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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 第10回:数字の読み方あれこれ

 アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 


 現在私は英語ニュースの放送通訳にも携わっています。時事問題やスポーツのほか、必ず出てくるのが経済ニュースです。そこには政府統計をはじめ、各種指標や通貨・株式の話題が欠かせません。放送通訳は生放送であり、同時通訳で行うため、数字も素早く訳す必要があります。そこで今回はネイティブ・スピーカーによる数字の読み方を見てみましょう。

1.  The company has decided to cut thirteen hundred workers.
(会社側は1300人の雇用削減を決定しました。)

 アメリカのサブプライムローン問題を機に、最近は人員削減やリストラに関する話題がニュースでも出てきます。「1300」は通常、one thousand three hundred と読みますが、これではかなり冗長になってしまいます。そこで「13」(thirteen)と「100」(hundred)を組み合わせることにより、読みやすくしているのです。これは年号の読み方も同じで、「1988年」は nineteen eighty-eight と読みます。なお、改まった形で読む場合は nineteen hundred and eighty-eight となります。

2.  The Nikkei fell a quarter of a percent.
(日経平均は0.25%下落しました。)

 数字の読み上げでよく出てくるのが分数です。日本語では「れい・てん・に・ごパーセント」と読みますが、zero point two five よりもむしろ a quarter という分数が好まれます。ちなみに同時通訳の場面で three quarters of a percent と出てきたら「0.75%」とすぐに訳さなければなりませんので、日頃から分数を小数点に置き換えられるようにしておく必要があります。なお、テレビニュースでは a third of a percent (1パーセントの3分の1)といった、きっちり割り切れない数字で表現されることもあります。そのような際は「およそ0.3%」と訳しています。

 ところで株式ニュースで The Nikkei と出てきたら、「日経平均」の意味です。The Dow は「ダウ平均」、FTSE (Footsie、読み方は「フッツィー」)はロンドン証券取引所です。英語ニュースを理解する上でも、代表的な証券取引所名や通貨などは押さえておくと良いでしょう。


3.  The company announced that their budget for the next fiscal year will be eleven point five billion yen.
(会社側の発表によれば、来年度の予算は115億円とのことです。)

 数字で注意したいのは、日本語と英語における桁の取り方の違いです。慣れるまでは million(100万)、billion (10億)、trillion(1兆)などに戸惑ってしまうかも知れません。この例文では「115億円」と出てきますが、ここでも eleven billion five hundred million yen では長過ぎてしまうため、point(点)の一言を挿入しています。

 ところで年号が出てきたときには fiscal year(会計年度)なのか、calendar year(暦年)なのか、注意が必要です。日本語で「年度」と言った場合、通常は「4月1日から翌年の3月末まで」を意味します。一方、アメリカの会計年度は「10月1日から翌年の9月30日まで」です。「年度」と「年」を聞き違えないよう、気を付けてください。


4. The Sterling has fallen to one forty nine yen.
(ポンドは149円に下落しています。)

 ここでも「149円」を one hundred and forty-nine yen と言う代わりに、one forty nine と手短に述べることができます。Oneとforty-nine をそれぞれまとめて考えてしまって「1.49」と解釈しないように注意しましょう。

 ヨーロッパでは多くの国において通貨ユーロが導入されましたが、イギリスでは今でも Pound (ポンド。Sterling Pound ともいう)が使われています。Sterling(スターリング)はもともと「スターリング銀」の意味で、イギリスにおいてかつて銀貨が鋳造されていたことに由来します。現在のポンド通貨のマーク「£」は、libra(重量ポンド)の頭文字の「L」を変形させたものと言われています。一方、「円」を En ではなく Yen と表記している理由は、幕末の英米人の影響によるところだそうです。各国通貨のマークや由来を調べてみるのもおもしろいですよね。  
 

  ビジネスの現場にいらっしゃるみなさんも、ぜひ一度、英語のニュースを視聴してみてください。始めのうちは早口で聞きづらいかもしれませんが、日本語のテレビや新聞などであらかじめ同じ内容を調べておけば、それほどむずかしくはないはずです。  

 

 

 

 

柴原 早苗

 

 

 

 立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 10:35 |

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