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ISS人材サービスサイトでの通訳コラム/翻訳コラム [2018年]第10回を掲載

 

(株)アイ・エス・エスの人材サービスWEBサイトの通訳者・翻訳者コラム連載では、2018年1月より現役通訳者の藏持未紗先生、そして、現役翻訳者の豊田実紗先生が担当しています。

 

通訳者・翻訳者をめざされている方、すでに通訳者・翻訳者として活躍されている方にも、役立つ情報がたくさん詰まったコラムです。どうぞお楽しみください!

 

 

丸 藏持未紗先生のコラム『流れに身を任せて』
  第10回:『大荷物の謎 

 

丸 豊田実紗先生のコラム『一歩ずつ、丁寧に』
 第10回:『はじめてのオンサイト業務

 

| ISS人材サービスサイトコラム | 09:38 |
『中国語表現コラム〜更上一層楼(更に上へと)』 第37回 「話す」練習

 

 

ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム〜更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
 

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今回は、「話す」練習について考えてみたいと思います。前回もお話したように、「聴く、話す、読む、書く」は外国語の基礎能力で、「話す」は「聴く」とセットになっています。「聴く」はインプット、「話す」はアウトプットです。「話す」ことは相手や周囲に力量が明らかになり、他人の評価にさらされるため、「聴く」ことにくらべてプレッシャーがかかります。多くの中国語学習者にとって一番難しいのが話すことのようです。

 

では、「どのように」練習すれば、話す能力を高められるのでしょうか。間違いなく、話すことが好きな人は上達が早いです。繰り返し練習する量で差がつきます。しかしここでは、勉強法として有効なものを探りたいと思います。


例えばプロのアナウンサーがいます。同じ日本語であっても、仕事として話すとなると、日常生活で話すこととは違います。つまり、知らない人の前で落ち着いてはっきり伝わるように話すためのトレーニングが必要です。「アナウンサー養成学校」でのトレーニング方法は、通訳を目指す外国語の学習者にも有効だと思います。

 

特に、中国語はリズム・抑揚・起伏がある言葉なので、その特徴を掴み、発音する際に使う筋肉を意識してコントロールする練習をすれば、音程が徐々に安定し、話したい言葉もスムーズに出てくると思います。


簡単に言うと 、息・口・喉・声をコントロールしながら、朗読の練習、速さや区切り、強弱、音域、音色、共鳴をうまく把握して 流暢に中国語を話すことです。

 

もちろん、練習のために「何を話すのか」ということも大事だと思います。

 

大人になってから外国語を始めた人達は、いきなり論文やニュースなど大人の文章を勉強しますが、単純に話すための練習には子供向けの本が有効だと思います。なぜならば、児童、特に幼児向けの本は知識を学ばせるというよりも、話すトレーニングのためのツールなので、基本文型がしっかりしているし、「押韵上口、严谨规范(リズミカルできちんとした文)」なので、癖のない文章を身につけることができるからです。

 

児童向けの本は、『小马过河』、『小鲤鱼跳龙门』、『乌鸦与狐狸』、『三字経』などたくさんあります。

 

ビジネス会話レベルの習得を目標にしていても、基礎をしっかり身につけることが大事ですね。好きこそ物の上手なれ。好きな文章を見つけ、たくさん練習しましょう。

 


次回は、どのようなものを「読めばいいのか」について、お話ししたいと思います。ご期待ください。

 

 

マル今月の中国語新語:

娘炮:生性软弱怕事跟个娘们一样,也指男人娘娘腔。
女子のような男子:弱くて、可愛い、或いは話し方が女性っぽい人のことをいいます。

 

例:如今偶像很多都是娘炮。
最近のアイドルには女子のような男子が多いです。

 

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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。


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丸中国語ビジネスコミュニケーションコース丸

 

四葉のクローバーコース案内動画はこちら
※張意意先生からのメッセージもありますので、ぜひご覧ください!

 

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| 「中国語表現コラム〜更上一層楼(更に上へと)」 | 11:09 |
秋レギュラーコース「途中入学」受付中、お早めにお申し込みを!

秋のレギュラーコースが10/9より順次開講しますが、現在、「途中入学」受付中です!

受講しようか迷っている間に、開講日が過ぎてしまって悩んでいらっしゃる皆さまに、「途中入学」についてご案内します。

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丸「途中入学」とは?

開講後のクラス(残席のあるクラスのみ対象)に途中からご参加いただけます。
開講日から1ヵ月の間、入学の申し込みを受け付けいたします。

丸「途中入学」特典

すでに終了した授業分は受講料が回数割引に!
終了した授業分の教材は別途お渡しいたしますので、復習が可能です。

丸お得な割引キャンペーン「ご紹介キャンペーン」「ペアde入学キャンペーン」

ISSインスティテュートのレギュラーコースをまだ受講されたことがないご友人をご紹介いただいたり、お知り合いと一緒に入学されたりすると、入学金32,400円(税込)全額免除の特典をプレゼント!

詳細はこちら:「各種割引特典

*「ご紹介キャンペーン」「ペアde入学キャンペーン」をご覧ください。

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開講したコースに途中からでも安心してご入学いただけるよう、授業見学のご案内や教務スタッフによる個別カウンセリングなど学習のフォローアップを行っております。(※授業日程によりご見学いただけない授業もございます。)
受講に関するご質問・ご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
すでに満席のクラスもございますので、お申し込みはお急ぎください!

