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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 第17回:部屋にあるものを使った英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 


普段忙しい仕事に携わっていると、なかなか英語学習のため「だけ」に時間を割り当てることができません。社会人になってみると「もっと時間のある学生時代にやっておけばよかった」と懐かしく思い出されることでしょう。けれども大事なのは限られた持ち時間をどのように有効活用するかです。私の場合、iPodを常に持ち歩いているのですが、その中にお気に入りの英語関連のポッドキャストを入れており、「最寄り駅までの15分間はBBCのニュース」「乗換駅の3分間はアメリカのフィットネス番組のポッドキャスト」という風に、聞くものを使い分けています。いつもいつも勉強モードではくたびれてしまいますので、自分の趣味について英語で知識を仕入れるというのも、モチベーションアップにつながると思います。

さて、今月は「部屋にあるものを使った英語表現」を4つ、ご紹介しましょう。


1.  We have to do something about our new project.  Still, the topic is the elephant in the room.
(新規プロジェクトについて対策を取らなければいけません。けれども、その話題は誰もが話したがらない、大事なこととなっています。)

elephant を使った英語表現はいくつかあり、たとえば white elephant(無用の長物)、see the elephant(世間を見る)などがあります。上記例文の the elephant in the room とは「誰もがわかっているが話したくない大事なこと」という意味です。文字通り、象が部屋の中にいれば無視することはできませんが、誰もそれについて話したがらない状況をさしているのです。 
この表現が初めて登場したのがいつなのかは定かではありませんが、一説によればアメリカで1950年代ごろから使われ始め、イギリスでは2004年頃から広く見られるようになったようです。しかしイギリスの元弁護士で現在はジャーナリストのマーセル・バーリンズはこのフレーズについて「陳腐な決まり文句であるため、世界でもっとも嫌な表現」と批判したことがあるそうです。
 

2.  Everyone has a skeleton in the closet.
(誰もが隠しておきたい秘密はあるものです。)

skeleton in the closet は文字通り訳せば「クロゼットの中の骨」となります。「戸棚」はアメリカ英語では closet ですが、イギリス英語では cupboard(発音は「カバード」)となるので注意しましょう。上記例文もイギリスでは a skeleton in the cupboard となります。なお、They have a family skeleton.(彼らには、外聞をはばかる一家の秘密がある)と名詞にして使うことも可能です。
 一方、skeleton は軍事用語でもお目見えします。a skeleton regiment は「(戦死などで人員の減った)連隊」、a skeleton staff、は「最小限度の人員」という意味です。


3.  That company is sweeping real problems under the carpet.
(あの企業は実際の大問題を隠しています。)

sweep 〜 under the carpet とは「〜を隠す、秘密にする」という意味で、要は「臭いものにふたをする」というニュアンスが伴う表現です。sweep の代わりに brush や push を使うこともでき、carpet ではなく rug を用いることも可能です。12月号のこのコラムで be called on the carpet(呼び出される)という表現をご紹介しましたが、carpet には他にも色々な慣用句があります。ぜひ辞書でチェックしてみてください。

4. He was out of the door immediately.
(彼は即刻解雇されました。)

この表現は「out of the door=ドアの外に出る=解雇される」という意味です。前置詞の of をとって out the door といった場合は、「工場出荷時に」という別の意味になるので注意しましょう。なお、英語の場合、「解雇」と一言で言っても redundancy (合理化などによる余剰人員の解雇)、layoff (一時的解雇)という使い分けがなされています。契約書や法律文書などを作成する際は、それぞれの単語がもたらすニュアンスが異なりますので、和英辞書で目的の単語を見つけたらぜひ英英辞典で微妙な表現の差を確認するよう、心がけてください。


さて、冒頭で podcast についてご紹介しましたが、イギリスのBBCは英語学習者向けの番組が充実しています。特にBBC Learning Englishでは文法解説番組や子供向けニュースなどもありますので、やさしい内容から始めたい方はぜひチェックしてみてください。

*BBC Learning Englishのサイト
http://www.bbc.co.uk/worldservice/learningenglish/



柴原 早苗
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 10:29 |

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