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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 116回 “Bohemian Rhapsody”歌詞内に出てくる単語を用いた英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

今年のゴールデン・グローブ賞では、ロックバンドのクイーンを描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が作品賞と主演男優賞を受賞しました。クイーンは1970年代から80年代にかけて数々のヒット曲を世に生み出しています。「ボヘミアン・ラプソディ」や「キラー・クイーン」「伝説のチャンピオン」などは時代を経た今でも人々に愛されており、一度は耳にしたこともある方もいらっしゃるでしょう。今回の映画の大ヒットにより、世代を超えてクイーンのファンが増えつつあります。かく言う私はまさにクイーン世代。映画の制作発表がなされたときは、あのフレディ・マーキュリーを俳優さんが演じるのには無理があるのではと懐疑的でした。ところがいざ鑑賞してみるとすっかりハマり、すでに劇場に足を運ぶこと3回です。多くの方々に観ていただきたい作品です。

 

そこで今回は「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞に出てくる英語をヒントに、4つのフレーズをご紹介します。

 

 

1 the devil to pay(厄介なこと)

 

If I do not keep the promise with them, there will be the devil to pay.  (もし彼らとの約束を守らないと、厄介なことになるだろう。)

 

「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞では”Beelzebub has a devil put aside for me”という部分で出てきますよね。「悪魔」を英語でdevilと言い、上記の例文the devil to payは「厄介なこと」という意味です。なお、「悪魔」はキリスト教、ユダヤ教、イスラム教いずれにおいても最強とされる悪魔です。「ジーニアス英和辞典」によれば、悪魔は「ヤギの頭に角・尾・長い耳・割れたひづめ・コウモリの翼に女の腕と胸をもった姿で表される」とのことです。

 

devilを使った表現としては他にSpeak of the devil(噂をすれば影)、The devil looks after his own(憎まれっ子世にはばかる)などがあります。

 


2 be quick on the trigger (反応が早い)

 

During the press conference, she was quick on the trigger and she made a brilliant response.  (記者会見の際、彼女は反応が早く、素晴らしい答えを述べていました。)

 

triggerはクイーンの曲の中で”pulled my trigger”として出てきました。trigger自体は「引き金」のことです。be quick on the triggerは「引き金を引くのが早い、反応が早い、抜け目のない」という意味になります。ちなみに「ひどく攻撃的な」を英語ではtrigger-happyと言います。「利き手の人差し指」はtrigger-fingerです。

 


3 out of sympathy (同意しない、共感しない)

 

Maybe you like it, but I am out of sympathy with the plan. (あなたは好きなのかもしれないけれど、私はその計画には同意しないなあ。)

 

sympathyは歌詞の冒頭の方で”I need no sympathy”として出てきました。sympathy自体は「同情、思いやり、支持」といった意味を持ちます。symは「共に」、pathは「苦しむ」ということです。

 

英語圏では訃報を受けると日本のような弔電やお香典袋などの代わりとしてカードを先方へ送ります。文具店には様々なメッセージが書かれたカードが売られており、お悔やみのカードには”With Sympathy”と記されています。気になる方は画像検索で調べてみてください。

 


4 like the wind(非常に素早く)

 

Since he was late for work, he grabbed the bread and ran like the wind. (仕事に遅れそうだったため、彼はパンをつかんで疾走して行きました。)

 

like the windは「非常に素早く」ということですが、上記の例文では直前にranがありますので、「疾走した」と訳してあります。クイーンの曲でwindが出てくるのは、一番最後。”Any way the wind blows” の歌詞の後に有名な銅鑼の音が鳴りますよね。

 

ところで私が子ども時代を過ごしたイギリスでは、当時、同級生たちがこぞって”The Wind in the Willows”というケネス・グレアムの作品を読んでいました。私はE.H.シェパードの挿絵が大好きでしたね。邦題は「たのしい川べ」、訳は石井桃子さんです。

 

今月はクイーンの曲に出てくる英単語をきっかけに英語フレーズをご紹介しました。このようにして自分のお気に入りの歌詞に出てくる単語をあれこれ調べてみると、意外な表現に出会うことができます。

 

ところでアメリカでは2月24日(現地時間)にアカデミー賞が発表されます。映画「ボヘミアン・ラプソディ」の行方が早くも気になるところです!

 

 

柴原 早苗
放送通訳者。獨協大学・順天堂大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。「放送通訳者・柴原早苗のブログ」http://sanaeshibahara.blog.so-net.ne.jp/

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 14:07 |

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