途中入学をご検討の方に朗報です。
コース説明会・レベルチェックテストを追加開催することになりました。
コース説明会では特典をご用意してお待ちしていますので、ぜひご検討ください。

四葉のクローバー無料コース説明会(※詳細・お申し込みは下線のリンクから)
参加者全員に「レベルチェックテスト(通常3,240円)無料チケット」とThe Japan Timesの通訳・翻訳業界総合ガイド「通訳・翻訳キャリアガイド2019(非売品)」をプレゼント!

英語コース    [東京校] 10/11(木) 19:00〜20:00、10/19(金) 19:15〜20:15
中国語コース [東京校] 10/11(木) 19:30〜20:30、10/20(土) 15:30〜16:30


四葉のクローバーレベルチェックテスト追加開催(※詳細・お申し込みは下線のリンクから)

<英語通訳>
東京校:10/10(水)、14(日)、17(水)、21(日)、24(水)、28(日)、31(水)、11/4(日)
横浜校:10/14 (日)、28(日)、11/4(日)

<英語翻訳>
詳細・お申し込みはこちら

<中国語通訳>
東京校:10/20(土)、27(土)、11/10(土)

<中国語翻訳>
詳細・お申し込みはこちら

<中国語ビジネスコミュニケーション>
東京校:10/20(土)、27(土)

秋レギュラーコースを受講いただく最後のチャンスです。どうかお見逃しなく!

 

| ISSインスティテュートからのご案内 | 09:02 |
ISSライブラリー 〜講師が贈る今月の一冊〜 第28回 :津村建一郎先生(英語翻訳)

先生方のおすすめする本が集まったISSライブラリー
プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、「人生のターニングポイントとなった本」「通訳者・翻訳者として必要な知識を身につけるために一度は読んでほしい本」「癒しや気分転換になる本」「通訳・翻訳・語学力強化のために役立つ参考書」等を、エピソードを交えてご紹介いただきます。

今月の一冊は、英語通訳者養成コース講師、津村建一郎先生ご紹介の『日本語から考える! 英語の表現』(関山 健治著, 山田 敏弘著、白水社、2011年)です。

 

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日頃、受講生の皆さんと翻訳(医薬翻訳)の勉強をしていて思うことは、皆さんの日本語の理解や表現がいささか乏しいことです。私たちはNative Japaneseですから「日本語は出来てあたりまえ!いまさら勉強しなくても…」と思っている方が多いようです。しかし、翻訳とは外国の文化を日本の文化に変換する事です。例えば、英語の「Good morning.」を和訳する際に「良い朝」と訳す方はいないでしょう。これでは文字を翻訳しているに過ぎません。英語文化圏ではどういう時に「Good morning.」と言うかというシチュエーションを理解し、それを日本の文化に当てはめることで、「おはようございます」と正しく翻訳出来るのです。


もうひとつ例を挙げましょう、国際会議で海外から無理難題を迫られた日本代表が発した一言「前向きに検討します」。通訳の方がこれを奇しくも「We will do our best.」と表現してしまい、その後大混乱に発展したとかしないとか…。この例も文化ではなく文字(言葉)を翻訳したのが原因です。日本語で「前向きに検討します」が使われるシチュエーションは、丁寧に言えば「あなたの言われたことは理解しました。(やるかどうかについては)持ち帰って考えさせてください。」と言う意味ですが、その真意は「やらないよ!」に限りなく近いのです。


反対に、日本語を英訳するときに気をつけなければならないのが助詞(てにをは)と省略という日本特有の文化です。学校では「〜は」が主語…と習いましたので、「あのレストランは、美味しい」を英訳して「That restaurant has delicious tastes.」!?!? 日本語の「〜は」の使い方は「〜についてこれから話をします」と言うことです。ですので、「あのレストランは、美味しい」の本当の意味は、「あのレストランについて言えば、出す料理がどれも美味しい。」ということで、翻訳者は助詞「は」の意味と省略「出す料理がどれも」をくみ取って「That restaurant serves delicious dishes.」としなければなりません。この様に、日本文で「〜は」が出てきますと、読者はその後に話題の展開があると思い、心の準備をします。和訳文で「〜は」に続いて「〜は」、「〜は」と来ると、読者は二重三重に心の準備が必要となり「なんて読みにくい文章だ!」となってしまいます。


文化を翻訳するとは、日本の文化がどうなっていて、相手の外国語と何処がどの様に違うかをちゃんと理解しておくことが重要です。

 

今回紹介する『日本語から考える! 英語の表現』は、文法だけからは見えてこない日本語の持つカルチャーを紹介し、それを英語で正しく表現するにはどうすれば良いかが紹介されています。

 

一例を示すと、条件や時間の表現となる「と」や「ば」、「たら」、「なら」がどのようはシチュエーションで使われているでしょうか?


