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授業体験レポート:2019秋【中国語編】第3回 「私は本当に日本人なのでしょうか…」

ISSスクールブログで人気の授業体験レポートは、この秋で17シーズン目を迎えています。2019年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!今回は中国語翻訳者養成コース基礎科1クラスの香蕉皮さんのレポートをお届けします。

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前回のレポートにて「クラスメートが抱く疑問を代弁できる救世主的存在になれれば」などと生意気な記述をしておきながら、早々にフラグ回収です。学習云々以前に、人としてやってはいけない事をやってしまいました…。五回目にあたる中日の授業、なんと自己管理不足による無断欠席。論外中の論外。復習の際にも利用していたインターネット授業動画の存在に、改めて救われた気持ちです。通学している生徒も、授業動画で何度も内容を確認できるのが翻訳コースの凄いところです。首の皮一枚繋がりました。以後気をつけます…。

 

【五回目】
日本語ネイティブの講師による和訳課題の振り返り等

 

前回出た課題は、とある動物番組で使われていたナレーションのセリフを訳すというもの。「動物好きだし正解できるかも♪」という、意味不明な自惚れが脳裏をよぎりましたが、結果は誤訳だらけの大惨敗。原文の背景を忠実に理解する力がまだまだついていない事を再認識しました。海外の動物番組を字幕で観ているからと言って、油断してはいかんぞ!過去の自分!

 

翻訳で学ぶ思いやり
一度に字幕をどれだけ表示できるのか、基本的なルールについて教えていただきました。画面上に二行まで、一行につき14文字前後まで、1秒に約4文字程度まで…といった数量・時間の制限や、「、」「。」「──」等の記号は使えない代わりに、多少耳慣れない難しい漢字が使える、といった特徴です。恐らく例外も存在するでしょうし、中日訳以外でのルールはまた異なると思いますが、吹き替えも字幕も、視聴者へ無駄なく自然に伝える配慮がされている事に変わりはありません。普段から蛇足や飛躍のオンパレードである自分に呆れつつ、翻訳から思いやりの心を学ぶのでありました。

 

惑わされがちな漢字世界
中国語と日本語の学習者がぶつかる壁のひとつ。それは、全く同じ漢字でありながら、使い方が微妙〜に異なる単語です。クラスメートが先生に質問をしていて、はっ!と気づいた一例を挙げてみます。「観賞(觀賞)」は、中国語・日本語共に「見物する、目で見て楽しむ」という意味がありますが、中国語で「觀賞猴子」と言っても、日本語では「サルを観賞する」とはあまり言いません。動物観賞、桜観賞、ホタル観賞、観賞魚…こうした日本語がある一方で、なぜサルは観賞しないのか。はっきり答えられない私は、果たして本当に日本人なのでしょうか。余談ですが「鑑賞(する)」の中国語は「欣賞」です。

 

・本末倒置(本末転倒)
中国語では度々、同じ単語を繰り返し使う場面を目にします。日本語では重複を避けて表現する事が多く、和訳の際にも「サル」が文中に何度も登場しないよう、「彼ら」に替えてみたり省略してみたりと工夫をするのですが、これがまた難しい!余計な解釈を足さないように注意しながらも、直訳で伝わりにくい部分をどのように補うのかが鍵になるのですが、自分の場合はまだそのレベルにまで頭が回らず大混乱。段落などを勝手に改変してしまわないようにと気を取られすぎて、原文の意味自体を真逆に捉えてしまったり(どうしてこうなった)と四苦八苦しています。

 

ネットの中日辞書「北辞郎」を駆使せよ!
以前にも教わったのに活かせておらず反省…今ではこれ無しで翻訳できない程、頼ってます。

 

・「犠牲」の捉え方が違う!
中国語→正義のため命を投げ打つ
日本語→(意志と関係なく))命を奪われる
これもクラスメートからの指摘で学びました!

 

・神農、百草を舐める
様々な野草を食し、その効能を調べて世に広めたと言う伝説上の人物「神農」。医療発展のルーツとも言われるお話だそうです!

