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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 第11回:「仕事」の表現いろいろ

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 


 「仕事」という言葉を聞くとjob(仕事)やtask(任務)などの英単語を思い浮かべることでしょう。今月号では、仕事にまつわる表現をご紹介します。

1.  I am snowed under with work.
(仕事に追われています。)

 snow は名詞で「雪」という意味ですが、他動詞なら「雪で覆われる、閉じ込められる」という意味になります。つまり、snowed under with work は「雪で閉じ込められて身動きがとれないかのように、大量の仕事に押しつぶされそうな状態」を意味します。underは「〜の下に」という意味の前置詞で、圧迫や拘束、義務や責任の下にある状態をさしています。どちらかというと、ネガティブなニュアンスのときに用いるのが under です。似たような表現では“I am bombarded with documents during the week.”(平日は書類攻めにあっています)、“I have tons of things to do this week.”(今週はやることが山のようにあります)などが挙げられます。

2.  She jumped ship to take a better paying job.
(彼女はより良い収入を得るため、ライバル会社に転職しました。)

 jump ship とは本来、「船から脱走する」という意味です。一方、「競合他社に転職する」という意味もあり、上記の表現で使われています。欧米では転職を繰り返しながら自分のキャリアを高めるという考えが一般的です。このため、ライバル会社への転職も決して珍しいことではありません。日本では1980年代に女性が転職することを「とらばーゆする」と表現していたことがありました。これは雑誌名からとったものですが、「とらばーゆ」とはもともとフランス語の travailler (仕事をする)という言葉から来ています。英語の場合、「転職」の表現としては、find a new job, go job-hopping, switch to another job などがあります。

3.  My full-time gig is writing articles for company newsletters.
(私の本職は、社内広報誌に記事を書くことです。)

 gig とはもともとジャズ演奏家などが単発で行う「生演奏」の意味です。そこから派生して、「単発の仕事」「短期契約の仕事」という意味で使われるようになりました。しかし最近では親しい間柄であれば、full-time gig (本業、本職)というニュアンスで使うケースも増えています。くだけた会話が許される状況であれば、このような表現も使えると相手との距離感がグッと縮まることでしょう。「正社員の仕事」「常勤」を固い表現で表わすならば、full-time work, full-time employment が使えます。“I am a full-time instructor.”(私は常勤講師です。)のように、full-time の後に職業をつけることもできます。今回ご紹介した例文ではいずれも full-time を形容詞として使っていますので、fullとtime の間に必ずハイフンを入れるようにしましょう。句読法も英語表記の上では大事ですので、そのつど辞書で確認し、覚えるようにしてください。

4. After a day’s toil in the office, I can now relax.
(一日がんばって働いたので、やっとホッとできます。)

 toil とは「苦役、大変な仕事」という不可算名詞です。work よりも辛さや不快さが増した状態を意味しています。他にも after years of hard toil (長年の苦労の末に)という使い方も可能です。努力が報われてようやく良い状態が到来したときに使うと、それまでがどれだけ大変だったかが行間からにじみ出てきます。  
 
 ところで「仕事」という言葉は job, work, business, task などと表現できますが、ネイティブはそれぞれを使い分けています。ここで一度おさらいしておきましょう。

・work: 広義でのやるべき仕事、収入を得るための仕事
・ job: 口語的。workの中に含まれる特定の仕事、職業
・ task: 義務として課された仕事。難易度があり、定期的にやるべき仕事
・ business: 営利上の仕事
・ labor: 肉体的努力を必要とする仕事、(つらい)労働
 
 ところでみなさんはご自分の仕事を簡潔に英語で説明できますか?「どのような仕事をしていらっしゃいますか?」と尋ねられた際、相手が分かりやすいような説明ができれば、その後の会話もスムーズに進みます。ぜひご自分の業務を一文で表現できるよう、一度書きとめておくことをお勧めします。  

 

 

 

 

柴原 早苗

 

 

 立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 17:18 |

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