1. 春になる花が咲く。 ← 恒常的な条件
2. 雨が降れば、お祭りは中止になる。 ← 一般的な条件
3. 飲んだら乗るな、乗るなら飲むな。 ← 「たら」は完了形で「その後」、「なら」は既定条件を意味します。

 

1番の「と」を英訳するときは条件と言うよりは時を表すと考えましょう。また、毎年繰り返されるような出来事を英語で表現する場合は「現在形」となります。

 

この本では、日本語が使われる具体的な和文を示した上でそのシチュエーションの意味・解説があり、続いて、それらを英文で表現する際の注意点が記載されています。


その他には「〜は」と「〜が」の違いとか、「〜た」の使い方など、24種類の日本語特有の文化(表現)が解説されています。また、挿入されているコラムも面白く「の」の使い方とか、日本語の「名詞」性質などが紹介されています。和文英訳だけではなく、英文和訳にも、さらには、通訳の際にも十分活用できる内容になっていると思います。


最後に、この本はシリーズになっていて、「日本語から考える」と銘打って、フランス語や中国語、ドイツ語、スペイン語なども冊子になっていますので、ご参照ください。

 

 

 

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津村 建一郎(つむら けんいちろう)
東京理科大学工学部修士課程修了(経営工学修士)後、およそ30年にわたり外資系製薬メーカーにて新薬の臨床開発業務(統計解析を含む)に携わる。2009年にフリーランスとして独立し、医薬翻訳業務や、Medical writing(治験関連、承認申請関連、医学論文、WEB記事等)、翻訳スクール講師、医薬品開発に関するコンサルタント等の実務経験を多数有する。アイ・エス・エス・インスティテュートでは医薬翻訳クラスを担当。

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| ISSライブラリー 〜講師が贈る今月の一冊〜 | 09:16 |
継続受講の方限定セミナー「通訳現場でのケーススタディ〜成功と失敗から学んだこと〜」


9月27日(木)、東京校にて英語通訳者養成コースの特別セミナー「通訳現場でのケーススタディ〜成功と失敗から学んだこと」を、2018年【秋期】10月開講レギュラーコースに継続受講のお申し込みをされた在校生の方限定で開催いたしました。

 

担当講師はラジオ講座(現在は終了)でもお馴染みの柴原智幸先生。第一線で活躍する現役の放送通訳者であり、当校英語通訳者養成コース本科3(英日)を担当されています。

 

今回のセミナーでは、秋レギュラーコースのスタートにあたり、学習のヒントやモチベーションアップに繋がればとの思いから、実際の放送通訳の現場の話を中心に、成功や失敗例から学んだことなどをお話しいただくとともに、柴原智幸先生の通訳パフォーマンスを見ていただく機会を設けました。また、参加者の皆様には、事前課題(動画を見て放送通訳の原稿を作成)にも取り組んでいただきました。

 

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セミナーの主な内容は以下の通りです。

 

1. ゴールを意識できていますか?目標とするパフォーマンスは?
2.「伝える」ということを意識していますか?
3.「評価されたがり」からの卒業
4. 柴原先生の体験談(失敗と成功例)
5. 放送通訳について・概略
6. 11年前の柴原先生に挑戦(放送通訳を体験してみよう)
7. 柴原先生のパフォーマンス視聴とコメント・質疑応答

 

前半では、通訳学校での学習あたり、大切な心構えなどを熱く語っていただきました。ご自身が通訳者になるきっかけから、受講生として通った通訳学校時代のお話、そしてプロデビュー後の失敗談と盛沢山な内容でした。中でもいくつか印象に残った言葉をご紹介したいと思います。

 

学習者としてのメンタリティからの卒業
通訳学校は“英語上級者学校”ではなく、プロを養成する場。通訳というサービスを提供し、対価を得るためにはどうしたら良いか?を学ぶための場所。“どうやったら褒められるか”ばかりに意識が向きがちになるが、毎回の授業では“これをどう現場で活かせるのか”を考えながら授業に臨むべきであり、自分の力でなんとか対価を得るために、どうしたら良いか、というメンタリティが必要である。「どう評価していただくか」から「どう人のお役に立てるか」という意識改革が重要になる。

 

あれもこれもの精神で
「おすすめの教材や勉強法を教えてください」といったご質問をよく受けるが、通訳は答えが一つとは限らないもの。これをやったから大丈夫、あの学習法さえやれば良いといった答えもない。 また、“対策”と“学び”を混同されている人を多く見受けるが、通訳は決まった正答が1つではないので、試験対策のように勉強しても全然足りない。貪欲にあれもこれもと色々な学習方法や教材を模索し、とにかく自分に合っているかどうかを試してみる、そして学び続けるのがプロというもの


スランプに陥った時に…“長所は他人が決める”
通訳力をレベルアップするための最善の方法、それは自分と向き合い、自分に足りないものが何かを見つけ、その足りないものを補強することが正攻法になるが、スランプに陥った時に自分の弱点と向き合うのは辛いもの。そんな時はクラスメイトや先生に良かった点、悪かった点を聞いてみること。特に良かった点は2人以上から指摘されれば、自分では気づきにくいが、それは立派な長所である。スランプの時にはその長所を伸ばす努力をすればおのずと突破口が見えてくるはず。

 

前半ではこれらのモチベーションアップ、学習のヒントとなるキーワードが沢山お話の中で出てきました。真剣にメモを取りながら先生のお話を食い入るように聞いている姿が多く見られたのが、とても印象的でした。

 

セミナーは後半の課題発表へと移っていきます。放送通訳についての説明と準備、仕事の内容、現場の様子を話していただいたあとに、参加者の皆様に事前課題の“時差通訳”に挑戦していただきました。この場面が盛り上がりのピークとなりました。各自で事前に準備していただいた原稿(日本語訳)を動画に合わせて通訳するボイスオーバーをしたあとで、良い点と悪い点を互いにコメントしあいました。次に全体を4チームに分け、チームごとに代表者が前に出て時差通訳を披露。その場で先生からのフィードバックがありました。代表となった方々は在籍クラス(レベル)が様々でしたが、それぞれとても素晴らしいパフォーマンスを披露されていました。

