翻訳に関わるお仕事を始めてから、ただひたすらがむしゃらに突っ走ってきて、ふと立ち止まって振り返ってみた時に、何だか弱気になって「自分に出来ることなんて限られている」と内向きな思考に陥った時期があったのですが(苦笑)そんな折に丁度、自分が今まで手掛けたことのない、自分にとって少しハードルが高いと感じられるお仕事のお話が舞い込み、迷わず無理だと思い込んでいたんです。

こんな私の目を覚まして下さったのが、この学校でもお世話になり、師匠と仰ぐ先生の何気ない一言でした。

久し振りにお会いしてお話していた際に近況報告などをしていて、先日こんなお話があったんですけど自分には無理だし、お断りしようと思ってるんですよ、なんてお話をしていたら「何を言ってるんですか!とにかくやってみればいいんですよ!何とでもなります!」という力強いお言葉。

一瞬「え?」と固まった後、これまで自分がモットーとしてきたはずの「為せば成る」の精神が自分の中から消えてどこかに行ってしまっていたことに気付き、愕然としました。

先生のその「何とでもなります!」の一言で、何事もやってやれないことはないと自ら信じ、常に努力して前向きにチャレンジして行こうと改めて肝に銘じることができたような気がします。


もう一つ、これまで人と接するお仕事を通じて強く感じてきたのは、相手の喜ぶ顔が見たい、その気持ちで物事にあたることがとても大事であり、すべてのベースになるのかな、ということ。これらのすべてが自分の考え方に深く影響していると感じています。


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山口朋子(やまぐち ともこ)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。外資系メーカー他勤務後、米国カリフォルニア州立大学大学院にてTESOL(英語教育法)修士号を取得。アイ・エス・エス・インスティテュート英語翻訳者養成コースを経て実務翻訳の道へ。現在は英語翻訳者養成コースの講師、そして実務翻訳者として活躍中。

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「ISS講師が語る『私を支える○△□』」バックナンバーはこちら

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 【通訳力・翻訳力アップ】ハイレベル英文法集中講義
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 [インターネット] 1/14〜 2/13


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 [東京校] 2/17・24・3/3・10(土)16:00〜17:30(全4回)
 [インターネット] 2/18〜 3/20
 
 <シリーズ3>
 [東京校] 3/31・4/7・14・21(土)16:00〜17:30(全4回)
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| 私を支える○△□ | 12:00 |
ISS講師が語る「私を支える○△□」 第5回 近藤尚子先生の「座右の銘」


7月からスタートした、新連載「ISS講師が語る『私を支える○△□』」

プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、自らの“通訳者・翻訳者人生”(少し大げさですが…)を振り返りながら、現在の自分を支えている「言葉」や「モノ」、「出来事」について語っていただきます。

○「言葉」=座右の銘、
△「モノ」=こだわりの逸品、
□「出来事」=私のデビュー戦(初仕事)

ISS講師がこの3つからテーマを選んで語る本シリーズ。

第5回目は、英語通訳者養成コース講師、近藤尚子先生の「座右の銘」です。

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You never fail until you stop trying.

通訳スクールに入学し、英語の勉強を始めたのは20代初めの頃でした。大学で語学を専攻したわけでもなく、また海外生活の経験もない私は、学校で教わること全てが面白い反面、授業についてゆくのに苦労する毎日でした。

半年ほどしたころ、いわゆる「壁」に初めてぶつかり、英語の力が伸びている感じが全くせず、勉強が重荷となり辛くなっていました。

そんな時に雑誌TIMEの記事の中で出会ったのがこの言葉です。記事の内容ははっきりと覚えてはいませんが、先行きが見えず、暗中模索していた自分にとって一筋の光が差し込んだ気がしました。自分はまだ失敗したわけではない。今、勉強を止めることが失敗なんだ、、、

以来、何度も壁にぶつかるたびに、このフレーズが背中を支えてくれました。これがアインシュタインの言葉であることを知ったのは、それから暫く経ってからのことです。


今も当時と同じように私を支えてくれていますが、出会ってから30年余りの間に私の中で解釈が徐々に変化してきています。

初めのうちは「勉強を止めないこと」だけでしたが、今の解釈は少々違います。苦しくなっても頑張るだけではなく、もう少し客観的に見て、本当にそのことをやるべきなのか、本当に自分に求められていることなのか、この方法を続けることが自分だけでなく、自分の力を必要としてくれるかもしれない誰かの為になるのか、そうしたことを考えるようになりました。

挑戦を続けていれば、困難や壁にぶつかるのは当然です。その時に闇雲にその壁に体当たりするだけでなく、壁にぶち当たったことを別の方法に目を向けるチャンスと捉えるのも keep trying の一つの形だと思えるようになりました。


