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英語通訳コース特別セミナーレポート 「現役通訳者に聞く、30〜40代の過ごし方」

 

2019年秋、英語通訳者養成コースの特別セミナーでは、通訳・翻訳の現場で第一線で活躍されている西山より子先生にお話を伺いました。

 

通訳・翻訳に関わるようになったきっかけ、仕事と子育て、勉強との両立、忙しい中での時間管理術から実践されていた自己学習法まで様々なお話をお伺いすることができましたので、その一部をセミナーで出てきたキーワードと共にご紹介します。

 

●20代、翻訳からのスタート
大学卒業後、電機メーカーの海外営業に配属になり、様々な業務の中でも取引先の外国人のアテンド通訳やEメールの翻訳にやりがいを感じ始めたそうです。それから本格的に勉強したいという気持ちが非常に大きくなり、電機メーカーを3年半で退職し、本格的に翻訳の勉強をスタートしました。


ISSで翻訳コースを週1回受講しながら、出勤前に勉強、退社後にも近くのカフェなどで1時間程度、毎日勉強する時間を確保していたそうです。しかし先生曰く、その時を振り返ると勉強する楽しさは味わっていたが、それに満足していた。なんとも生ぬるい感じでプロになる覚悟などなかったとのこと。

 

●2つのきっかけ
ふわふわと勉強していた状況が続いていた、そんな中で、二つの出来事が先生をプロの道へと大きく導いていきました。

 

1. 人生は戦い
先生にとっての大きな事件は2001年に発生したアメリカ同時多発テロ(9.11)でした。まるで人生がひっくり返るような、とてもショッキングな出来事で、自分がいかに生ぬるい中で生きてきたか、人生は戦わなければいけない、と思うきっかけになったそうです。すべての事において全力で取り組むようになったきっかけになったと、当時を振り返ってお話されていました。

 

2. 恩師との出会い
なんとなく壁にぶち当たり伸び悩みを感じていた時、ISSの翻訳コースで「プロの翻訳・通訳者を目指すための基礎講座」というクラスを受講。その講座を担当していた相田倫千先生に英語力を伸ばすための様々な勉強法を学び、基礎力を徹底的に鍛えたそうです。


そこで先生が実行したのは「英字新聞を毎日読むこと」。a、an、theなどの冠詞に〇をつけることを5年間続けることで、冠詞の使い方を体が自然に覚えるようになるなど、目からウロコの内容で、現在の土台がここで作られました。

 

通訳クラスの講師も担当していた相田先生からは、翻訳だけでなく通訳訓練も勧められたそうです。派遣での仕事が翻訳だけでなく、アメリカへの出張など通訳の仕事も次第に増え、通訳訓練の必要性を感じたのもこの時期だったそうです。

 

当時の勉強法もお話されていたので、少しご紹介しておきます。

 

月曜:英字新聞を読む
火曜:文法書を読む
水曜:気に入った英字新聞の記事を切り抜き英日訳に挑戦
木曜:日本語の新聞記事(天声人語)を切り抜き日英訳に挑戦
金曜:1週間で勉強した単語を別途リストにしてMy単語帳を作成する

 

これらの勉強を3年間半続けることで、様々な分野での興味や知識も広がっていったそうです。飽きずに続けられる勉強法として、ぜひ参考になさってみてください。

 

●30代から通訳訓練のスタート
派遣の仕事を辞めた後、知人の紹介で翻訳会社のコーディネーターとして働くこととなった西山先生。この時からISSで通訳訓練を本格的にスタートしました。


翻訳コーディネーターの仕事は業界の動向だけでなく、どういった人間がプロとして求められるのかを学ぶことができる貴重な機会だったそうです。ただ、2年間働いていくうちに、残業なども多く、派遣時代のように学習時間が取れず、通訳訓練の予習・復習ができない状況にジレンマを感じていた先生は、ついにある決断をすることになりました。当時勤めていた会社の社長に相談し、今度は「フリー」になることを勧められ、実際に行動に移すことになります。

 

ちなみにコーディネーター時代は昼休みに勉強を、そして通勤時間を利用して電車の中でマスクをしながらシャドーイングを欠かさなかったとのことです。なんとか時間を捻出して、諦めずに細々とでもトレーニングをしていたことは決して無駄ではないんだなと思いました。

 

