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授業体験レポート:2019秋【中国語編】第4回 「欲速則不達(急がば回れ〜)!!!」

ISSスクールブログで人気の授業体験レポートは、この秋で17シーズン目を迎えています。2019年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!今回は中国語翻訳者養成コース基礎科1クラスの香蕉皮さんのレポートをお届けします。

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皆さま、お久しぶりです!(※隔週です。)
挨拶だけは元気が良いと定評のある私ですが、先週、深圳に住んでいる親戚と日本で何年かぶりに顔を合わせまして、その際ウケを狙おうと中国語で挨拶をしたら「え?なんで?(怪訝)」と言われました。反省しています。

 

日本人同士で日本語以外の会話をするって、やっぱり落ち着かないものなんでしょうか。相手が中国語を話せると知った途端、喜びに我を忘れて暴走してしまう自分は、確かに空気が読めませんが…(自覚あり)。

 

謎の近況報告で皆さまと侘しさをシェアしたところで、今回も授業レポートやっていきまーす!

 

【七回目】
日本語ネイティブの講師による和訳課題の振り返り等
この日は、課題の原文で取り上げられていた都市「アモイ(廈門/厦門)」を語る上で必要不可欠な知識を補えるよう、先生が資料を用意し時間を設けてくださいました。その背景である中国の歴史や制度についても自分がいかにリサーチ不足だったかを知り、早々に後悔…(毎回同じような反省レポートを書いている気がしますが…)。

 

知識は力なり
「農民工」(農村出身の出稼ぎ労働者)、「民工潮」(農民工が都市へ大移動する事)といった単語を始め、昔からアモイや金門島が台湾との通商圏として栄えている事、中国では戸籍が2種類に分かれている事、それによる問題点や、義務教育法が改正されてからのメリット、デメリットなど、初めて知る内容ばかりでしたが、先生がひとつひとつ丁寧に解説してくださいました。他の先生からも教わった「知らなくても良い、とことん調べる事が大切」という教訓が改めて身に染みます。次こそは、ちゃんと調べよう(毎回思ってるはずなのに…妙だな…)。

 

・「近日」は過去?未来?
日本語での先入観を疑わなくてはいけない、とわかっているはずなのに、うっかりやってしまう癖も抜けていません。「話題の○○近日公開!」「近日中に伺います」のように、多くはこれから起こる事を表す「近日」も、中国語では起きたばかりの時期を指すと知り、自分の詰めの甘さを痛感。逐一調べるべきでした。それにしても「近年」は過去っぽいのに、なぜ「近日」は未来っぽく感じてしまうのか…?日本語の謎は深まるばかりです。

 

最大の敵は自分
固有名詞は訳さないのが鉄則ですが、「城市職業學院」を「職業訓練学校」と直してしまったり、「思明區都市ボランティア協会」と直訳して良いところを「町のボランティア協会」と意訳してしまったり、住所の「社區」をどう訳すか考えあぐねた結果、なぜか省いてしまったり…。そして唯一、クラスで自分のみが「設有(設置している)」と「沒有(存在しない)」を見間違えたまま訳すという意味不明すぎる大ミス。もはや固有名詞どころの騒ぎではない。一体今まで何を学んできたのやら…と呆然としていると「私もよくやるよ!」と、すかさずフォローを入れてくださる先生……さすがです……。

 

誰が誰に向けて書いているのか
セールスなのか、お手紙なのか、新聞なのか……中国語の文脈や言い回しを判断するのも不得意です。
日本語ほど細かく尊敬語や謙譲語がないため、状況把握に手間取るのかも知れませんが、早く原文を忠実に読むコツを掴みたいです…。

 

・句読点は変換OK
以前にも、句読点の移動や変換はしても良いと教わりましたが、クラスメートの方の実例を見て「こういう事か!」と納得。とても勉強になります。テクニカルに鉤括弧を駆使した長文和訳にも感動。

 

・「城中村」
元々あった農村の周りが都市開発されていき、建ち並ぶ高層ビルの中にぽっかりと村がある様。
本レポートの冒頭挨拶で触れた(?)深圳も、急速な都市発展が進み、城中村が点在しているみたいです。

 

