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講師インタビュー 第10回: 青山久子先生(中国語通訳)

講師インタビュー第10回は、中国語通訳者養成コースをご担当いただいている青山久子先生です。

<青山 久子先生のプロフィール>
東京出身。日本で4年制大学(中国文学専攻)卒業後、北京の大学に2年間留学(国際経済専攻)、帰国後
フリーランス通訳・翻訳者として活動。万博通訳コンパニオン、気象会社の気象・海象予測担当を経て現在会議通訳・放送通訳、企業向け中国語講習などに従事。気象予報士、防災士。

・プロの通訳者になるためにどのような勉強をされましたか。
中学2-3年の時にラジオ講座を聴き、大学で本格的に中国語の勉強をしました。昼間は大学の授業を受
け、夕方からは専門学校で学びました。専門学校は2個所、週に計3回、内容は会話中心、和文中訳(教材は天声人語)、単語や熟語の徹底的な暗記という内容でした。大学4年から、週末に通訳スクールで通訳の訓練を受けました。当時は音声教材が限られていたので、中国映画を上映している映画館があれば出かけて行って大音響のスピーカーから流れる中国語に耳をすまし、母音や子音の微妙な発音を一つ一つ注意深く聞き、どうすれば同じような発声と発音ができるのか考えました。大学生の語学力では映画の内容を原語で理解できませんので、同じ映画を何回も見に行き、映画の音声が手に入る場合は、テープにダビングして繰り返し聴き、単語や表現を憶えました。また、教科書についている音声教材も暗記するまで繰り返しシャドウイングしました。どこに行くにも携帯音楽プレーヤーを必ず持ち歩き、中国語を聴くようにしていました。電車の中で巻舌音の練習をしていたら痴漢が逃げていったという友人もいます。

大学卒業後、中国に留学しました。当時は日本からの留学生の枠が決まっており、大学も自由に選べませんでしたが、作戦勝ちで北京の大学の国際経済専攻の枠をゲットしました。大学や専攻を選ぶ際に考えたことは、学部で中国人と一緒に授業を受けること、訛りのない北京の大学に行くことでした。今思えば、北京の大学にも中国人学生が聞き取れない程強烈な訛りの先生もいましたので、北京にこだわる必要はなかったのかも知れません。毎学期欲張って朝8時から夜10時まで授業を詰め込みました。宿舎のルームメイトは日本人以外にしてもらいました。必要に迫られて多くの専門書を読み、多くの文章を書き、貴重な経験をしました。大学教授の講義の際の言葉遣いは、ほとんどの会議通訳の場で使うべき文体として大いに役立っています。

帰国してからは通訳スクールで学びながらフリーランスの通訳として活動を始めました。最初の頃はODA等長期かつ技術的な専門性の高い内容の案件が多く、当時はインターネットもなかったので、その分野の専門書を買って読み、内容の理解に努めました。勿論単語も調べて行きますが、今のようにネットで調べたり検証したりできないので、手探り状態で会議に臨むことになります。中国の技術者が本当に使っている言葉はその場で初めて出会うことになるので、会議の中で中国側の発言者が使う表現をその場で吸収して自分のものにして行くというのが一番の勉強法だったように思います。色々な分野の内容を知っていくうちに、知識につながりができ、初めて接する分野にも入りやすくなります。また、自分で内容を理解しておくとリスニングも楽になり、センスが養われるため誤訳防止にも役立ちます。

・仕事や家庭と勉強(通訳訓練)をうまく両立させながら、継続して学習するコツはありますか。
週末に千葉県の東京湾岸を中心にボランティアで防災活動のお手伝いをさせていただいています。中学
校の防災教育の支援や、各地の防災組織を対象に講話をしたり、刊行物向けに防災知識の原稿を書いたりしています。ボランティアであっても、重みは仕事と同じで、期日までに現地の災害リスクやコミュニティに合った対策など充分に調査し資料を作成する必要がありますし、原稿の締め切りもあります。仕事と両立させるためには時間を有効利用する事が大切だと思います。何日の何時までに何をしなければならないか、外出先や移動中でもできる作業は何か、家でしかできない作業は何か等計画を早めにたてておき、状況の変化に応じてその時々の優先順位に従って一つ一つ終わらせて行きます。家事は煮詰まった時の気分転換に役立ちます。常に先を読みながらうまく時間を使うこと、自分で決めた期限は自分との約束だと思って必ず守ることを心がけています。

・今でも行っている勉強法はありますか。
中国ドラマが大好きで、暇さえあれば何か見ています。ドラマは会議の原稿には出てこないような言葉
の宝庫です。沢山見ているうちに背景知識が増えていたり、比喩の仕方やくだけた表現や流行語を覚えます。これは会議で話者が原稿からはずれた事を話した時や、フリーディスカッションの時の強い味方になってくれます。日本語ネイティブにとって、中国語のリスニングの難しさは永遠の課題ですが、実際にドラマ好きでリスニング力が大きく向上した通訳者は何人かいます。

また、「自主トレ」と称して、CCTVのストリーミングを利用して同時通訳の練習をしています。自分で
決めた番組を放送時間にリアルタイムで練習します。必ず録音して聞き返し、自分のパフォーマンスにツッコミを入れます。家族が聴いていると、原語に引きずられない自然な訳のヒントをくれることもあります。

・仕事の際に心がけていることを教えてください。
チームワークと気配りです。まずはパートナーに迷惑をかけないため徹底的な準備をします。現場では
どうすればパートナーが仕事をしやすいか、どこまでのサポートを必要としているのか見ながらサポートをします。勿論私もいつもパートナーに助けられています。会議では通訳者はスタッフの一員となったり、代表団の一員となったり、宴会の盛り上げ役の一端を担ったりと、その時々で立場は変わります。その場で何を必要とされているのかをくみ取り、臨機応変に行動して会議の円滑な進行に協力し、お客様に喜んで頂けるよう心がけています。

・通訳者を目指されている方に一言お願いします。
私もまだまだ修行が足りません。より良い訳を目指して皆さんと一緒に勉強できれば幸いです。どうぞ
宜しくお願いいたします。



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仕事ルポ:青山久子先生(中国語通訳)



| 講師インタビュー | 10:48 |

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