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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 122回 舞台用語を使った英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

通訳者になって以来、生の舞台を鑑賞するようになりました。役者さんたちの演技や発声法など、自分の仕事に役立つことが満載だからです。好きな俳優さんの出る舞台はこまめにチェックしています。観客が一体となり、舞台上の展開を観られるのは、映画やテレビドラマとは違った緊迫感がありますよね。

 

今月は舞台用語を使ったフレーズをご紹介します。

 


1 masquerade ふりをする

 

He masqueraded as a reliable lawyer. (彼は信頼できる弁護士のふりをしました。)

 

masqueradeは名詞の場合「仮面舞踏会、みせかけ」という意味を有します。一方、動詞では「仮面舞踏会に参加する、ふりをする」という語義になります。例文は動詞としての用法です。masqueradeはフランス語が語源ですが、もとはイタリア語から来たそうです。英語mask(仮面)と同じ語源になります。なお、「仮面舞踏会の参加者」はmasqueraderです。

 

ところでクラシック音楽では「仮面舞踏会」と名の付く作品が結構あります。最近特に有名なのはハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」。2008年にフィギュアスケートの浅田真央選手が用いています。

 


2 prop up (支持する)

 

The students have said that they will prop up democracy.  (学生たちは民主主義を支持すると言っています。)

 

propは「支柱、小道具」という意味ですが、動詞の場合、「つっかえ棒をする、支えておく」です。また、prop upと句動詞になると「支える、支持する」という意味になります。

 

ところで演劇の世界でpropsと言った場合、property handler(小道具方)を指します。かつてはproperty manあるいはproperty masterと言われていました。今は男女平等への配慮からhandlerとなっています。「会長」のchairmanchairpersonと言いますよね。それと同じニュアンスです。

 


3 backstage (秘密の)

 

I do not want to sign any backstage deal.  (私は秘密の取り決めにサインしたくありません。)

 

「舞台裏」は英語でbackstageですが、これには「秘密の」という意味もあります。もともとbackstageという語が誕生したのは比較的新しく、研究社「新英和辞典」によれば1898年だそうです。最近は色々な劇場で「バックステージ・ツアー」が行われていますよね。英語も同じくbackstage tourです。

 

ちなみに私の場合、英語で新しいフレーズに出会うと、つい関連表現に意識が行きます。「backstageがあるならfrontstageは?sidestageなどあるのかしら?」と気になるのですね。調べたところ、front stage(一語ではなく2語)はやはり「表舞台」でした。side stageも「舞台脇」と辞書にはありましたね。

 

「舞台」でもう一つ。日本語の「上手(かみて)」は英語でthe left stage / the stage left / the right of the stage from the audience’s viewpointなどと言います。「下手(しもて)」はstage right / the right of the stage / the left of the stage as seen from the audienceなどとなります。私は昔から「かみて」「しもて」がごちゃごちゃになっています。調べたところ、この「大混乱」は私だけではないようで、ネット上では色々な覚え方が出ていました。一番傑作だったのは、「卒業式の舞台上にあるピアノは、客席から見て左側にある→ピアノ=ピアニッシモ→ピアニッ下(しも)→『下手』と覚える」というものでした!

 


4 musical chairs (無意味な変更)

 

That company played musical chairs with their sales team.  (あの会社は販売部門で無意味な変更を加えていました。)

 

musical chairsは「椅子取りゲーム」のことです。musicalは「ミュージカル」という名詞だけでなく、「音楽の、音楽的な」という形容詞としても使えます。なお、musical chairschairが複数形になっていますが、この2語で使うと単数扱いです。

 

ところでmusical glassesをご存知ですか?これは水を入れたコップの縁をこすり音を出す楽器のことです。日本では「グラスハープ」の方が呼び方としては一般的でしょう。グラスハープは他にもangelic organ(天使のオルガン)とも言われます。

 

いかがでしたか?夏休みに海外へいらっしゃる方もおられることでしょう。現地で演劇やミュージカルを鑑賞するのも思い出になると思います。どうぞ良い休暇を!

 

 

柴原 早苗
放送通訳者。獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。「放送通訳者・柴原早苗のブログ」http://sanaeshibahara.blog.so-net.ne.jp/

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:07 |

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