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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 第9回:意外とよく出る口語表現

 

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 


 私は通訳学校などで指導していますが、受講生の多くが「語彙力をアップさせたい」と考えています。なぜなら通訳をする上で「知らない単語は聞きとれない。聞き取れない単語は訳せない」からです。別の見方をすれば、単語の力さえついていれば、大意はつかめることになります。  
 
ボキャブラリーを増やすとなると、つい市販の単語集などを購入したくなるでしょう。もちろん、どんな勉強法もやらないよりはやった方が効果として反映されます。しかし、単語集に出てくるような難しい単語ばかりを覚えるだけでは不十分です。なぜなら英語には基本的な単語を並べた決まり文句が非常にたくさんあり、そのような表現が口語ではよく使われるからです。そこで今回は「意外とよく出る口語表現」を見てみましょう。


1.  Our new office is well-organized. Having said that, we need some plants.
(新しいオフィスはきちんと整頓されています。そうは言ったものの、少し植物が欲しいですね。)

Having said that はネイティブの間で頻繁に出てくる表現で、文法用語で言うところの「連結詞」の一つです。連結詞とは、議論を追加したり転回させたりする上で使われる接続詞や関係詞の総称で、こうした表現をたくさん知っていると論理的な文章が組み立てられます。ぜひ覚えておきましょう。  

 Having said that の場合、その直前に出てきた内容と後の部分を対比させる際に使われます。この例文で見ると、「オフィスがきちんと整頓されている」という肯定的なメッセージがありますが、Having said that の後に「少し植物が欲しい」という、更なる改善点を求める表現が出てきています。ここではHaving said thatの代わりにHowever, Nevertheless などの接続詞を用いてもOKです。


2.  He doesn’t seem to mind working long hours, but at the end of the day, is he really happy?
(彼は長時間労働をいとわないようですが、結局のところ、幸せなのでしょうか?)

At the end of the day は文字通り訳せば「一日の終わりに」という意味になります。しかし成句の場合、「結局のところ、最終的には」とまったく別の意味になるので注意しましょう。一部の専門家はat the end of the dayが「考える時間を稼ぐための表現」であるため、挿入してもしなくても意味は変わらないと主張しています。すなわち上記例文もHe doesn’t seem to mind working long hours, but is he really happy?でも伝わるというわけです。

2008年11月にイギリスのオックスフォード大学が発表した報告によれば、at the end of the day はネイティブが一番いらつく表現の筆頭に挙がっています。しかし使用頻度も非常に高いことから、buzzword(今はやりの言い方)として認知されています。どうしても別の表現を使いたければ、in the end, the bottom line is などで置き換えると良いでしょう。


3.  At the outset, I would like to express my sincere gratitude to the organizers.
(まず、主催者の方々に心より感謝申し上げます。)

Outset は「初め、発端」という意味ですが、beginning やstart より堅い語です。よって、上記例文ではIn the beginning, I would like to express my sincere gratitude to the organizers.でも同じ意味になりますが、国際会議やビジネスの場など、少し正式なニュアンスを盛り込みたいのであれば、At the outsetを使うと良いでしょう。なお、atの代わりにfrom the outset でも同じ意味になります。

なお、シンポジウムや国際会議などでは冒頭で主催者に感謝の意を表することが礼儀とされています。sincere gratitude の他に、deep appreciation(深い感謝)、heartfelt thanks(心からの感謝)などがありますので、応用してみてください。


4. Our customer service desk is open 24/7.
(弊社のカスタマー・サービスデスクは休みなしで営業しております。)

24/7はtwenty-four seven と読みます。これはtwenty-four hours a day, seven days a week の略であり、all the time(常に)という意味です。インタビュー番組などでも頻繁に耳にする表現であり、特にアメリカにおいて1980年代ごろからよく使われるようになりました。口語表現として市民権は得たものの、フォーマルな表現で表わす場合は、Our customer service desk is open twenty-four hours a day, seven days a week.としっかり述べたほうが無難でしょう。 
 
 上記4表現はどれも単語自体は難しくありません。しかし英語にはこのような簡単な言葉の組み合わせが成句として多数存在します。新しい表現に出会うたびに、ぜひ辞書で確認するようにしてください。  

 

 

柴原 早苗

立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 13:59 |

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