通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

ISSスクールブログ

アイ・エス・エス・インスティテュートが運営しています。


<< 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 133回 「appleを用いた英語表現」 | main | 『中国語表現コラム〜更上一層楼(更に上へと)』 第58回 「太極拳」 >>
ISSライブラリー 〜講師が贈る今月の一冊〜 第49回:柴原智幸先生(英語通訳)

library.png

先生方のおすすめする本が集まったISSライブラリー

プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、「人生のターニングポイントとなった本」「通訳者・翻訳者として必要な知識を身につけるために一度は読んでほしい本」「癒しや気分転換になる本」「通訳・翻訳・語学力強化のために役立つ参考書」等を、エピソードを交えてご紹介いただきます。
-------------------------------------------------------------------

今月は、英語通訳者養成コース講師、柴原智幸先生がご紹介する「形」(菊池寛著小澤征爾さんと、音楽について話をする」(小澤征爾著, 村上春樹著, 新潮文庫, 2014年)です

今月より4回にわたり、柴原智幸先生のおすすめ本をご紹介します。

-------------------------------------------------------------------

 

 

まずは、菊池寛の「形」という短編をご一読ください。

 

作品のテーマやメッセージとは、ずれるかもしれませんが、私は自分の力を伸ばすうえで、この若武者の取った方法を大いに活用すべきだと思います。
まずは第一級の力をもっている人に、自分を重ね合わせてみる。その人が何をどう見ているのかを体感してみる。
そして、くみ取れた部分だけでも良いので、自分でも振り回してみる。要は「分かった」と思ったことを「使いこなせる『技』」として定着することを試みるわけです。
最初のうちは「狐假虎威」というような次元でも構いません。やがてそれは自分の中に定着し、自分の力を増してくれるはずです。

 

というわけで、だいぶ太めの狐である私が、ここ数年で「威を借りた」虎さんたちと、その中でも特に印象的だった一節を列挙いたします。

 

 

 

「小澤征爾さんと、音楽について話をする」 小澤征爾、村上春樹 著 新潮社

 

小澤 「ただね、このオーケストラの演奏は、子音が出てこないですね」
村上 「子音が出てこない?」
小澤 「それぞれの音の出だしがないということですね」
村上 「……まだよくわからないです」
小澤 「うーん、何と言えばいいのかな、『あああ』というのが母音だけの音です。それに子音がつくと、たとえば『たかか』とか『はささ』という音になります。要するに、母音にどういう子音をつけていくかですね。『た』とか『は』とかを最初につけるのは簡単なんです。でもそれに続く音がむずかしい。『たたた』というと子音ばかりになって、メロディーが潰れちゃうけれどそれを『たらぁらぁ……』と行くか、それとも『たわぁわぁ……』で行くかで音の表情が変わってきます。音楽的に耳が良いというのは、その子音と母音のコントロールができるということです。このオーケストラはしゃべりに子音が出てこないね。いやな感じはしないですけれどね」(p.73)

 

 

(8月掲載に続きます。)

 

-------------------------------------------------------------------

柴原 智幸(しばはら ともゆき)
上智大学外国語学部英語学科卒業。英会話講師、進学塾講師、フリーランス通訳者を経て、英国University of Bath大学大学院通訳翻訳コース修了後、BBCに放送通訳者として入社。2011年より2017年まで、NHKラジオ講座「攻略!英語リスニング」講師。現在は大学講師、NHK放送通訳者・映像翻訳者として活躍中。
-------------------------------------------------------------------

 

 

| ISSライブラリー 〜講師が贈る今月の一冊〜 | 09:32 |

CATEGORIES

RECOMMEND BOOKS


SELECTED ENTRIES

CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>

リンク

モバイル
qrcode