【八回目】
中国語ネイティブの講師による中訳課題の振り返り等
この日は、授業終了後にクラスメート全員で「初顔合わせ(*)」の予定がありました。先生もウキウキと楽しみにしていらっしゃる様子で、心なしかいつもより授業を進めるスピードが早かったような…(笑)。教材の内容は、いつにも増して情報量が多く、特に類義語の比較、例文、解説はとても参考になりました!
*先生、通学生とネット受講生がウェブ経由であいさつしました。

 

・格式(文章のフォーム)のおさらい
基本的な中国語作文のルールとして、今回復習したのは「お手紙」や「お知らせ」のフォームです。
日本人の我々は油断しがちなところだと思いますが、相手先の名前の後ろに「:」を付ける、段落の一行目は全角スペースを2マス空ける、日付や差出人の名前は文末に持って来る…といった、独特の形があります。一見覚えるのは簡単かも知れませんが、「お知らせ」の場合のタイトルや、宛名に付ける敬称で毎回悩みます。(と言いつつ、日本語のフォームすらマスターしていませんが…。)

 

似懂非懂
固有名詞の沼再び、です。全く知らない単語であれば、迷わず解決するまで調べるのですが、中途半端に知っていたり、訳すべきか訳さないべきか悩んだ時、つい語感や既にある知識で意味を理解したような気持ちになってしまいます。先生が「翻訳の時に一番恥ずかしい事は、似懂非懂(わかったようなわからないような状態)」とおっしゃった際、まさにそれが自分の弱点だと思い、ハッとしました。原文を理解する事は、原作者に寄り添う事。人の気持ちを理解する上で、常に自分を過信しない事が重要なのですね…(自らハードルを上げまくっていくスタイル)。

 

クラスメートからの学び
「(概念または思想)の原点でもある○○」という日本語の中訳を見ていくと、見事にクラスメート全員バラバラの回答だったのが印象的でした。いつもは、いくつか同じ単語がかぶっていたり、長めの言い回しで解釈が異なっていたりする事はあるのですが、「原点」のたった一単語だけで「起點」「原點」「基礎」「基本理念」「初心」これほど個性が出るとは思いませんでした。マンツーマンの授業では得ることの出来ない、別角度からの考察にはいつもワクワクします。添削内容についてここでは伏せますが、先生の模範解答は「根本」「根源」「基本精神」でした。

 

基礎科の意義
先生は、生徒それぞれに合わせた解説と、それぞれの良さを尊重した添削をしてくださいます。
現時点での訳文を基準に、より自然な文にするにはどうすれば良いかを一緒に考えたり、生徒からの意見にも「ひとつの考え方」だと理解を示し、可能性を狭めないようにという配慮を感じます。

もちろん、プロの翻訳家の方々は、個性を出さないよう訓練をしていらっしゃると思うのですが、基礎科ではそうした部分も評価してもらえる特典(?)があるのかも知れません。

 

・類義語コーナー
日本語ネイティブが間違えやすい、中国語の類義語集をまとめていただきました。
ちなみに類義語の中国語は「同義詞」や「近義詞」と言います。今はネットでも類義語検索サイトが多く存在しますが、やはり信憑性が不安になる事もしばしば。そんな時も、先生を頼れるのは生徒の特権ですね!

 


【印象総まとめ】
翻訳のお仕事をするためには「一般教養は元より、広い知識を得なければ務まらない」とわかっていながら、調べ物をする際の探究心が足りていない事が改めてわかりました。プロの方々は、日頃からこうした努力を怠らずに一人で原文と戦っているのだと思うと、畏敬の念を禁じ得ません。

 

言葉は常に生きていて、絶えず変化しているものである以上、細かな正誤判定も難しく、美しい言葉と感じる基準も人によって様々です。数学のようにあらかじめ明確な答えはなく、「間違いではないもの」の中から「より共感と賛同を得られる答え」を探し出すのは大変ですが、今はとても楽しいです。

 

焦っても空回りばかりしてしまうかも知れないので、マイペースでも成長できるようにやっていこうと思います。

 

何かと要領の悪い私は、昔から「想太多了」(考えすぎだよ)「慢慢來」(ゆっくりね)と、色んな方に気遣っていただいていました。
僭越ながら、皆さんも学習に煮詰まった時には、是非この言葉を自分にかけてあげてほしいなと思います。

 

ではまた次回!
| 授業体験レポート | 09:41 |

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