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講師からの応援メッセージ:第10回 李潔先生(中国語通訳者養成コース)

 講師からの応援メッセージ第10回は、中国語通訳者養成コース李潔講師からです。



四年に一度のオリンピックが幕を開けました。地球の向こうで戦っている選手たちの姿を見て、このうだるような暑さの中で元気をもらった人は少なくないでしょう。

さて、この間の通訳の仕事の話。日中友好事業として100名中国の学生を招く大プロジェクト。日本到着後の歓迎会が終わり、やっと帰れると思ったところ、予定していなかった日程説明会の通訳を急に頼まれた。手元に配られた日程表を見る暇もなく、いきなり説明会がスタート。担当者の後を追って訳していく中で、突然「富士山登山後、ほうとう作り体験」との説明が耳に入った。「富士山登山後、ほうとう作り??」、「富士山と言えば、山梨か静岡、山梨と言えば、ああ〜、あのほうとうか。」とようやく理解ができた。いつかテレビで見たことがあり、山梨の郷土料理で、武田信玄に由来する説もあると言われていたようだ。中国の故郷の麺料理とよく似ているので、偶然スーパーで見つけ家で作ったりもしていた。100名の学生を目の前に、解釈を入れながら訳していた。「在登完富士山之后,请大家体验制作当地的一种面食,日语叫做hoto。」もしほうとうの意味を知らなかったら、危うく一瞬言葉を詰まらせるところだった。

通訳は膨大な語彙量と知識量が常に求められている。中国語の諺には「一口吃不成个胖子」というのがある。「一口食べるだけでは太りません」という意味だ。普段から常に蓄積していかなければならない。常に自分の中でアンテナを張る心がけが必要だ。テレビ、新聞、書籍等を利用して、身近で見たもの、聴いたもの、感じたものを日々蓄えておこう。今日覚えた言葉は将来いつかどこかで大きな力を発揮してくれるかもしれない

さて、もう一つ仕事中にあったこと。中日学生の交流会の中で、「中国の学校では文化祭はどんなイベントがあるの?」という日本側の質問に対し、北京から来た学生は熱心に様々なキャンパスイベントを紹介してくれた。その中に「校园歌星大赛」というのがあった。「キャンパス歌のスター大会?う〜ん、ピンとこない訳だな」と頭をフル回転させて良い訳を探そうとしたら、次の瞬間なぜかNHK日曜昼恒例番組「のど自慢」の画面が脳裏を過った。「そうだ、のど自慢だ!」とそう訳したら、日本の学生たちが一斉に「おお〜」と頷いた反応を見て、ちょっぴり痛快な気分だった。

通訳は橋である。対岸までうまくものを届けられるかは言うまでもなく重要なことだ。分かりやすさが最も肝心だといつも心がけている。聞く側の立場に立って考え、言葉の転換作業を行う。皆さんも訳す前に、まず「この訳、ちゃんと伝わるのか?」と自分に問うてみよう。

ロンドンオリンピックは初日から激しい戦いが続いている。四年に一度のスポーツの祭典を楽しむと同時に、スポーツ関連用語を学ぶ絶好のチャンスだと皆さんにアピールしたい。夏の夜に、オリンピック、ビール、お酒のつまみに辞書を手元に置けば、最高の組み合わせではないか!一箭双雕,何乐不为?


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