おこがましくもプロと呼ばれるようになり、通訳として何とか安定して仕事を得られる状態が続いてくると、日々やるべきことをこなすだけで当たり前のように時間が過ぎてゆき、今の状態から脱却し成長することを考えなくなっていました。しかしそれこそが stop trying の状態です。

そんな状態の自分を叱咤激励し、初心に帰らせてくれるのがこの言葉です。

通訳を目指す皆さんは勉強を続けてゆく上で様々な苦しみに出合うと思います。しかしそこで try することを止めてしまってはチャンスを逃してしまいます。ぶつかった壁は今の自分を確認する良い機会。壁を押す力が弱いのか、押す方向性が違っているのかなど、頭を柔軟にして考えて keep trying している限り、あなたに failure はありません。


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近藤尚子(こんどう なおこ)
大学卒業後、大学教授秘書、出版社や新聞社での勤務を経て、現在は、フリーランスの会議通訳者・放送通訳者として活躍中。
通訳者・翻訳者養成スクールのアイ・エス・エス・インスティテュートにて通訳コースの講師を務める。

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「ISS講師が語る『私を支える○△□』」バックナンバーはこちら

 
| 私を支える○△□ | 22:15 |
ISS講師が語る「私を支える○△□」 第4回 張意意先生の「私のデビュー戦&座右の銘」

 

 


7月からスタートした、新連載「ISS講師が語る『私を支える○△□』」

プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、自らの“通訳者・翻訳者人生”(少し大げさですが…)を振り返りながら、現在の自分を支えている「言葉」や「モノ」、「出来事」について語っていただきます。

○「言葉」=座右の銘、
△「モノ」=こだわりの逸品、
□「出来事」=私のデビュー戦(初仕事)

ISS講師がこの3つからテーマを選んで語る本シリーズ。

第4回目は、中国語ビジネスコミュニケーションコース講師、張意意先生の「私のデビュー戦&座右の銘」です。

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生活に溶け込む翻訳と通訳

「通訳と翻訳の仕事は何時からされているのですか」、とよく聞かれますが、正直なところ、正確な答えはありません。なぜなら、通訳と翻訳とは包装された完成品を決まった日に発売するのではなく、常によりよい訳を出すために、勉強する過程にいるからです。

また、外国語を勉強するためには使うことが大事なので、私の場合は日本語を習い始めた頃から一言、一文と自分の分かる範囲で、中国語と日本語の翻訳と通訳を始めたと思います。言葉の通じない人たちを助けると同時に、勉強にも役立ちました。報酬をもらってなかったことから、仕事とは言えないかもしれませんが、間違いなく、今日の仕事と直接つながっているものです。

外国語を勉強し始めたころから、学んだことを実践したい気持ち、言葉が通じなくて困っている人たちのために役に立ちたいという思いで、日本語科以外の先生や同級生、その後の会社の上司、同僚、顧客、及び知人、友人、通りすがりの困っている人たちのために通訳や翻訳をしてきました。道に貼ってある案内、レストランのメニュー、商品のラベルや説明、新聞ニュース、テレビ番組、論文、書類等々。

「助かった」「よくわかりました」「なるほど」などの言葉をいただいて感じる、違う国の言語を理解した喜び、褒め言葉は、学校の成績表、仕事の報酬と同じ、遣り甲斐を感じさせられ、時にはそれ以上の価値があるように嬉しく思います。


翻訳通訳は決して習うだけで身に付けられることではないし、実践だけで上達するものでもないのです。勉強しながら実践し、実践しながら勉強という、勉強と実践の繰り返し或いは同時進行の毎日です。言葉は生きているもので、日々変化し続けています。新しい技術、新しいトレンドに連れ、新しい表現が流行りだし、言葉の意味も変化しています。


また、翻訳通訳の仕事は自分の空間における創作作業ではなく、発信者の言葉を忠実に、簡潔に、流暢に受信者に伝わるように変換する作業なので、発信者と受信者の立場に近づく努力も必要です。

言い換えれば、発信者と受信者の知識、語彙、思考をより正確に把握し、異国の言語で表現する作業なので、他人は持っているけれど自分の持っていないものを素早く吸収、身に付ける努力も必要です。

更に、特定の人の通訳や特定の翻訳をするだけではないので、たくさんの人から知識を吸収し、たくさんの分野を勉強しなければなりません。

このように、翻訳通訳をしているうち、他人の持っているものをも身につけることができ、自分を豊かにするきっかけにもなります。


衣食住から哲学、人生観までハードウェア、ソフトウェア、バーチャル、各分野に亘る交流が盛んになっている今日、通訳と翻訳のニーズも、範囲も拡大する一方です。毎日新しいことを吸収し、人との繋がりを広め、行動範囲を広げる未知の世界に常にチャレンジするのが翻訳と通訳の素晴らしいところだと思います