 

最後に事前課題と同じ動画での柴原智幸先生のパフォーマンスを見ていただきました。プロの無駄のない、誰が見ても理解しやすい表現、淀みない語りに、会場からは思わず「お〜」といった歓声が上がりました。

 

今回のセミナーでは、柴原先生は「放送通訳の現場で頭が真っ白になってしまい、全く言葉が出なかった」時のお話など、ご自身の「失敗例」を多く語られましたが、参加者の方からは「失敗談だけでなく、成功例のお話も聴きたい」とのお声もありました。先生は謙遜されていましたが、これまで沢山の失敗を乗り越えて現場の第一線で活躍されている現在の先生のお姿こそが、まさに“成功例”そのものだと思います。

 

参加者の皆様にとってもそれぞれに沢山の気づきがあったことと思います。厳しい言葉の中にも、受講生お一人おひとりの成長を切に願う熱い思いがよく伝わる、充実したセミナーになったのではないでしょうか。

 

ご参加いただいた皆様からの声の一部をご紹介します。

 

・通訳としてのメンタリティを持つということを今まで意識してなかったので気をつけたいなと思いました。

・体験談を伺い勇気づけられました。少しずつしか進めませんが、学び続けていきたいと思います。

・放送通訳について少しわかり、パフォーマンス訓練も面白かったです。プロとアマの心構えの違いも認識出来ました。

・熱いお話が聞けて良かったです。先生の訳がキレイで日本語にうまく訳せるのが素敵だなと思いました。

・身が引き締まりました!

・勉強法はないとおっしゃりながらも、お話の中にたくさんのヒントが散りばめられていた気がします。

 

当日ご参加いただきました継続受講生の皆様、ありがとうございました。間もなく開講を迎える秋学期では、また気持ちを新たに、ご自身の目標に向かって一歩ずつ着実に学習を進めていただければ幸いです。

 

| イベントアルバム | 09:08 |
『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 112回 数字を使った英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

高校時代の夏休みに松本清張の「ゼロの焦点」を読みました。私にとって初めての推理小説です。分厚い文庫本でしたが内容が面白く、後半から先は「あと少しで終わってしまう」と思えるほど、引き込まれました。長期休みに大作を読破できたことは、その後の自信となりました。

 

今回は「ゼロ」にちなみ「数字を使った英語表現」を見てみましょう。


zero in on … (〜に集中する)

 

They zeroed in on the president’s statement. (彼らは社長の声明に集中しました。)

 

zeroは「ゼロ」のことですが、動詞でも使えます。「メモリをゼロに合わせる」という意味です。zero in on … は句動詞で「〜に集中する」という意味になります。同様の意味でhome in on … というフレーズもあります。「集中する」以外にも「〜に銃などのねらいを定める」という語義も存在します。

 

「ゼロ」はzeroのほかにohnaughtなどと言います。電話番号で「03」を“oh three”と言うこともあるのですね。「0.6」をpoint sixとして「ゼロ」の部分を言わないこともあります。なお、テニスの試合で「0」はloveですよね。

なお、名詞のzeroには「つまらない人、影響力の無い人」という意味もあります。zero-toleranceは「ゼロ容認」、つまり「ささいな違反であっても罰則を適用する」ということです。

 


count to ten (心を落ち着ける)

 

I know you are frustrated, but just count to ten. (いらだっているのはわかるけれど、とにかく心を落ち着かせて。)

 

tenは数字の「10」ですが、count to tenで「心を落ち着ける」という意味になります。深呼吸して10を数えれば冷静になれますよね。tenはもともとラテン語のdecemから来ています。そこから派生したdeci-はメートル法で「10分の1」のこと。面積の単位deciare(デシアール)は「10分の1アール」のことです。一方、deca-は「10倍の」という意味です。「10メートル」はdecameterです。

 

ちなみにtake tenは「10分休み、一休み」のこと。I have three tens.は「私は10ドル紙幣を3枚持っている」という意味です。

 


in a million (めったにいない)

 

She is really nice.  She is one in a million.  (彼女は本当に良い人ですよ。彼女みたいな人はめったにいないですね。)

 

millionは「100万」のことですが、in a millionは「めったにいない」という意味です。もともとはラテン語のmille(1000)から来た単語です。距離を表すmileも同じ語源で、「1000歩」を表していました。

 

同様の表現にone in a thousandがありますが、one in a millionの方が強意となります。ちなみに1970年代にアメリカでは“The Six Million Dollar Man(600万ドルの男)”というテレビシリーズが大ヒットしました。

 


a hundred to one (ほとんど確実に)

 

It’s a hundred to one that he will pass the entrance exam. (彼が入試を突破するのはほとんど確実でしょう。)

 

「100」を表すhundredは「hund(100)の数(red)」が語源です。「ほとんど確実に」は他にもa ten to oneがありますが、hundredの方がニュアンスが強くなります。

 

なお、数字の読み方ではandを入れても入れなくても構いません。たとえば547はfive hundred forty-sevenfive hundred and forty-sevenも可能です。なお、時刻の夕方6時、すなわち18時は英語でeighteen hundredと読み、書き方も基本的には1800と記します。