 

などなど、盛り沢山。
最後はいつもの「どこか変な日本語コーナー」(すみません勝手に名付けました)。中国語ネイティブのクラスメートの出す正解にいつも感心しっぱなしです。私は本当に日本人なのでしょうか…。

 


【六回目】
中国語ネイティブの講師による中訳課題の振り返り等

 

こちらの授業でも、恐ろしいまでに誤訳している自分に驚きました。驚きを通り越してドン引きです。まず、あれほどタブーだと自身の授業レポートでも書いたはずの段落(項目数)の改変。一体どう訳せば良いのかとパニックになり、前後の項目を混合して訳すしかない!と思い込んでしまった自分に思いっきり喝を入れ たいです。混合できるどころか、そもそも全く意味が違う単語だったというオチでした…。

 

・常に説明不足
日本語は曲者だなぁと毎日のように思い、過ごしていますが、「運転後」という言葉に含まれる動作はいくつあるか?という問題に悩まされたのはこの日が初めてです。中国語で運転は「開車」、その後ならば「後」なので「開車後」が運転後なのでは?なーんだ簡単!とは、なりません…。なぜなら「運転後」という日本語には、「運転し終わって、車を止めたその後」が全て含まれているため、「停車後(車を止めた後)」と中訳するのが正解なのです。含まれる動作の最後に何をしているか、を意識することが大切なのです。日本語は動作の略された単語が多いのです。ニホンゴ、大変、なのです…。

 

孤独な戦いをしないで
他のクラスメートがしないような、ダイナミックな間違え方をよくします。その度、先生は「独創性がある」とフォローしてくださるのですが、翻訳はあくまで翻訳であり、原文を尊重しなくてはいけない、個性は出すべきではない、と自分でも認識しています。にも拘らず、ひとたび自分の中で訳の矛盾や違和感が生じると、うまくまとめる事ができずに暴走してしまいます。先生曰く、「今は一人で悩まないで。いつか翻訳家として一匹狼になったら、誰にも相談できなくなる。今はたくさん相談して力をつけてください」と、温かいお言葉…。がんばります。ちなみに、中国語で一匹狼は「單槍匹馬」と言うそうです。ヒヒン。

 

・授業の進め方
先生のお話は8割くらいが中国語なのですが、ふと「もし聞き取れない方が居たら教えてくださいね」と日本語でおっしゃいました。以前、生徒さんに中国語のヒアリングが苦手な方が居たのだそうです。自分も、聞き逃したところは動画で何度も確認するようにしていますが、やはり不安な時は先生に直接お願いしようと思います。昨日気づいたのですが、授業動画は再生速度も選べるようになっているのでとても便利です (気づくの遅い) 。

 

・中性的
中国の人名では、漢字の持つイメージによって男女が判別できたりもしますが、最近ぱっと見ではどちらかわからない中性的な名前が増えているそうです。

 

・今までのおさらい
一般人が対象の注意事項は専門用語を避ける、句読点の使い訳に気を付ける等、習った事のおさらいなども忘れずに!

 

・婉曲法について
身体障害(中国語:殘疾)を中国語で表す際は「殘」という字を避けるそうです。日本語では「害」という字をひらがなにする配慮がされていますね。

 


【印象総まとめ】
先生方は、クラス全体のレベルによって臨機応変に教材を選んでくださっているようです。一般的な学校のように、始めに決められた内容とスケジュールで授業を進めるのではなく、こまめに生徒の声を聞き、課題の回答なども参考にしながら対応していただけるので、安心感が違います。言語は、時代と共に変化し続ける特性上、生の教材で学習するのが望ましいとされているため、いつも先生方が、我々のために苦心して問題を作成してくださっています。非常にありがたい事です。

 

また、翻訳で原文の魅力をそのまま伝える為には、訳者の技術だけではなく、人間的魅力が絶対不可欠だという事も、強く感じます。翻訳したものによって、受け手に不快感や猜疑心を与えないよう心がけるというのは、ある種、心理学に通ずる部分があるように思うのです。翻訳って奥深いですね。

 

授業中、母国語の疑問を母国語で解決できず、中国語ネイティブのクラスメートと首を傾げながら、互いに「私は本当に日本人(中国人)なのだろうか」と笑い合う機会が増えてきました。
この授業レポートもこれで良いのか?と疑問を持ちながら、今回はこれにてお別れです!
またお会いしましょ〜!

 

| 授業体験レポート | 09:55 |

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