自分の好きな言葉の一つとして、論語にある
知之為知之、不知為不知、是知也。」(これを知るをこれを知ると為し、知らざるを知らずと為す、是れ知る也)です。

翻訳や通訳をする時、自分の知らない言葉、わからない事に度々出会ってしまいます。この場合、素直に自分のわからないところを認め、謙虚に他人に学び、補っていくよう努力することがとても大事だと思います。素晴らしい訳文は勿論大事ですが、それより素直で努力する気持ちで次の仕事に繋いでいくものだと思います。


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張 意意(ちょう いい)
ビジネスコンサルタント。北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社在籍。

張意意先生が担当する、中国語ビジネスコミュニケーションコースの詳しい情報はこちら

 

 

| 私を支える○△□ | 09:00 |
ISS講師が語る「私を支える○△□」 第3回 阿部一幸先生の「私のデビュー戦」


7月からスタートした、新連載「ISS講師が語る『私を支える○△□』」

プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、自らの“通訳者・翻訳者人生”(少し大げさですが…)を振り返りながら、現在の自分を支えている「言葉」や「モノ」、「出来事」について語っていただきます。

○「言葉」=座右の銘、
△「モノ」=こだわりの逸品、
□「出来事」=私のデビュー戦(初仕事)

ISS講師がこの3つからテーマを選んで語る本シリーズ。

第3回目は、英語翻訳者養成コース「医薬翻訳」クラス講師、阿部一幸先生の「私のデビュー戦」です。

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医学にはもともと縁もゆかりもなかった人間ですから、翻訳会社のトライアルを受けて合格してからのスタートでした。ただしトライアルの成績は良かったらしく、契約書を交わした後すぐに仕事が来ました。

そこからが結構いばらの道でした。

現在のようにすぐれた電子辞書はなく、CD-ROMの辞書はありましたが、他は紙の辞書。ネット上の情報も豊富ではありませんでした。医学とか薬学とかの専門分野がもともとある人の方が有利なんだろうな、と思いました(実はそうでもないですが)。

とにかく調べまくる日々、検索しまくる日々でした。こんなに時間をかけて、時給にしたらいくらになるんだろう、なんて恐ろしいことは考えないことにしました。1〜2年ぐらいは下請け修行、と思うしかなかったです。

実際には何年たっても日々是修行の連続ですが、思えば遠くへきたもんだと感じています。

専門分野のない人(私の様に英語を専門分野としてきた人)は、産業翻訳分野の中で専門分野を作るべきだと私は思います。

完成品を作れる専門家を目指しましょう


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阿部 一幸(あべ かずゆき)
上智大学外国語学部英語学科卒。翻訳者を目指し、通信と通学で翻訳を学ぶ。トライアルを経て契約翻訳者をしているうち、いいコネはないかと医大の勉強会に出席。二日後医大の先生から医学英語の非常勤講師を頼まれる。以来、徐々に教える仕事中心の生活へシフト。現在、翻訳はエージェントからではなく、教材開発及び大学のしがらみでやることが多い。辞書・Google中毒者。

 
| 私を支える○△□ | 20:30 |
ISS講師が語る「私を支える○△□」 第2回 立花直子先生の「こだわりの逸品」


先月からスタートした、新連載「ISS講師が語る『私を支える○△□』」

プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、自らの“通訳者・翻訳者人生”(少し大げさですが…)を振り返りながら、現在の自分を支えている「言葉」や「モノ」、「出来事」について語っていただきます。

○「言葉」=座右の銘、
△「モノ」=こだわりの逸品、
□「出来事」=私のデビュー戦(初仕事)

ISS講師がこの3つからテーマを選んで語る本シリーズ。

第2回目は、英語通訳者養成コース講師、立花直子先生の「こだわりの逸品」です。

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少しでも仕事の環境を快適にしたいと思い、持ち物にはいろいろこだわりがありますが、通訳者の荷物に欠かせないもののひとつがタイマー

「通訳をするときにどうしてタイマーが?」と聞かれることも多くあります。

通訳という作業は、1.オリジナルの言語を聞いて、2.理解し、3.ターゲット言語に置き換え、4.発話する。という複数の作業を同時もしくは短い時間で行わなければならず、大変な集中力を要します

通訳の質を維持するため、パートナーを組んで、一人当たりが通訳を担当する時間(通常15分〜20分)を決めて、パートナーと交代をしながら通訳をする機会が多くあります。

その際、自分の持ち時間を計るために自分のタイマーが必要になるのですが、その条件は以下の通り:

1)サイレントモード
会議中に操作音を含む無用な電子音やアラーム音は通訳者にとって邪魔なだけでなく、会議の進行の妨げになります。音や振動を使わずに時間を計れるものであること。