 

ところでイギリスの小学校に通っていたときのこと。その学校は日本のような「校歌」がありませんでした。代わりに校歌のような位置づけで、とある賛美歌が行事ごとに歌われていたのです。その曲名が”Old Hundredth”でした。「詩篇第100編」に基づく賛美歌です。1953年のエリザベス女王戴冠式でも歌われています。その時の編曲者はレイフ・ヴォーン・ウィリアムズ。あの「グリーンスリーヴス」の作曲家です。

 

今月は数字を含む英語表現をご紹介しました。ちなみに通訳者にとって数字の通訳はなかなか大変です。とにかく練習あるのみです。

 

 

 

 

 

 

柴原 早苗
放送通訳者。獨協大学・順天堂大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。
「放送通訳者・柴原早苗のブログ」http://sanaeshibahara.blog.so-net.ne.jp/

 

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:00 |
中国語ビジネスコミュニケーションコース特別セミナーレポート「ビジネスで間違えやすい数字・単位に関する表現」

 

9月15日、多くの方にご参加いただき「ビジネスで間違えやすい数字・単位に関する表現」というテーマでセミナーを開催しました。講師は中国語ビジネスコミュニケーションレベル2担当の張意意先生です。ためになる色々なお話がありましたが、今回はその一部をご紹介いたします。
 

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まず、口語の数字の聴き取りの際に注意すべきこととして、次の例がありました。

 

中国語の口語では下記のように数字を話すことがあります。
16,000を一万六 、1,600を一千六、160を一百六
10,006は一万零六、1,006は一千零六、106は一百零六

 

このように省略されることがありますが、間違えないように気をつけましょう。
もし通訳でメモ取りをしている時に聴き誤って書いてしまうと、誤訳につながります。ビジネスで数字の誤訳は絶対に避けたいことです。


数字についてよく聴き取れない時は、紙に書いてもらうなど、必ず確認するようにしましょう。

 

次に漢数字や漢字での数字の表現についてのお話がありました。

漢数字(大字)の書き方も覚えておきましょう。お金の金額や契約書など数字が改変できないようにするために複雑になっています。


1   2   3   4   5   6   7   8   9  10
壹、貳、參、肆、伍、陸、漆、捌、玖、拾

 

漢数字ではありませんが、漢字が数字を表している例です。

1⇒ 孤 寡 単 独
2⇒ 双 対 両 並

 

大きな数についての紹介がありました。慣れていないと咄嗟には分からなかったり、そのまま通訳してしまう人もいるので、注意すべきポイントと思います。経済ニュースや関連の話題によく出てきそうです。

 

日本語の「一兆」は大陸では「一万憶」と表現されます。ただし、「一兆」と読むときもありますので、注意してください。台湾では日本と同じ「一兆」です。

 

次は天文学的に大きな単位の紹介です。使うことはないと思いますが、参考までに知っておくとよいでしょう。

 

兆⇒1,000,000,000,000
以下4桁ずつ増えていきます⇒京⇒垓⇒秭⇒穣⇒溝⇒澗⇒正⇒載⇒極

 

参加者の方から「数字を正確に聴き取れない」という質問があり、これに対して先生は、正確に聴き取るためには、単語一つ一つを追いかけるのではなく、話の輪郭を捉え全体を理解するように心がけることが大事です、と説明しました。

 

中国語と日本語の数字表記の方法は基本的に同じですが、だからこそ違う部分はしっかり覚えて間違えないようにしたいですね!

お忙しいところ参加されたみなさん、ありがとうございました。


アイ・エス・エス・インスティテュートは今後もみなさまのお役に立つセミナーを企画してまいります。次回をお楽しみに!

 

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| イベントアルバム | 13:17 |
英語翻訳コース特別セミナーレポート「『金融・IR翻訳』分野で仕事を獲得するための3つの条件」

9月12日(水)、東京校にて、英語翻訳者養成コース秋期特別セミナー「金融・IR翻訳分野で仕事を獲得するための3つの条件」と金融・IR翻訳クラスの体験レッスンを同時開催いたしました。


ご担当は、集中コースでも熱意あふれる講義と丁寧かつ細やかなフィードバックで大好評の小林久美子先生です。小林先生は外資系金融機関での勤務を経て、現在は株式会社翻訳センター専属の金融・IR翻訳者として活躍中です。


先生の自己紹介に続いて、本日のテーマについてお話がスタート。仕事を獲得し、そして継続的に仕事を依頼され続ける翻訳者になるための必須条件を3つ挙げていただきました。

 

 

「依頼事項・指示を理解する」

最初に挙げられたのは、訳出作業に入る前に、クライアントおよび翻訳会社からの依頼事項・指示を理解すること。そして、訳出作業では、依頼事項を完璧にこなすことです。

 

当たり前のことですが、納期は厳守。そして、依頼事項の凡例を忠実に守らなくてはなりません。数字の表記の統一、過去の訳文、社内用語や専門用語の踏襲などの依頼は、必ず翻訳会社から指示があります。当然これらを確認してから翻訳を始めるわけですが、作業が始まってからも疑問点や懸念事項は出てきます。この場合、迅速かつ臨機応変に対応することが求められます。

 

