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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 121回 口に関連した英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

疲れがたまると人間というのは体の一番弱い部分にそれが表れるそうです。私の場合、口内炎と片頭痛に見舞われることが多いですね。自分ではたっぷり睡眠をとっているつもりなのですが、それまでの蓄積疲労があるからなのでしょう。口内炎は通訳という仕事柄、頭痛よりもしんどく思えます。何しろ話すたびに舌や歯が口の中のできものに当たってしまうからです。梅雨時というのは新年度の疲れがたまりやすい時期でもあります。みなさまもどうかご自愛くださいね。

 

というわけで今回は口内炎を機に「口」に関連した英語表現を学んでみましょう。

 


1 full-throated 大声の

 

The crowd gave a full-throated roar. (群衆が大声でどなりました。)

 

throatは「のど」であり、医学的に見るとlarynx(喉頭)とpharynx(咽頭)を含みます。語源は古英語のthrote(のど)で、「のどぼとけ」が原義です。名詞としての「のど」の他に、動詞では「低い声で言う」、また、建築用語では「〜に溝をつける」などといったものもあります。また、テニスラケットのハンドルとヘッドの間の部分も「スロート」と言います。既知の単語も調べ直すと新たな意味を知ることができて楽しいですよね。ちなみに「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」は英語でOnce on shore, we pray no more.と言います。

 

もう一つ。形容詞「大声の」はstentorianとも言います。語源はギリシャ神話の「ステント―ル(Stentor)」。50人に匹敵する大声を持つ伝令です。

 


2 have a busy tongue (おしゃべりである)

 

My daughter has a busy tongue.  She is always talking! (うちの娘はおしゃべりなんです。いつも話しているんですよ!)

 

「おしゃべりである」を英語でhave a busy tongueと表現します。ちなみに「おしゃべりな人」はchatterboxです。busy-tonguedは形容詞で「おしゃべりな」という意味です。tongueを使った表現では他にもtonguelessがあります。これはシェイクスピア「冬物語」が初出で、「褒められない」という意味です。

 

なお、のどの検査で舌を押さえる板がありますよね。あれはtongue depressorと言います。tongueを用いた他の表現にはtongue-in-cheek(ふまじめな)、stick one’s tongue out at … (〜にあかんべえをする)などがあります。日本語の「あかんべえ」は「赤目」から来ていますが、英語圏では目の代わりに舌を出して表現するのが興味深いですよね。

 


3 keep a stiff upper lip (動じない)

 

Even under stressful circumstances, he always keeps a stiff upper lip (どれほどストレス溢れる状況下でも、彼はいつも動じません。)

 

lipの語源は古英語のlippaで「くちびる」という意味です。lipには他にも「でしゃばり」という意味があります。また、形容詞では「口先だけの」という語義もあり、たとえばlip serviceなどがそれにあたります。用法はpay lip service to … またはgive lip service to …です。

 

ところで洋画の吹替えで、元の俳優さんの口の動きと日本語訳がぴったり合っていることがありますよね。あれはlip-syncと言います。正式にはlip-synchronizationです。「口パク」という意味もあります。

 


4 by the skin of one’s teeth (かろうじて)

 

I passed the exam by the skin of my teeth. (私はかろうじて試験に合格しました。)

 

「かろうじて」は英語でby(またはwiththe skin of one’s teethと言います。teethは名詞toothの複数形。teetheは「歯が生える」、teetherは「おしゃぶり」のことです。一方、「永久歯」はpermanent tooth、「八重歯」はa high canine(英語で「犬歯」はcanine)、「臼歯」はmolarと言います。

 

上記のby the skin of one’s teethは略式表現です。「かろうじて」は他にもnarrowlyjust aboutbarelyなどがあります。一つの単語を調べたら、ぜひ類語辞典で調べてみると単語力アップにつながります。


いかがでしたか?今月は「口」に関連した英語のフレーズを見てみました。梅雨が明ければ楽しい夏が待っています。「この夏は旅行に行く!」「夏こそダイエット!」など、楽しい計画が「口先だけ(be all mouth)」となりませんように・・・。

 

 

柴原 早苗
放送通訳者。獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。「放送通訳者・柴原早苗のブログ」http://sanaeshibahara.blog.so-net.ne.jp/

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:19 |

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