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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 117回 orでつないだ英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

単純な単語ほど、その成り立ちに私は興味を抱きます。たとえばandの由来。古期英語ですが、ドイツ語と同じ語源だそうです。ちなみにandを「&」マークで示しますが、この記号は「アンパサンド(ampersand)」と言います。元はラテン語のeとtがつながった文字です。もう一つ、orの由来を。こちらは中期英語でotherが語源だそうです。自分がよく知っている単語もあえて調べてみると、新たな発見がありますよね。

 

今月は2つの単語をorでつないだ英語表現を見ていきましょう。

 

1 do or die (死ぬ覚悟で)

 

We must do or die in the next presidential election. (私たちは次の大統領選挙で死ぬ覚悟でやらなければいけません。)

 

「必死の覚悟で、死ぬ覚悟で」を英語ではdo or dieと言います。dodiedを揃えることでリズミカルな表現になっています。なお、do-or-dieと間にハイフンを入れることで、形容詞としての使い方もあります。たとえば、a do-or-die expression(必死の表情)、a do-or-die battle(一か八かの戦い)という具合です。

 

ところで数年前にテレビドラマで「半沢直樹」が大ヒットしましたよね。そこで出てきた「倍返し」。英語ではpay … back doubleと言います。

 


2 black or white (白か黒か、はっきりしている)

 

The issue is not simple.  It isn’t black or white. (その問題は単純ではありません。白か黒かではないのです。)

 

「はっきりしている、明白である」を英語ではblack or whiteと言います。英語では黒が先に来ますが、日本語では「白か黒か」となり、白が先です。英語ではこのように日本語とは逆の順番になる表現があります。たとえば「新旧」はold and new、「貧富」はrich and poorという具合です。

 

なお、紅茶かコーヒーを提供された際、“Black or white?” と尋ねられることがあります。これは「ストレートかミルク入りか」ということです。ちなみに先日出かけたイギリスのカフェメニューにはflat whiteという商品がありました。これは「ミルク入りコーヒー」のこと。エスプレッソに泡立てたミルクを入れるタイプで、ラテやカプチーノと比べると泡が少ないコーヒーです。

 


3 feast or famine (多すぎるか少なすぎるか)

 

Our homework is usually feast or famine. (私たちの宿題はたいてい多すぎるか少なすぎるかです。)

 

feastは「ごちそう、祝宴」、famineは「飢饉、飢餓」のことです。feast or famineで「多すぎるか少なすぎるか」という意味になります。この表現もfeast-or-famineとハイフンで結び、形容詞にできます。この場合は「人生が波乱に富んだ、ビジネスなどの浮き沈みが激しい」という意味になります。

 

ところで「飢饉」と「飢餓」の違い、皆さんはご存知でしょうか?「飢饉」とは農作物のできが非常に悪く、食糧不足に陥る状態を指します。「饉」は「野菜や穀物のできが悪いこと」という意味です。一方、「飢餓」も同様の意味ですが、飢饉と比べて永続的な食糧不足を指すこともあります。


4 You can take it or leave it (気に入らなければやめて良い)

 

It’s up to you.  You can take it or leave it. (あなた次第ですよ。気に入らなければやめて構いません。)

 

take it or leave itは「取るか捨てるか」という意味です。ここではYou can take it or leave itという決まり文句になっており、「気に入らなければやめて良い」という状況を表しています。takeは「取る、受け入れる」ということです。

take or leaveというフレーズも同様の意味ですが、他にも「プラスマイナス」という語義があります。たとえばOne thousand yen, take or leave a few yenであれば「1000円、プラスマイナス数円」です。


今回はorを使ったフレーズをご紹介しました。ちなみにorore(鉱石、原石)、oar(オール、櫓)と同じ発音です。大文字のOROregon(オレゴン)州、インターネットのドメイン名でorは財団法人や国連などの法人組織を表します。

 

 

柴原 早苗
放送通訳者。獨協大学・順天堂大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。「放送通訳者・柴原早苗のブログ」http://sanaeshibahara.blog.so-net.ne.jp/

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:05 |

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