例えば、疑問点が案件全体に大きな影響を与えると思われる場合は、翻訳会社のコーディネーターを通じてクライアントに至急確認します。微細な懸念事項であれば、訳出ファイルに申し送りを添えて納品するなどします。翻訳作業はプロジェクトの一部であることが多く、そのあとに別の作業が続くことがほとんどです。時間的なロスを生じさせないようにすることを意識しましょう。

 

また、翻訳とは直接関係はありませんが、フォントやレイアウトといった「見た目」についても、丁寧に作業をすることで翻訳を含めた仕事全体が評価され、依頼が続くようになります。

 

 

「誰に向けて翻訳するのか」
訳出において、原文の書き手および読者、すなわち「誰に向けて翻訳するのか」を把握し、それを踏まえて表現や訳文のトーンを配慮することが必要です。また、依頼原稿のみを機械的に訳すのではなく、原文箇所の前後や背後の状況、専門用語・業界用語の意味、過去訳や類似例等を、依頼指示がなくても、自ら分析・調査を行った上で翻訳することが求められます。

 

例えば、株主総会の招集通知であれば、書き手は招集会社で読者は株主や投資家、市場関係者等になります。また、新製品の開示資料であれば、書き手は会社で読者は投資家、債権者、消費者等になりますね。これらをふまえた上で、過去に翻訳依頼文書と同類の文書等を出しているのかをウェブサイトで検索、調査します。招集通知なら、過去の訳出表現等を分析し忠実に踏襲します。組織変更や人事異動の発表の場合、過去の人事異動、会社の組織(部門名・役職位等の名称)を検索・分析し、用語を確認し訳文に反映させます。

 

求められる「技術力」

最後に、求められる「技術力」について伝えていただきました。原文の把握力とその力を支える専門的な知識や用語の理解と適用、そして土台となる翻訳力について説明がありました。

 

挙げていただいた例は、原文把握力や状況を正確に把握する力、的確な文章構成力、専門用語の分析・調査と対訳語の正確な適用など「当然と思えること」が並びましたが、小林先生の翻訳業務に対する真摯な姿勢が伝わるお話でした。参加者のみなさんはこれらのひとつひとつの重要性を再認識されていた様子でした。

 

これからも、実務で役立つ、仕事につながる情報を発信してまいります。

 

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小林久美子先生による「専門別翻訳科・金融IR翻訳」クラスの体験レッスン動画をご視聴いただけます。クラスの受講をご検討いただく際に、ぜひご確認ください。

 

※動画配信中「金融・IR翻訳クラス体験レッスン」はこちら

 

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| イベントアルバム | 08:00 |
授業体験レポート ふりかえり:2018年 [春期] レギュラーコース

 

2018年春期の授業レポートも、大好評のうちに最終回を迎えました。

英語翻訳者養成コース「総合翻訳・基礎科1」通学クラスをレポートしてくださったMさんは、翻訳との向き合い方や授業での気づきをご紹介いただきました。中国語通訳者養成コース「通訳科1」クラスをレポートしてくださったYさんは、緊張感のある授業の様子やスキル習得の難しさや楽しさを具体的にお伝えいただきました。

 

英語編と中国語編を隔週更新で紹介してきましたが、もう一度ふりかえって読んでいただくとまた新たな発見があるはずです。皆さまが再読しやすいように、Indexを作成しました。再読の際にご活用ください。

ご担当いただいたMさん、Yさん、本当にありがとうございました!


丸授業体験レポート 2018春 英語編Index
 第1回「いよいよスタート!」 
第2回「今後の課題」
第3回「翻訳を学ぶ姿勢を再確認」
第4回「成長できたこと」
第5回「侮るなかれ修飾語句!」
第6回「書き言葉は誤魔化せない」
第7回「課題への取り組み方」
第8回「最終授業」

第9回「まとめ」

 


丸授業体験レポート 2018春 中国語編Index
第1回「気持ち新たに新学期のスタートです!」
第2回「打ちのめされる日々」
第3回「俯瞰して、核心をとらえ 、そのイメージをメモする」
第4回「森をつくりたい ―ノートテイキング―」
第5回「中間テスト」
第6回「楽しい授業も(たまに)あります」
第7回「中国語通訳者に必要なこと」
第8回「ボイスオーバー(時差通訳)」
第9回「合同授業」

 

 

| 授業ルポ | 09:20 |
英語翻訳コース特別セミナーレポート「プロ翻訳者に求められるスキルとは」

 

9月7日(金)、東京校にて、英語翻訳者養成コース秋期特別セミナー「プロ翻訳者に求められるスキルとは」と、ビジネス英訳科・基礎科クラスの体験レッスンを同時開催いたしました。


講師は目黒智之先生。日英翻訳を専門に、第一線で活躍する現役フリーランス翻訳者で、当校のビジネス英訳科・基礎科クラスの指導をご担当されています。

 

今回のセミナーでは、日英翻訳のお話を中心に、プロ翻訳者に求められるスキル、またスキルを磨くための学習アドバイスについてお話しいただきました。

 

 

 

●プロ翻訳者として必要な7つのスキル

 

今回は、7つのスキルを取り上げてお話をしていただきました。和文英訳だけでなく、英文和訳にも共通するポイントが多数あります。

 

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調査能力
A杼力、柔軟性
て本語力
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自己管理能力
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●7つのスキルの説明と学習アドバイス

 

 ̄儻賣
TOEICを目安とすると、最低限800〜850以上は必要です。文法的に間違った英文はプロ翻訳者として許されないので、翻訳の土台となる英語力が求められます。