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●40代、フリーランスになってから
こうして社長の後押しもあり、晴れてフリーランスになった西山先生ですが、これですべて安泰という訳ではなかったようです。
翻訳を軸に仕事をされていたそうですが、翻訳に取り組む際には何度も繰り返し見直して納品をするため、朝から晩までずっと仕事に没頭してしまい、人間的な生活を送れていなかったそうです。翻訳の仕事は何度も丁寧に繰り返し自分の訳が本当にこれで良いかチェックする、それが正しいやり方だと思い込んでいたといいます。

 

●基本は一発勝負
そこで先生は仕事のやり方を見直すことになるのですが、効率良く仕事をするために「基本は一発で勝負する」やり方にシフトしたそうです。そのことで無駄がなくなり、仕事の効率化に成功、人間らしい生活を取り戻すことができたそうです。それだけでなく、仕事内容のクオリティも格段に向上したとのこと。

 

●授業でも本番だと思うこと
そして通訳訓練などの授業でもそれを痛感した出来事があったそうです。それは先生がプロ養成3レベルの受講生だった頃、その1つ上の同時通訳科に進級できず、何度も再履修をしていた時でした。「基本は一発勝負」、そして「授業だからといって力半分では伸びない、プロにはなれない」と奮起し、授業1回1回も「すべて仕事」と準備から真剣勝負で取り組み、どんなことを聞かれても答えられるように、予習もしっかりと取り組んだそうです。それまでの心持ちから、新たに「基本は一発勝負」の気持ちに切り替えて成果が出て、なんと念願の同時通訳科に進級できたそうです。こうして同時通訳科で猛勉強し、翻訳だけでなく、通訳のフィールドにもさらに活躍の場を広げていかれました。

 

●自分の時間を把握すること
結婚、そして出産も一つの大きな転機だったと西山先生。子育ては予期せぬことも多く夜中に起きたり、朝早かったり、これまで以上に時間の管理が厳しくなり、どうにもならず勉強する環境ではなくなったそうです。そんな中、勝間和代さんの本を読み漁って得たヒントが「自分の時間を把握すること」でした。自分が何にどのくらい時間をかけているのか分単位で分析、そして隙間時間を利用しながら、少しずつ勉強の時間を確保していったそうです。例えば「歯を磨きながらメールチェック」「掃除をしながらシャドーイング」など勉強しながら家事もこなすことへシフトしていきました。そして勉強をする時間がない分、今度は時間の合間を見て引き受けていた通訳と翻訳の案件を、その仕事自体を勉強だと思うようにして取り組んだそうです。そのことで1つ1つの仕事を丁寧に準備し、取り組むことができたそうです。


●集中力をコントロールする
多忙で限られた勉強時間の中で、もう一歩勉強の質を高めるためにしたのが「集中力をコントロールすること」でした。人間の集中力は15分で切れてしまうと何かの本で読んでからは、15分ごとに勉強内容を変えたそうです。具体例としては以下の通りです。

 

・原稿を読む
・リサーチをする
・下訳をする

 

などを15分ごとに行い、勉強や仕事内容の質を落とさない努力をされたそうです。

 

●精読のすすめ
この時期、基礎力を強化するための「精読」を欠かさなかったそうです。
通訳で必要な即応力を強化するには正しいリスニングが重要な要素ですが、単語を聞き取るだけの「リスニング」と違い、本当の意味で咄嗟の理解力を高める「リスニング・コンプリヘンション」が重要と感じた先生は、精読することで文一つ一つを分析しそこで英語構文の構造を理解し文法、単語力なども強化しつつコンプリヘンション力を高めていかれたそうです。

 

ご自身の経験談の後には質問タイムを設け、そこでも参加者から多くの質問が途切れることなく出てきました。

 

現在は子育て、家庭とお仕事で相変わらず多忙な日々を過ごされていらっしゃいますが、自分なりの時間の活用法をみつけ、それに合った方法を考え、実行し生活スタイルにあった形で勉強を継続させようとする姿勢は、本当に素晴らしく頭が下がります。紆余曲折があったからこそ、多くの経験からのお話はきっと多くの方に参考になったのではと感じました。そして是非この話を参考に、それぞれに合った形で、これからの学習やモチベーション維持に生かしていただければ幸いです。

 

西山先生、そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

 

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