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授業体験レポート:2019秋【中国語編】第1回 「翻訳ドキドキ体験ツアー☆いよいよ開幕」

ISSスクールブログで人気の授業体験レポートは、この秋で17シーズン目を迎えています。2019年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!それでは、中国語翻訳者養成コース基礎科1クラスの香蕉皮さん、よろしくお願いいたします。

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大家好(こんにちは)!この度、授業体験レポートを担当する事になりました香蕉皮(バナナの皮)と申します。
なんと、中国語翻訳基礎科クラスのレポートは今回が初だそうです。昔から作文が苦手な私は、うっかり大役を引き受けてしまった!と、矢鱈に緊張しているのですが…最終的に「船到桥头自然直」(案ずるより産むが易し)の精神で乗り切る事にしました。
拙い文面になるかとは思いますが、まだ受講される前の皆さまにとって、少なからず判断材料になるレポートをお送りできればと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。

 

突然自分語りになってしまいますが、私は「中国語が好き」という理由のみで台湾へ移住し、2年半中国語学習に明け暮れていた時期があるものの、根がちゃらんぽらんな人間のため、翻訳家のように高いプロ意識で言語を扱う仕事を目指すべきではない、と怖気づいていました。帰国後は語学と無関係な職場を転々とし、自身の処理能力や対人スキルの低さに心底辟易する毎日でしたが、そんな弱点が浮き彫りになっていくにつれ、過去唯一、自分で伸びしろを感じられた特技が中国語なのだと気づきました。誰かの役に立つためにも、自分を好きになるためにも、その特技を活かしてみよう、と思えるようになりました

 

しかし、講師の方々がコラム等でも語られているように、翻訳とは、語学が堪能であれば成立するものではありません。趣味で動画の字幕や歌詞を訳している時も、意味や説明は合っているはずなのに、何かが違うという自覚だけがあり、肝心の正解がわからない、という事が多々あります
人には人の乳酸菌…、もとい、翻訳には翻訳の専門知識が必要不可欠であると感じ、ISSインスティテュートさんのサイト内にある「文法知識やご自分の感性のみで翻訳に挑んでいませんか?」という一文に激しく胸を打たれ、こちらにお世話になろうと決めました。

 

はい!そんな訳で本題のレポートに参ります!(長くなってすみません)
1回目、2回目と続けてどうぞ!

 

【第一回】
日本語ネイティブの講師による中日レベルチェックテスト振り返り等

 

・初顔合わせ
お互いに「こんにちは〜」と和やかに始まります。
来校して授業を受ける生徒は、中国語ネイティブの方と私の2名ですが、先生が明るい方なので、すぐに緊張もほぐれ、談笑するように進みます。
各々が受講したきっかけや得意分野などにも触れながら、時折、先生がカメラに向かって「インターネットでご覧の方もよろしくお願いします〜」とおっしゃるので、その都度「リラックスしすぎて変な発言しないようにしなきゃ」などと考えていました…。

 

・今時の中国文芸
先生に「得意分野は何ですか?」と訊かれ、漫画などのサブカルチャーですと答えたところ、すかさず「タイムリーな話題ですね!実はちょうどLINE漫画で中国系の作家さんが増えていて、翻訳のお仕事も頼まれたりするんですよ!」と、教えていただきました。
他にも、元来中国では重要視されていなかった、推理小説やミステリー小説の分野が流行し始めていて、台湾の出版社が設けた島田荘司推理小説賞では開催四回目にして初の中国作品が受賞した、というニュースなど、生徒の関心に合わせて瞬時に知識を引き出せるのは、流石プロ!と感動します。

 

・日本語をより日本語っぽくする作業
事前に提出していた、 中日レベルチェックテストの振り返りに加え、新しく用意された問題を解きながら、和訳する時の注意点やヒントがどこに隠されているのかを教わりました。面白いと思ったのは、あらかじめ和訳されている文章を読み、どこがおかしいかを指摘する問題です。最近、ネット通販などでも目にする事が増えた「日本語だけど、なぜか違和感がある文章」に似ています。実際の観光パンフレットから引用したものもありましたが、どのように修正すれば自然な日本語になるのか、削る、足す、入れ替える等の法則を探る作業は、どことなくパズルゲームのように感じます。

 

