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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 第5回:「とりあえず」を英語で言うと?

 

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 


  私たちの日常会話では、「とりあえず」という言葉が非常によく出てきます。たとえば「とりあえずやってみよう」「とりあえず今はいいから」「とりあえずコーヒーで」といった具合です。ちなみに副詞の「とりあえず」を三省堂「新明解国語辞典」で引くと、「[取るべきものも取らずに、の意]最終的にどうするかは別問題とし臨時(応急)の措置としてそうすることを表わす」と定義されています。
 
 日本語会話では大変便利な「とりあえず」ですが、はたして英語ではどのように表現されるのでしょうか?今回は「とりあえず」を使った例文を4つご紹介します。


1.  I don’t know if I can do it but I’ll give it a try anyway.
(できるかどうかわかりませんが、とりあえずやってみましょう。)

 I don’t know if 〜は「〜かどうかわからない」という意味です。I don’t know if I can arrive on time.(時間に間に合うかどうかわからない)、I don’t know if the plan will work.(計画がうまくいくかどうかわからない)などのように応用できます。I’ll give it a tryは「試してみる、やってみる」という意味で、最後にanyway(いずれにしても)で結んでいます。日本語の「とりあえず」はこのanywayがいわば受けていることになります。この例文の言い換えとしては、I am not sure whether I can do it but at any rate, I will give it a go.(はたしてできるかどうか定かではありませんが、いずれにしてもやってみます)が挙げられます。

2.  I’ll pencil you in for 12 o’clock next Tuesday.
(とりあえず来週火曜日12時でお待ちしています。)

 たとえば相手が訪問すると言ってきたとき、まだ先のため確約できないようなとき、仮予定で押さえるようなときにpencil inというフレーズを使います。この場合のpencilは他動詞で、「あとで消せるよう、鉛筆で書き込む」という意味が込められています。他の表現ではI will make a tentative appointment for 12 o’clock next Tuesday.(仮の予約を来週火曜日12時でとっておきましょう)なども可能です。tentativeとは「仮の、試験的な」という意味です。
 なお、予約にはappointmentとreservationがありますが、医師や弁護士など人と会う約束はappointment、列車やホテル、劇場の席などの予約にはreservationが使われます。


3.  Just beer for now.
(とりあえずビールで。)

 飲食店で注文する際、まずはビールで喉をうるおしたい、というような場合は、この表現が便利です。for nowの代わりにfor the momentとしても同じ意味です。「とりあえずコーヒーをください(今は他は結構です)」というときは、I will have coffee for the meantime.と言っても良いでしょう。
 ちなみに欧米のレストランでは、食事の前はシェリーなどの食前酒を頼むのが一般的です。これは食前酒を飲みながらメニューをじっくり選び、食欲を高めてメインディッシュを楽しむためなのです。ビールの場合、おなかが膨れてしまうため、欧米では食事の前は敬遠されています。海外出張の際は、覚えておくと良いでしょう。
 

4. Why don’t you start by going through the file?
(とりあえずファイルの中をじっくり探してみたらどうですか?)

 Why don’t you〜? は「〜してはいかがですか?」という意味です。go through the fileは「ファイルの中をじっくり調べる」の意で、たとえばなくしてしまった文書をもう一度調べ直すときなどにこの例文は使えます。状況としては、あわてている部下に対して「とりあえずできること」を教える上司、といったところでしょう。
 英語ではgo throughのように、中学校で習う英単語を組み合わせてできたイディオムがたくさんあります。実は私たち日本人学習者が苦手としているのは、難しいボキャブラリーよりも、こうした簡単な単語でできた決まり文句なのです。このようなフレーズの意味を調べるのに便利なのは、ズバリ「紙の辞書」です。電子辞書でももちろん定義は出ていますが、紙の辞書のように鳥瞰図的にページを見渡すことができません。しかし、紙の辞書であれば、太字や色分けなどがされていますので、こうした簡単な単語ほど、あるいは語義がたくさんある単語ほど、引きやすいのです。ぜひみなさんも紙の辞書を引いてみてください。

 

 

柴原 早苗
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:20 |

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