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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 第20回:スイーツ関連の英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

世は空前のスイーツブーム。スイーツ専門のデパ地下女王がいれば、甘いもの大好きな「スイーツ男子」なるものも登場しています。ちなみに洋生菓子の出荷額ナンバーワンは、何と埼玉県。平成19年の統計では約778億円だったそうです。
というわけで、今回は スイーツ関連の英語表現を見ていきましょう。

1. The idea seems wonderful, but isn't it a pie in the sky?(そのアイデアは素晴らしいけれど、絵空事ではないかな?)

pie in the skyとは文字通り訳せば、「空にあるパイ」となります。どう考えても空にパイを置くことはできませんので、転じて「絵空事、絵に描いた餅、非現実的なもの」という意味になります。日本語の「絵に描いた餅」も、現実としては食べられないわけですので、この英語表現同様、「非現実さ」を表しています。

ネット百科事典ウィキペディア英語版によると、pie in the skyが初めて登場したのは1911年。20世紀初頭に労働運動指導者として活躍したジョー・ヒルが作った歌The Preacher and the Slaveに出てきたのだそうです。

ちなみに英語にはpieを使った表現がいくつかあります。たとえばcut a pie(おせっかいを焼く)、cut the pie up(山分けする)、eat humble pie(甘んじて屈辱を受ける)などです。電子辞書には例文や成句を検索する機能もついていますので、ぜひ活用してみてください。

2. The negotiation is a piece of cake.  Leave it to me!(交渉は簡単だよ。任せておいて!)

a piece of cakeとは「一切れのケーキ」のこと。つまり、その一切れをペロリと平らげるというイメージから、「たやすい、簡単なこと」という意味で使われています。同類の表現はいくつかあり、as easy as ABCas easy as pieMickey Mouseなども同じ意味で使われています。
cakeもpie同様、慣用表現がいくつかあります。たとえば有名なものではYou can't have your cake and eat it.(二つのことを同時に得ることはできない)というものがあります。これは16世紀のイギリスの劇作家ジョン・ヘイウッドが述べた格言You cannot eat your cake and have your cake.から来ています。

3. Don't be discouraged.  That's the way the cookie crumbles.(がっかりしないで。世の中、そんなものですよ。)

That's the way the cookie crumblesとは、直訳すれば「そうやってクッキーは割れるものだ」となり、あきらめの感情を表すときなどに使われる表現です。どちらかというと口語表現ですので、書き言葉として使うのであれば、That's the way things happen.を用いたほうが無難でしょう。

ちなみにイギリスではクッキーのことをbiscuitと表現するのが一般的です。一方、パソコン用語のcookieに関する由来は諸説ありますが、中華料理店で出るfortune cookie(おみくじ入りクッキー)にかけているとも言われています。フォーチュン・クッキーの中に情報が入っているのと同様、ネット上のクッキーにも情報が入っているからなのでしょうね。

4. At the party, we saw the cream of the cream.(パーティーでは超一流の方たちを見ましたよ。)

the cream of the creamは「クリームの中のクリーム」、転じて「最高級のもの」という意味です。同様の表現ではcream of the cropがあります。また、上記cream of the creamもフランス語表記のcrème de la crèmeというつづりでよく使われています。こちらのフランス語表記は、英語圏ですでに1800年ごろからおなじみだったということです。
イギリスを旅行すると、ティールームの店先にCream Teaと書かれた看板をよく見かけます。これは「クリーム入り紅茶」のことではなく、「ジャムあるいはクリーム付きスコーンと紅茶のセット」をさします。なお、イギリスではこってりタイプのクリームが多く、clotted creamと言われています。一方、Afternoon teaとは午後3時から5時ぐらいまでの間に食べるもので、上記のcream teaにサンドイッチや小さなケーキなどが提供されます。最近はイギリスも紅茶よりコーヒーが人気で、クリームティーを見かけることも少なくなってしまいましたが、田舎に行くと小ぢんまりしたティールームが今も健在です。旅行の際はぜひ本場イギリスの紅茶を味わってみてはいかがでしょうか。


柴原 早苗
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 10:22 |

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