しかし、TOEIC満点近い方がみな完璧な英文が書けるかというと、そうでもありません。過去の受講生の事例をみると、一定のスコアを超えると、実際の英語力には大差ないことが多いです。英語力に加え、他のスキルを持っているかどうかで翻訳の実務対応力に差がついてきます。TOEICのスコアはあくまでもひとつの目安に過ぎません。

 

とはいえ、世の中にはTOEIC満点近いハイスコアを持ったビジネスパーソンがいくらでもいます。そうした方々が自分で翻訳する時間がないので、外注するというケースも少なくないのです。プロ翻訳者として請け負う以上は、やはりそれ以上の英語力がないと自信を持って仕事ができないでしょう。

 

具体的な英語力強化についてのアドバイスは以下のとおりです。

 

文法が不安な方
TOEICや大学受験などの対策本を活用し、文法問題に取り組むことをおすすめします。英文法書を読み込むのは相当な時間がかかるので、忙しいビジネスパーソンの場合は、まず問題集に取り組んで、スコアの低い文法事項、弱点を明らかにし、集中的に穴埋めしていく方が効率的です。

 

英作文・翻訳が初めての方、不慣れな方
大学受験用の英作文の参考書を活用し、日本語原文と英語訳例を読み比べ、解説を読み込んでいくといいでしょう。

 

ある程度は英訳に慣れているが、行き詰まりを感じていたり、さらなるレベルアップをめざす方
公式な対訳がある文章を探して自分で訳出に挑戦し、公式英訳と見比べてみましょう。たとえば新聞社説や企業HP、マニュアルなどがおすすめです。

 

また、日ごろ英文を読むときも、ただ意味を理解するだけでなく、自分が書くときに参考になるヒントはないか意識して読むようにしましょう。たとえば、冠詞にフォーカスして読んでみる、抽象名詞の使い方を意識する、whoseやwhomなどの関係副詞の使われる頻度をチェックしてみる、動詞のing形を拾い出して分析するなど、さまざまな文法事項を意識して読む習慣が身に付くと、自分の表現力や構文力の幅が広がります。

 

また、語彙力を増やしたいときは、ある程度のレベル以上になると単語集を暗記するよりも、知っている単語の類義語を調べ、微妙なニュアンスの違いや、使われるシチュエーションの差異を明確にすることをおすすめします。類義語をたどっていくことで表現の幅も増え、訳語選択の精度がぐんと上がります。


調査能力
翻訳は単なる言葉の置き換えではないので、原稿の書かれた背景を正確に理解する必要があります。調査能力の高さは非常に重要です。

 

また、特定の分野の専門知識や背景知識を持っていると大きな強みになります。たとえば、新製品発売のプレスリリースなどを依頼された場合、まず依頼主企業のホームページをチェックすべきです。また類似製品や類似企業のホームページも参考にします。こうした翻訳前の調査の目的は2つあります。まずは内容を把握することです。どのような企業・製品・サービスなのか、背景知識をまず理解します。2つ目は、単語や文体などスタイルを設定するためです。過去にその企業がどのようなプレスリリースを出しているのかチェックして、文章スタイルを統一する必要があります。ビジネス翻訳では、前例踏襲を要求されることがほとんどです。会社を主語にするのか、商品を主語にするのか、用語はどのように統一しているのかなど、前例を把握した上で、シチュエーションに適した構文や単語を選択していきます。


A杼力・柔軟性
翻訳、特にビジネス文書の和文英訳の場合、原稿を書いた執筆者はプロの物書きではなく、ビジネスパーソンの場合がほとんどです。忙しい中、急いで仕上げた原稿も多いです。わかりにくい文章になっていたり、社内だけで通用するような略語が盛り込まれていたり、原文の解釈に悩むケースも珍しくありません。そんな時、調査能力と関連して、豊かな想像力が重要になります。

 

書き手は何を伝えたくてこのような文章になっているか?どのように修正すれば狙い通りの文章になるのか?など、執筆者の気持ちになって意図を汲みとり、わかりやすく読者に届ける必要があります。「誰が誰に向けて、どのような目的・意図で作成された文章なのか」を明確に意識し、文章の流れ、文体や訳語選択など全体のスタイルを組み立てていきます。原稿の目的や依頼主の意図に柔軟に対応することは、プロ翻訳者として求められる重要なスキルです。

 

想像力を豊かにするためには、やはり好奇心旺盛な人が向いています。翻訳ではニュースや話題になっている旬なトピックを扱うことも多いので、常日頃いろいろな分野に幅広くアンテナを張り、感度が高い人は有利です。さまざまなトピック、やわらかい文章、かたい文章に柔軟に対応できると仕事の幅も広がります。


て本語
意外と母語である日本語が弱い方が多いです。TOEICハイスコアなのに残念な英訳をしてしまうタイプはこの傾向があります。原文の行間が汲み取れていない、背景知識を知らない、調べていないなど、日本語原文を深く読み込めていないのです。そうすると表面的な文字だけを置き換えた小手先の英訳になってしまいます。日本語力が高くないと原文の理解が不十分になり、結果、英訳のクオリティも低くなるということです。

 

翻訳するためには日本語の特徴を客観的に理解しておく必要があります。そのためのアドバイスは講義内でもふんだんに行っています。

 