2)見やすい表示であること
交代まで何分何秒あるのかをすぐに確認でき、時間を分かりやすく知らせてくれるものであること。

3)操作が容易であること
交代をした時点で都度時間を計測しなおすため、訳しながらでも手早く操作できるものであること。

4)適度なサイズ

他にも、通訳者によって好みは異なりますが、以上を現場で使用するタイマーの要件としています。

時間があるとキッチン用品売り場、家電売り場、時計売り場などで使いやすそうなタイマーがないか新製品をつい探してしまうこともあります。

しかし、タイマーは音で知らせるものが多く、サイレントモードのあるタイマーは思いのほか多くないように感じます。



10年ほど長く使用している一番左のタイマーはスリムで、かつ時間の設定に便利なテンキーがあります。時間が来たら光で知らせてくれるカウントダウン式です。背面のスタンドで立てることもできます。しかし最近この型は店頭で見かけなくなりました。

中央のタイマーは薄型なので、電子辞書ケースに入れて予備として携帯しています。

右のタイマーは早押しクイズで使われそうな円形のボタンがはっきりと光り、机に置いたまま片手で操作が容易にできるので最近もっとも気に入って使っています。時計機能もついています。


気に入りのシールを貼ってほかの人の持ち物と混同しないように区別をしたり、立ったまま通訳をしなくてはいけないときに持ちやすいようストラップを付けるなどの工夫もしています。

ちなみに担当している入門科の授業では単語テストを行う際に回答時間を計るのにも使用していますよ。

皆さんもご自分の使いやすい、お気に入りのタイマーを探してみてはいかがでしょうか?


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立花 直子(たちばな なおこ)
小学校入学までをドイツ、中学・高校をアメリカで過ごす。立教大学英米文学科を卒業。99年アイ・エス・エス・インスティテュート基礎科2(現 プロ通訳養成科1)入学。在学中より外資系生保、銀行等で社内通訳・翻訳者として10年以上の経験を積む。同時通訳科を経て、現在は保険、金融、IT、経営、スポーツ、エネルギー等の分野で活躍。2008年より英語通訳入門科担当。

 
| 私を支える○△□ | 10:30 |
ISS講師が語る「私を支える○△□」 第1回 柴原早苗先生の「座右の銘」

 

 


今月から、新連載「ISS講師が語る『私を支える○△□』」がスタートします!

プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師が、自らの“通訳者・翻訳者人生”(少し大げさですが…)を振り返りながら、現在の自分を支えている「言葉」や「モノ」、「出来事」について語っていただきます。

○「言葉」=座右の銘、
△「モノ」=こだわりの逸品、
□「出来事」=私のデビュー戦(初仕事)

ISS講師がこの3つからテーマを選んで語る本シリーズ。ぜひ、ご期待ください!

第1回目は、英語通訳者養成コース講師、柴原早苗先生の「座右の銘」です。

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「何故私たちでなくてあなたが?
あなたは代って下さったのだ」



これは精神科医・神谷美恵子先生が記した詩の一節です。先生は終戦後、ハンセン病の施設で精神科医を務めました。当時はハンセン病患者たちの置かれた状況は厳しいものであり、先生は献身的に治療や研究にあたったのでした。

私がこの一節に巡り合ったのは大学を卒業して間もないころでした。

念願の企業に入れたものの希望部署には行けず、自分の今後について考えていた時期です。現実逃避をすべく、英語関連の資格試験を受けたり通訳学校に通ったりしていました。

その後転職や留学を経て私はフリーランス通訳者となりました。アテンドやビジネス通訳、国際会議の同時通訳などに携わったのち、放送通訳の世界で働くことにしたのです。


日々ニュースに接していると、多様な話題が飛び込んできます。医学や宇宙関連ニュースで新たな発見や進歩が見られたという一報には心から嬉しくなります。

しかし報道の大半は戦争や飢餓、環境問題など、画面を見ていて心が痛むような話題です。そのようなニュースを訳すたびに、なぜ自分は空調の効いた快適な同時通訳ブースでこれを訳しているのか、なぜ画面の向こうの人々は人間としてすさまじい経験をしているのか、私は考えてしまうのです。

そのようなときに思い出すのが冒頭の一節です。


たまたま日本という安定した国に私は生まれ、偶然の積み重ねで私は恵まれた状況で仕事を続けています。

一方、地球の反対側では今この瞬間も厳しい環境下で生きる人々がいます。私一人の力ですべてを解決することはもちろんできません。

では英語を通じて自分にできることは何か。

神谷先生の一節を常に心の中で大切にしながら、社会のお役に立ちたいと私は考えています。


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柴原 早苗(しばはら さなえ)
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

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| 私を支える○△□ | 10:00 |

☆好評連載中!
『柴原先生のワンランクアップの英語表現』
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