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『ザ・通訳道』:柴原早苗先生 (1)

質問: 通訳の仕事を目指したきっかけを教えてください。

 私は小学2年生から中学2年まで、オランダとイギリスに暮らしていました。オランダ時代はインターナショナルスクールに編入。ところが周りは日本人だらけで、学校では日本語ばかり話していたのです。英語を話すことはほとんどしないまま、2年間が過ぎていきました。

 その後父の転勤で渡英しましたが、転入した学校では私が日本人編入生の二人目。オランダで2年間暮らしたものの、せいぜい話せたのはYesとNoぐらい。しかも授業ではシェイクスピアや三角関数など、内容そのものも高度で、ついて行くだけで精一杯でした。教科書も分厚く、毎日山のような宿題が出て、子供心にとってもきついものだったのです。英語漬けの日々が続く中、日本語への飢えは募り、その反動で日本語の勉強に精を出したのを覚えています。

 14歳で帰国してからは普通に中学・高校・大学を日本で過ごしたのですが、幼少期の海外経験と日本語への飢えが私の土台を作っていたのは事実です。特に日本語で文章を書くということは海外在住当時から私にとって大いに喜びをもたらすものでした。このため、大学時代からジャーナリストや学者のような仕事にあこがれるようになり、千葉敦子さんや神谷美恵子さんの文章をたくさん読むようになりました。

 しかし、その一方で英語はどんどん忘れていきました。「英語圏で暮らした日本人の子どもは、帰国すると半年で英語を忘れてしまう」とよく言われますが、私もまさにその通りだったのです。大学入学時には、せっかく身につけた発音や表現力がほとんど失われていました。これに焦りを覚えたため、大学では通訳の授業をとり、民間の通訳養成所にも通いました。この時期はサビかけた英語力を引き上げることを重視するようになります。

 大学卒業後は外資系の航空会社に入社しました。しかし、幼少期に暮らしたイギリスにもう一度暮らしたいとの思いから、留学を目指すようになったのです。そこでイギリスの大学の日本事務所で3年間働き、資金をためた後、念願かなって留学することができました。

 ところが帰国してみると、日本ではバブルが崩壊。高学歴・高年齢・女性の就職は難しい時代になっていました。このまま失業してしまうのかと悩む中、昔の恩師にご挨拶に伺ったところ、通訳の仕事を偶然頼まれたのです。一つの仕事を終えると、では次もという話になり、いつの間にか私は通訳業を本業とするようになっていました。

 そしてその通訳業を続けること数年。今度は「留学ではなく、仕事でイギリスに暮らしたい」と思うようになったのです。合法的に仕事をするとなると、ビザがいります。会社側がビザを取得してくれて、雇ってくれる。そんな雇用先を探すことが必要になりました。そこで私は毎週月曜日に「ジャパンタイムズ」の求人欄をチェックすることにしたのです。数ヶ月後、偶然にもロンドンのBBC日本語部の求人を発見。応募したところ、運よく合格することができました。

 BBCでは4年間勤務し、2002年秋に帰国しました。現在私は日本でも放送通訳をメインとした通訳業を営んでいます。昔あこがれたジャーナリストという側面を含む、通訳業務です。様々な偶然が重なったようにも思えますが、一つ一つの経験が、今の自分を作ってくれていると思っています。かつてISSで学んだことも、今、そのISSで教壇に立っていることも、すべて私の血となり肉となっているのです。

 みなさんも、今ご自分の置かれている状況や経験をどうぞ大切にして、自分の夢に向かって歩んでいってくださいね。


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英語通訳コース講師 柴原早苗(しばはらさなえ)

 上智大学文学部社会学科卒業。航空会社、大学事務所勤務ののち、ロンドン大学LSEにて修士号取得。BBCワールドを経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。アルクEnglish Journal「BBCニュース」を監修するほか、通訳・英語教育などに関する記事を各紙に寄稿。ESAC英語学習アドバイザー資格制度「プロフェッショナル・アドバイザー」の資格を保持。「やる気が出る授業」として生徒から定評がある。
 現在はアイ・エス・エス・インスティテュート東京校にて基礎科1、横浜校にて準備科の指導に携わる。また、今年のウィンターコースでは東京校にて「ワンランクアップの通訳訓練」、横浜校にて「無理なく学べる はじめての英語通訳訓練」「パフォーマンスに差をつける『デリバリー講座』」を担当。


| 『ザ・通訳道』 | 10:03 |

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