たとえば、日本語の厄介な特徴は、主語を明示しないことです。また英語のようにSVO、SVCなど順序立てて記述されておらず、「誰が何をどうする」を明確に意識して、情報を整理しながら読まないと、英訳は困難です。英訳する下準備として、日本語の原文をリライトしたり、登場人物の相関図をイメージしたり、主述関係をメモしたりと、自分なりに工夫する習慣をつけておくと、徐々に頭の中で整理しながら読めるようになってきます。

 

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翻訳者は指定のフォーマットで訳文の納品を求められます。納品方法もさまざまです。ファイルの圧縮やWEB上でのアップロード、セキュリティ対策など、最低限のコンピュータリテラシーがないと仕事になりません。近年では翻訳支援ソフトの活用を要求されることも増えてきました。今後は、取引の多いエージェントが推奨するソフトの操作方法をマスターする必要性も高まってくるでしょう。ファイルのやりとりや翻訳支援ソフトについては、クライアント依存が多く、都度覚えていくしかないので、講義中ではほぼ触れません。新しいことを自ら積極的に吸収していく姿勢が大事になります。

 

自己管理能力
プロ翻訳者として一番重要なのは、自分の翻訳スピードを把握し、クライアントに迷惑をかけないような慎重な納期設定を行うことです。自分が稼働できる実時間、作業スピードを把握し、無理なく依頼を引き受けないといけません。信用ベースの仕事なので、納期を守ることを第一に、目標の日にち、時間を設定し、逆算して動く習慣をつけましょう。

 

また、自分がどれくらいの量をこなせるかということは、収入にも直結します。安定的な収入を得るためには、できるだけ固定の仕事を増やしていくことが望ましいですが、その上で、単発の仕事をどの程度引き受けられるかどうかは、仕事のボリューム、スケジュール調整などの管理能力が肝になります。もちろん、睡眠や運動などの体調管理や、適度な息抜きの仕方も重要ですが、そうしたことについては、たくさんハウツー本が出ていますので、参考になさるといいでしょう。

 

Ь鐚院▲泪福次∋兩
あらゆる仕事に共通しますが、翻訳も当然、作業に関わるまわりの人への配慮とマナーは重要です。訳文を納品して終わりではなく、その後の工程にも配慮して最低限レイアウトを整えて見栄えを良くする、申し送りのレターをつけるなどのマナーが求められます。また、納期を守れないと信用を失ってしまいます。たとえ数分でも納期に遅れそうな可能性があるなら、必ず事前に連絡しないといけません。フリーランス翻訳は電話やメールのやりとりのみで取引することも多いです。顔の見えない関係性だからこそ、尚更ビジネスマナーには気をつけて、お互いに気持ち良く仕事が出来る信頼関係を築きたいものです。

 


●ビジネス英訳科・基礎科体験レッスン

 

体験レッスンでは、短文の和文英訳を行いました。つまずきがちなポイントは、やはり日本語原文の解釈でした。ついつい原文の単語に引きずられて、表面的な文字の置き換えになってしまうようです。

 

たとえば、「最初の契約書では〜」と始まる文章。多くの方が直訳し、「The first contract」を主語にしていましたが、目黒先生から「”First”ということは、この後に、”Second”、”Third”と続いていくのでしょうか?」という指摘が入りました。この場合は、最初の契約書と改訂版の契約書を比較しての話が続いていくことが予想されるため、「The original contract」と訳す方がベターと解説がありました。言われてみると、「確かにそうだな」と思うのですが、訳しているときはそこまで気づかないことが多いのです。

 

他にも、「アメリカでは〜」と始まる文章の場合、即座に「In America」と訳して文頭に持ってきがちですが、主語を先にもって来た方がわかりやすいので、文章の順番を変える工夫をした方が良い、日本人は前置詞から始まる文章を書きがち、など陥りがちなパターンとその改善点を多数ご紹介いただきました。


体験レッスンを通して、「単語の置き換えではなく、原文の意図を理解することが重要という意味が分かった。自分の読み込みが浅いことに気づかされた。」などの感想をいただきました。

 

ぜひ、今回得たヒントを活かして、日々の学習やお仕事に活かしていただければと思います。

 

 

●おわりに
7つのスキルと学習アドバイスについて、実体験と具体的な事例をたくさん盛り込んでお話しいただき、かなり情報量の多い、濃い内容のセミナーでした。

 

さまざまなトピックがありましたが、多くのスキルに共通するのは、「品質の高い訳文を納品するために妥協しないプロフェッショナルな意識・姿勢」だと感じました。「品質の高さ」には、クライアント、読み手への配慮と、訳者の仕事に対する姿勢が強く影響するのだと、あらためて気づかされました。

 

確かに、受講生の中でも実力が急速に伸びる方は、ビジネスマナーが良く、何事も素直に吸収していく熱心な姿勢の方ばかりです。

プロ翻訳者として本格的に稼働した後、ずっと第一線で活躍し続けていくには、仕事に対する基本姿勢がとても大事です。エージェントも、そうした部分をよく見て評価しています。

 

これからプロ翻訳者をめざされる皆さまも、ぜひそうした取り組み姿勢を意識しながら勉強に励んでいただければと思います。

お忙しい中、特別セミナーにご参加くださった皆さま、誠にありがとうございました。


今回開催させていただいたセミナーと体験レッスンが、皆さまの勉強法の参考になりましたら幸いです。

 

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