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授業体験レポート:2018秋【中国語編】第5回 「文芸翻訳や広告・キャッチコピーの難しさ」

ISSスクールブログで人気の授業体験レポートは、この秋で15シーズン目を迎えています。2018年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!今回は中国語翻訳者養成コース研究科1のAさんのレポートをお届けします。

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9回目の授業になります。

今回は複数の中日訳、日中訳からなる内容でした。毎回、色々な文章形式の課題が出されるのですが、その中でも個人的にはキャッチコピーやスローガンのようなものが大変苦手で、特に今回は日中訳だったことに私自身の中国語能力の低さも加わり、求められた内容とはかけ離れた結果になってしまいました。今回はこの点に重きを置いてまとめたいと思います。

 

授業冒頭、先生の訳例と中国語ネイティブのクラスメイトの訳例は同じ言葉が使われ、同じ方向性をもった訳出だったと話され、またその理由や至った経緯を説明してくださいました。中国語ネイティブではない私、特に留学等の経験も無く中国語の生活環境の中に身を置いたことのない私にとっては、その訳出に至るまでの考え方や経緯は大変興味深いものがあります

 

説明文や各種ビジネス文書等と違い、こういったキャッチコピーやスローガン、広告の類は短い文章で伝えるべきことを伝え、またそこで使われている言葉自体に含みを持たせたり、時に韻を踏むなどして遊び心を持たせたりと、様々な技法が問われます。先生はもともとの言葉の意味が変化し語義が派生する例を挙げて説明してくださいました。成語やことわざ等を用いることで文章が表現力・説得力に富み、伝えるべきことをより的確に伝えることができます。またそれらは何度も聞ているので耳慣れた言葉でもあるとおっしゃいました。先生を含め中国語ネイティブの訳出のうち、ある方は使用した成語の一部に敢えて違う漢字をもってくることで、より的確に伝え、また文章に面白みを含ませていましたし、授業でもそうした例文を沢山挙げて解説をしてくださいましたので、大変勉強になりました。

 

日本語でも、韻を踏んだり同音の漢字をあてることでウイットに富んだ表現をすることは多々あるかと思います。ただ、やはり今の私の中国語の能力ではなかなかその考えに至らなかったり的確な表現が思い浮かばなかったりと、どうしても語彙力や表現力の無さが足を引っ張ってしまいます。「耳慣れた言葉」であれば、敢えて漢字の一部を変更する事を思いつきますし、それを読んだ方も正しい理解ができるでしょう。ただ、今回はそもそも訳出方法の認識を間違っていたこともあり、大変情けない結果になってしまいましたが、翻訳以前の課題として、今後の中国語学習についても大きなヒントとなったと感じています。


10回目の授業になります。

今回の授業は言葉の並列をどう処理するかについて学びました。中日訳の際、中国語の原文の中で例えば単語であったり文章であったり形は様々なのですが、関連する事柄全てを並べた文章をよく目にすることがあります。研究科1以前のクラスでも全て訳出しないことや、まとめて別の言葉に置き換えることなどを学びましたが、いざ訳出となった際、どの言葉を省略すべきなのか、まとめかたのポイントやその考え方はどこから導き出されるのかが分からず躊躇してしまいます。

 

いつもの通り、課題を通して色々なパターンの「並列」文章の処理の考え方を教わりました。更に、その他にも挙げられた多くの例文に触れることで、考え方を定着させることができるのではないかと感じます。また、先生はこういった文章の特徴はそれぞれの言語の習慣や癖からくるものだとおっしゃいます。「誰もが知っていることをわざわざ書く中国語」と「省略する日本語」。その特徴を知っているだけでも訳出の際に大きな助けとなります。

 

その他、会話文の多い文芸翻訳の訳出処理の仕方やポイント、考え方も学びました。ビジネス関連の翻訳と違い、文芸翻訳には会話文がありますのでその部分で大きな注意点が発生します。日中訳の場合には、状況説明の他、表情や関係についても言葉にして訳出しなければならないという違いがありますし、言葉の選び方にも注意をしないと読み手のイメージを左右してしまいます。普段、趣味と勉強を兼ねて中国語原文で書かれた書籍を読みますので、何となく会話文や情景の書かれ方の違いに気づいていましたが、実際に訳出するとなると大変難しく感じます。訳例の他にもクラスメイトの訳出やその添削を通して、何故この言葉を足した方がいいのか、この言葉を選択すべきなのかというポイントを学べました

 

 

| 授業体験レポート | 09:00 |

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