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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 第21回「体の部位+ing」表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

英語では名詞に動詞のing型を組み合わせることで、新たに形容詞が誕生します。たとえばEnglish-speaking(英語を話す)は形容詞ですが、English(名詞)とspeak(動詞)のing型が組み合わさったものなのです。このような用法の場合、単語の間に通常ハイフンが入ります。
さて、今回ご紹介するのは、体の部位に動詞のingをつけた表現です。早速見ていきましょう。

1.We saw a lot of nail-biting scenes at the Olympics.(オリンピックでは手に汗を握るようなシーンをたくさん見ました。)

nail-bitingは形容詞として使う場合、「はらはらさせる、心配させる」という意味です。一方、He has a habit of nail-biting(彼にはつめかみの癖がある)と、名詞として使うことも可能です。
ところで日本語の場合、「つめ」と一言で表せますが、英語では使い分けがなされています。手のつめはfingernail、足のつめはtoenail、親指のつめはthumbnailです。また、動物の場合、猛鳥のかぎづめはtalon、ネコや鳥などはclawとなります。「ジーニアス英和辞典」のような学習者向け辞書にはこうした類語も出ていますので、ぜひこまめに辞書を引くようにしてください。

2.Yesterday’s meeting was full of hair-splitting arguments.(昨日の会議は重箱の隅をほじくるような議論ばかりだったよ。)

hair-splittingはハイフンなしでhairsplittingと表記することも可能です。こちらも名詞としても使用可能で、「細事にこだわること、重箱の隅をほじくるような考え方」という意味になります。へ理屈屋のことをhairsplitterと呼ぶこともあります。もともとはsplit hairs(無用な区別立てをする、些細なことにこだわる)という成句から来ています。自分の髪の毛を例にとれば、一本一本はどれもほとんど変わりがないのに、仕分けることは不可能ですよね。そのような光景から誕生した表現です。「些細なことにこだわる」では、ほかにsplit strawsという言い回しもあります。

3.Making a presentation can be a nerve-racking experience.(プレゼンをすることは気が狂いそうな経験とも言える。)

rackとは「苦しめる、拷問台にかける」という意味で、神経を苦しめるというニュアンスから生まれた表現です。rackingの代わりにwrackingと綴ることもあります。wrackは名詞であれば「(中世の)拷問台」、他動詞の場合、「拷問にかける、ひどく悩ます」という意味です。

「神経」というと、つい繊細なイメージを抱きがちですが、英語のnerveには「度胸」という意味合いもあります。たとえば、
* He is a man of nerve.(彼は度胸のある男だ)
* She had the nerve to stay at her friend’s place for a month.(彼女は厚かましくも友人宅で1カ月も過ごした)
といった表現があります。一つの単語に両極端の意味があるのも面白いですね。

4.It was an eye-opening experience for all of us.(それは私たち全員にとって目を見張るような経験でした。)

「目を開ける」というニュアンスから「驚嘆すべきこと、目を見張るようなこと」となるのが上記表現です。名詞のeye-openerも頻繁に使われているので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。似たような表現ではeye-poppingもあります。

「eye-」という表現はほかにもあり、eye-catching(人目を引く)、eye-grabbing(目立つ)、eye-smarting(目にしみる)、eye-watering(目から涙が出るような)などがあります。

いかがでしたか?では最後に、上記表現を使った下記の文章を訳してみてください。

問題:
When you are learning English, you should not be afraid of nail-biting moments.  Speaking English could be a nerve-racking experience but at the same time, your study should not be hair-splitting.  I am sure there will be an eye-opening moment for all of you!

意訳:
英語を学ぶ際、ハラハラするような瞬間を怖がってはいけません。英語を話すことは、場合によっては拷問のような経験になるかもしれないでしょうが、同時に、みなさんの勉強は重箱の隅をつつくようなものでもいけないのです。みなさんにとって、目を見張るような瞬間が必ず訪れるはずです!

これからも英語学習をぜひがんばってくださいね!


柴原 早苗
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 11:14 |

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