他にも、
・ネット検索術(中国語検索に役立つ豆知識)
・中国語と日本語の特徴(和訳の際はいかに削るかが大切、豊富な表現分野の違い等)
・知らない単語は推測できる事もある(「硬密封」があるなら「软密封」もあるはず)
・日本語特有の表現に注意(中国語には「水廻り」「雪道」のような単語がない)
・カバー率の差(単語の数をいくつ知っているかで生活の何パーセントをカバーできるかというデータ)

 

などなど、盛り沢山な内容で、全て書き出す事は出来ませんが、
中国語と日本語それぞれの良さや面白い性質を再認識し、より理解を深めようという意欲が湧いてきました

 

 

【第二回】
中国語ネイティブの講師による日中レベルチェックテスト振り返り等

 

・初顔合わせ中国語Ver.
授業前に、先生も交えて少しおしゃべり。時間が来ると「我们来上课了〜(始めましょうか)」の合図で始まりました。
おっとりとした優しい口調で話される中国語に内心うっとりしながら耳を傾けていると、「有什么原因让你重新复学呢(なぜまた勉強することに決めたのですか)」と質問を受けたのですが、しどろもどろで頓珍漢な返答をしてしまいました。どこか「好きだから」という理由を口にするのが気恥ずかしかったのですが、先生は「(因为)还是喜欢?(好きだからですか)」とフォローしてくださったり、先生自身が10代の頃から語学の面白さに目覚めたエピソードに触れ、安心させるように語ってくださいました。私も、先生に安心してもらえるよう、この基礎科で技術を学んでいきたいと思います。

 

「信」「達」「雅」
清時代、思想家や翻訳家として活躍した厳復が残した言葉「信、達、雅」について、先生から解説がありました。「信」は言葉の忠実さ、信頼性を重視し、訳者が思いのままに原文の意味を変化させてはいけないという事。「達」は文章の自然さ。各々の言語が使われる環境や背景を理解し、ネイティブならではの構成にする事。「雅」は文学性、スマートさ。より文章としての美しさを求め、豊かな表現を意識する事。(書いてる側から曖昧な訳ですみません)
この3つが、翻訳で最も難しいとされる基礎概念だと知り、またそれが現代にも通用する教えであるという事実に感動しました

 

・より良い表現とは
日中レベルチェックテストの振り返りをしながら、じっくりと時間をかけて間違えやすい部分を指摘していただきました。間違いと言っても、単語の持つ意味ではなく、意味が合っていても「状況を表すには語気が弱すぎる」「字面で理解できるだけで一般用語ではない」といった間違いです。第一回の授業でも、日本語を日本語で修正していましたが、今回は中国語なのでより難しく感じました。習慣的に思いついてしまう言葉が造語だったり、方言だったり、適切でないものばかりで、自身のリサーチが甘すぎると痛感したのですが、その分新たな知識が広がるので、独特な楽しさもあります

 

他には、こんなお話も。
・表現力を高める三つの方法(\賁膕箸醗貳命佑諒限里ら違いを学ぶ 著名な文学作品を読む ビジネス用語や学問用語で言い換えた単語を覚える)
・文体の統一化(口語、書面、語気等の差をなくす工夫)
・リサーチの重要性(知らなくても、とことん調べればOK)

 

冒頭のオリエンテーションでは、「わからない事があれば遠慮なく訊いていただければと思います」「授業毎に皆さんが成長を感じられるようにしていきます」といった労いと励ましの言葉をいただき、授業中や授業終了後にも、先生自ら「質問はありますか」と気にかけてくださったので、とても心強く感じました。
あまりにもわからない事だらけで、質問を考えるほどの余裕がなかったりするのですが(笑)、少しずつ慣れていこうと思います。

【印象まとめ】
「ネイティブだからと言って母国語が完璧な訳ではない」というのは、個人的にすごく救われた気持ちになりました。中国語を学ぶ上で、度々上手く日本語に変換できない場面があるのですが、それは単に自分の能力不足ゆえの違和感だと決め付けていたからです。
見過ごしがちな問題だと思うのですが、「原文を疑う」という前提を知らずに翻訳、あるいは語学学習してしまうと、せっかく得た知識も誤ったまま覚えてしまったり、誤ったまま伝える事になってしまいます。
翻訳のプロである先生方から異口同音に「原文が完璧とは限らない」と教わる事で、より慎重に文章と向き合っていこうと思いました。(もちろん、自分の間違いにも敏感になれるよう留意しつつ…)
今回のレポートは以上です!
おつかれさまでした!

 

| 授業体験レポート | 10:19 |

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