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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 第38回「帽子関連」の英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

最近は帽子をかぶることがファッションとして定着してきており、つばのあるものやないもの、日よけ専用や防寒用など、実に様々です。特に若い人たちの間ではストリートファッションとして帽子がトレンドとなっており、街を歩けば色とりどりの帽子を目にすることができます。

以前、子どもの小学校運動会に出席したときのこと。まだ残暑が厳しい時期でした。競技も終わり、子どもたちと担任の先生にご挨拶をして帰宅しようとした際、先生が「今日はお疲れさまでした」とおっしゃって、かぶっていらした紅白帽をとってお辞儀をしてくださったのです。挨拶のとき、あるいは室内に入った際には帽子をとるという大切なマナーを改めて思い出しました。

そこで今回は帽子関連の英語表現です。

1.Our manager must attend the executive meeting, hat in hand, to get approval for the new project.(私たちの部長は、新規プロジェクトの承認を得るため、かしこまって取締役会に参加しなければなりません。)

hat in handとは文字通り訳せば「帽子を手に」という意味ですが、ほかに「かしこまって、謙遜して」という意味があります。もともとは男性が、かぶっている帽子をとり相手への敬意を表することから来ています。また、帽子を器にして物乞いをするという意味も含まれているようです。上記の例文の場合、「自分よりも役職の高い取締役会」に尊敬の意を表しているのがわかります。

hatはほかにも多様な言い回しがあります。たとえば:
・ Keep it under your hat.(内密にお願いします)
・ He threw his hat into the ring.(彼は選挙に立候補した)
・ Hats off to John!(ジョンに脱帽!)

ちなみにサッカーでよく使われるhat trick(ハットトリック)は、もともとクリケット用語です。投手が3球連続で打者3人をアウトにすると、賞として帽子を贈られたことから生まれた表現です。

2.Mike got promoted so he threw his cap in the air.(マイクは昇進したので、大喜びしました。)

throw one’s cap in the airはthrow up one’s capと言い換えることもできます。よくアメリカなどの大学卒業式の際、学生たちが喜びを表現すべく、帽子を空中に放り投げる光景がありますが、まさに「大喜びで帽子を放り投げる」状態をこの表現は言い表しています。
ところでhatもcapも日本語では「帽子」ですが、英語では区別しています。hatは縁のある帽子、capは縁なしの帽子です。辞書を引く際には、こうした微妙なニュアンスの違いも必ずチェックするようにしましょう。

3.He has a bee in his bonnet about jogging. (彼はジョギングに取りつかれているよ。)

have a bee in one’s bonnetとは略式表現で、「そのことばかり考える」「取りつかれる」という意味です。通常aboutの前置詞が後に続きます。bonnetとはひもであごを結ぶ「ボンネット帽」のことで、上記表現はボンネット帽の中でハチがブンブン飛びまわったり、チクチク刺したりする状況を比喩的に言い表したものです。一説では16世紀半ばにイギリスの詩人が作品の中で用いたのが初出だとも言われています。

4.The company has lifted the veil of secrecy about their product.(その企業は、商品に関する秘密を公開しました。)

veilとは修道女の用いるベールをもともとは意味します。結婚式などの宗教行事の際、顔を覆うタイプのものを指し、いずれも薄い布でできています。最近、ヨーロッパの一部の国ではイスラム教女性の使用するベールを公共の場で禁止するか否かを議会で審議していますが、そうしたベールもイスラム教では使い分けられています。Burka(頭からすっぽり覆う外衣)、hijab(頭髪を隠すスカーフ)、niqab(目だけ見せるベール)などがあります。

ところでみなさんは単語を覚える際、どのような方法をとっていますか?単語帳やiPhoneアプリなど、今では色々な手段を用いてボキャビルを図ることができます。大事なのは、一気に覚えようとするのではなく、コツコツと毎日続けることです。同じ「分からない単語」でも、「一度も調べたことがないので知らない」のと、「一度は調べたけれど忘れてしまった」のでは大いに異なります。忘れたらもう一度調べ直す。この作業の繰り返しです。どうか忘れることを恐れず、地道な努力を続けていってください。


柴原 早苗
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:12 |

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