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仕事ルポ:西山より子先生(英語翻訳)


仕事ルポの第2回は、英語翻訳者養成コースをご担当いただいている西山より子先生です。
これまでに携わった中で印象的な仕事について伺いました。


翻訳というとすぐに浮かぶのは、おそらく書籍の翻訳とか字幕の翻訳など、私たちが普段目にする世界のものかもしれません。ですが、私たち実務翻訳者が請け負うのは、表には出てこない企業で使う多種多様な文書です。報告書や提案書、メールのやりとりなど。文章のプロが書いて念入りに校正された書籍の文と違って、言葉の表現に頼ることの少ないエンジニアがまとめた報告書とか、入社したばかりで敬語もビジネス用語も使いこなせてない若者が書いたであろうレターなどを英訳するたびに、「ここはてにをはが違うだろーっ!」「主述が合ってないだろうーっ!」「主語は何なんだ?!」「何が言いたいのかさっぱりわからんっ!」と突っ込みを入れながら作業し、日本人の平均的文章力の低さに暗澹たる気持ちになったりさえします。

ところがある日、これまで文句をつけてきた文章を書いた人たちに平謝りしたくなる事件が起きました。

ご縁があって数年前から翻訳を手伝っているある家電メーカーから電話を受けたのです。翻訳の依頼なら、いつもはエージェント経由で連絡が来るのに、私の携帯宛てに直接来たので「おかしいな?」と思って電話を取ると、なんとユーザーアンケートの調査対象になってくれ、というのです。実は仕事がご縁でその会社の製品にすっかり惚れ込んでしまった私は、そこが出している掃除機を購入していたのです。日ごろお世話になっているお礼に少しでもなれば、と快く引き受けました。

するとその直後、エージェントから電話があり「いつもお願いしているあのお客さんですが、ユーザーアンケートの日英翻訳の依頼があります」というのです。つまり私は自分がしゃべる内容を、ライターの方が書き起こした原稿を基に、英訳する羽目になったのです。

まあ、書き言葉ではなく話し言葉を起こした文章であるということで、てにをはの違いや主述の不一致は大目に見るとしても、「性格的に性善説で疑わない」ってどういう意味?「鉄腕アトムの世界が目の前に広がり夢がある」ってどうやって訳せばいいんだ?!「ガーッと掃除機かけて」「床はピカピカ」「ツルツル、キュッキュッ」のオノマトペの連打をどう打ち返す?!「大きな負担となっている家事の負担」って同じこと繰り返すなーっ!などなど、突っ込みどころ満載!!!

言葉のプロであるはずの自分がこんな日本語使っていたとは!ならば他の分野のプロが生み出す文章が不完全でも仕方ないじゃないかっ。今後は「この人何が言いたいのかしら?」ともっと真摯に、愛をこめて耳を傾けるつもりで原稿にも取り組もう、と固く誓ったのでした。



<西山 より子先生のプロフィール>
上智大学外国語学部英語学科卒業。総合電機メーカーにて海外営業職を務めた後、経済産業省外郭団体の地球観測衛星運用チームにて派遣社員として社内翻訳通訳に従事。翻訳会社でコーディネーターを経験した後、フリーランスとして独立。主に、国際協力、地球観測衛星、原子力発電、自動車、その他産業技術系実務翻訳通訳を手がける。
 

 

<関連記事>
ISS講師が語る「私を支える○△□」: 第10回 西山より子先生の「座右の銘」

 

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丸西山より子先生が担当される集中コースのご案内丸 
四葉のクローバー【12月開講】集中コース
 ゼロから始める!国際交流のための通訳講座
  [東京校] 12/6・13・20(水) 10:00〜15:00(休憩1時間・全3回)

 

 集中コースは入学金・レベルチェックテストは不要です。
 受講特典あり!クラスの詳細、お申込みはこちらから:
 https://www.issnet.co.jp/courses/e_i_concentration.html#feature1

 

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| 仕事ルポ | 10:48 |

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『柴原先生のワンランクアップの英語表現』
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