通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

ISSスクールブログ

アイ・エス・エス・インスティテュートが運営しています。


<< 【日本語力を鍛えるために】 第12回 「ことばのハンドブック」 | main | 中国語通訳コース特別セミナー「通訳業務の事前準備で”使える”IT活用術」 >>
仕事ルポ:立花直子先生(英語通訳)

仕事ルポの第4回は、英語通訳者養成コースをご担当いただいている立花直子先生です。
印象深い通訳デビューについて伺いました。


初めて通訳をしたのはまだ学生だった頃です。体育会系のクラブに所属しており、親子以上に年が離れたOBからの依頼で国際大会のスタッフをしました。大先輩に頼まれたアルバイトは断れず、困りました。しかも通訳の相手は当時世界ランク一位のヨーロッパ選手。同世代で、スター性があり、紳士的で、強い。そして目を引くほどルックスもかっこいい!年頃の私は目をハートにして舞い上がります。

一方、私は通訳の訓練を受けたことがあるわけでもなく、英語も日本語も理解できるのにうまくそれを別の言語で伝えることができなくて、なんとも惨めでもどかしい気分を味わいました。それでも言語を越えたコミュニケーションのお手伝いする面白さを知り、その後も毎年開催されるその国際大会に関わりたいと思うようになりました。翌年の大会までにはもっときちんと正確で、人に認められるような通訳ができるようになりたいと思ったのでした。

「彼」はその後も毎年来日し、ある年には「僕の声と耳になってくれてありがとう」と言われ、通訳者の役割の大切さに改めて気づかされました(内心、嬉しさのあまり卒倒しそうになりました)。「オフの時間の過ごし方は?」という記者会見での質問に「ガールフレンドと過ごす」と答えたのを訳しながら、がっくり肩を落としたこともあります。

さて、スポーツ選手のキャリアは決して長くありません。自らのことを「新しい世代」と語っていた若かった「彼」は、その後も驚くほど長い間世界のトップ選手であり続けました。オリンピックに4回出場しましたが、昨年のロンドン後にその長いキャリアを終えることを決めました。

私はその間、通訳学校に通い、社内通訳者の仕事を経験した後、通訳者として独立しました。

彼と初めて出会ってから長い年月が過ぎ、お互いもうときめくほど若くもなくなっていました。選手として最後に来日した際に、通訳を目指すきっかけをくれた彼と私のそれぞれの長い道のりを振り返り、彼の存在があったからこそ通訳を生業にする事ができたと感謝の気持ちを伝えました。そのときに返ってきた言葉は忘れません。

僕(アスリート)のキャリアは短い。君(通訳)のキャリアは長い。僕が君の人生の扉を開けたのならば光栄だ

あー、また目がハートになりそうでした。




<立花 直子先生のプロフィール>
小学校入学までをドイツ、中学・高校をアメリカで過ごす。立教大学英米文学科を卒業。99年アイ・エス・エス・インスティテュート基礎科2(現 プロ通訳養成科1)入学。在学中より外資系生保、銀行等で社内通訳・翻訳者として10年以上の経験を積む。同時通訳科を経て、現在は保険、金融、IT、経営、スポーツ、原子力等の分野で活躍。2008年より英語通訳入門科担当。


<関連情報>
講師インタビュー:立花直子先生(英語通訳)


 
| 仕事ルポ | 09:34 |

☆好評連載中!
『柴原先生のワンランクアップの英語表現』
banner_shibahara.jpg

CATEGORIES

RECOMMEND BOOKS


SELECTED ENTRIES

CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>

リンク

モバイル
qrcode