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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 第14回:食品単語を形容詞化した英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 


前回このコラムでは食にまつわる表現を学びました。実は英語には食に関する言い回しが他にも色々とあります。そこで今月号では、食品単語を形容詞に用いた言い回しを見ていきましょう。

1.  I am afraid I don’t like their product because it is rather cheesy.
(残念ながら彼らの商品は割とちゃちな作りなので、好きではないですね。)

cheese という単語には実に多様な意味があり、食べるチーズはもちろんのこと、「うそ、たわごと」といったニュアンスで俗語として使われることもあります。イギリス英語では cheese off と言った場合、「いらいらさせる」という意味にもなります。

上記例文では cheese の語尾にyをつけて形容詞化しています。「チーズのような」という元来の意味も含まれますが、その他にも「ちゃちな、安っぽい」という語義にもなります。

ところで皆さんは「不思議の国のアリス」を読んだことがありますか?イギリス人作家ルイス・キャロルが書いた子ども向けの童話ですが、この中に出てくるチェシャ猫が不気味な作り笑いをしている様子が描かれています。この笑いも cheesy grin と言われています。
 

2.  Our new staff works very hard. Still, we have to be careful with her saucy conduct.
(新しく入った社員は勤勉だ。けれど、彼女の横柄な行動には気をつけないと。)

「リーダーズ英和辞典」(研究社)には各見出し語の最後に語源が出ています。リーダーズで sauce を引くと、もともとラテン語の salsus (塩)から派生した単語であることが分かります。みなさんも辞書を引く際は、ピンポイントで語義だけを調べるのではなく、ぜひ単語全体の他の意味から語源までしっかりと目を通すようにしてください。

さて、saucy も sauce の語尾にyをつけて形容詞化したものです。やや古めの略式言葉ですが、「生意気な、こしゃくな、横柄な」という意味が含まれています。どちらかというとイギリス英語で使われることが多く、アメリカ英語では sassy conduct として使うほうが頻繁に見られるようです。なお、大修館書店「ジーニアス英和辞典」で引くと、saucier – sauciest という比較変化をしていることが分かります。


3.  That sounds like a very good deal. Still, I find it rather fishy.
(どうやら素晴らしい取引内容のようだ。けれども、どこかうさんくさいなあ。)

上記例文の fishy は suspicious (疑わしい)と言い換えることもできます。日本では「まゆつば」とも言いますよね。中学校1年時に習う fish ですが、実は「魚」以外にもさまざまな意味を含んでいます。みなさんもぜひ、辞書でこうしたやさしい単語こそ引き直してみてください。fish の場合、名詞では「魚」の他に、「人、やつ」という意味が、動詞では「捜す」「(情報などを)探り出そうとする」という語義もあります。電子辞書は持ち運びに便利ですが、鳥瞰図的に眺めて拾い読みをするならば、やはり紙の辞書がお勧めです。私は家ではもっぱら「ジーニアス」の紙版を愛用しています。

4. That oily salesman is here again. We won’t buy from him.
(またお世辞のうまい営業マンが来たよ。彼からは絶対に買わないぞ。)

この場合、oily salesman は「脂ぎった営業マン」という意味ではなく、「礼儀正しいものの、お世辞ばかり言って誠実さに欠ける」といったニュアンスになります。こちらも名詞 oil にyをつけて形容詞化したものですが、この言葉には oilily (副詞)、oiliness (不可算名詞)もあります。リーダーズの辞書にはこうした派生単語も掲載されていますので、ぜひ辞書は隅々まで目を通すようにしましょう。みなさんの語彙力も必ずアップするはずです。

今回は食品関連の名詞を形容詞化した単語をご紹介しました。ご覧の通り、どちらかというとネガティブなニュアンスで使われることが多いようです。今月号では辞書の使い方もご説明しましたので、ぜひみなさんも辞書をたくさん引き、単に語義を調べるだけにとどまらず、ボキャブラリー力アップをめざしていってください。

 


柴原 早苗
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 10:39 |

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