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ISSライブラリー 〜講師が贈る今月の一冊〜 第39回:津村建一郎先生(英語翻訳)

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先生方のおすすめする本が集まったISSライブラリー
プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、「人生のターニングポイントとなった本」「通訳者・翻訳者として必要な知識を身につけるために一度は読んでほしい本」「癒しや気分転換になる本」「通訳・翻訳・語学力強化のために役立つ参考書」等を、エピソードを交えてご紹介いただきます。
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今月の一冊は、英語翻訳者養成コース講師、津村建一郎先生ご紹介の「はたらく細胞」(清水茜著, 講談社, 2015年)です。

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今回は、異色のアニメコミック「はたらく細胞」です。
タイトルから解ります様に、人体の血液細胞(赤血球、白血球、血小板・・・)などが擬人化されたマンガです。

 

ただし、マンガと言ってあなどるなかれ! その内容はかなり本格的で、特に白血球(T細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞・・・)の働きは医学的にもかなり正確に表現されています。

 

このコミックは、月刊少年シリウスに連載されていたものを単行本にしたもので、シリウスではいまだに連載が続いているそうです。

 

最近のメディカル翻訳のお仕事では、iPS細胞や再生医療等が多くなり、これらの翻訳やライティングを行う際に避けて通れないのが「免疫」です。
大学医学部での「免疫」の教科書は、A4版の分厚いものが4〜5冊はあろうかという、極めて込み入った難解な分野ですが、この「はたらく細胞」では、白血球を中心とした免疫の機能をアニメで要領よくまとめていますので、面白く読み進む内に免疫の構造が理解出来るという優れものです。

 

主な登場人物(細胞)は以下のとおりで、登場人物には名前がない代わりに、細胞名+識別番号で表現されています。
変な固有の名前が付いていないお陰で、細胞名とその細胞の働きが自然に結びついてきます。

 

また、細菌やウイルスも擬人化されていて、体内の平和を脅かすモンスターとして登場します。

 

https://hataraku-saibou.com/character/

 

以前に、アニメも放映されていたらしく、声優(CV)さんはそうそうたるメンバーなんだそうです。
現在アニメの放映は終了していますが、近々第2部が放映開始になるとか・・・

 

また、PV(プロモーション・ビデオ)がありますので、そちらを参照されるのも良いかと思います。

https://hataraku-saibou.com/movie/

https://youtu.be/etPHza6sWoQ

 

アニメでは、身体の中の様々な細胞とその働きが、擬人化された人物とその職業(技能)で表現されています。例えば・・・

 

赤血球を代表している「赤血球ちゃん」は赤血球らしく赤い服装で、酸素や栄養素を運んで、老廃物を回収する配達員キャラクターの女の子です。

白血球(好中球)を代表している「白血球くん」は体内の平和を維持する警備員としてホワイトを基調としたイケメンで描かれています。ただし、侵入してきたモンスター(病原菌などの外敵)と戦う場面では携帯しているタガーナイフを振り回して、かなりブラディなシーンで表現されています。
ただし、白血球が細菌などを捕食して、粉々に分解することは確かですし、返り討ちに合う白血球も少なくないので、体内で実際に血なまぐさい戦闘が繰り広げられているのも事実です。

 

個人的には血小板ちゃんが可愛くて気に入っています。
 

https://hataraku-saibou.com/story/?story=2

 

血小板ちゃんの画でお解りのように、出演者の細胞は種類別に同じ様な服装をしていますが、顔や仕草は微妙に違っていて、個性があります。

 

侵入してくる病原体としては、肺炎球菌、ブドウ球菌、緑膿菌、ピロリ菌、インフルエンザウイルス、ムンプスウイルスなど、さらにはスギ花粉やがん細胞なども登場します。また、善玉菌の乳酸菌や日和見菌のバクテロイデス菌なども出てきます。これらの役どころの作用や振舞もかなり正確に表現されています。

 

一般的な細胞としては、消化管細胞や汗腺細胞、神経細胞、色素細胞、造血幹細胞なども登場しますので、これらの細胞や組織と免疫の関係等も楽しみながら理解出来ます。

 

=== 公式サイトの紹介文の一部 ===
”ここは人間の身体の中。酸素や二酸化炭素を運搬していた赤血球は、ある日、体外から侵入した肺炎球菌に襲われ、白血球(好中球)に助けられる。
体という世界を守るため、逃げた肺炎球菌を追う白血球(好中球)。
だが敵は意外な場所に隠れていて──。”

https://hataraku-saibou.com/story/?story=1

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まさに、こんな感じで、読み出すと止められなくなる恐れ(中毒・依存性)がありますので、取り扱いには注意してください。

 

 

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津村 建一郎(つむら けんいちろう)
東京理科大学工学部修士課程修了(経営工学修士)後、およそ30年にわたり外資系製薬メーカーにて新薬の臨床開発業務(統計解析を含む)に携わる。2009年にフリーランスとして独立し、医薬翻訳業務や、Medical writing(治験関連、承認申請関連、医学論文、WEB記事等)、翻訳スクール講師、医薬品開発に関するコンサルタント等の実務経験を多数有する。アイ・エス・エス・インスティテュートでは医薬翻訳クラスを担当。

津村建一郎先生のブログ https://translator-patner.com/

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