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授業体験レポート:2018秋【中国語編】第4回 「用途に応じた訳出」

ISSスクールブログで人気の授業体験レポートは、この秋で15シーズン目を迎えています。2018年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!今回は中国語翻訳者養成コース研究科1のAさんのレポートをお届けします。

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7回目の授業になります。
今回の授業は、ある程度ボリュームのある課題を使用した中日訳の訓練でした。課題を出された際、先生からは以前中日訳を勉強した時の注意点を何点か挙げていただきましたので、日本語ネイティブとして今度こそは!という思いで挑みました。

 

今回も前回の中日訳に引き続き「不要な箇所の省略」や「用途や読み手に合わせた訳出」について学びました。原文の文字にとらわれすぎたり、書かれている内容をそのまま表面的に訳出するだけではいけないのです。その奥に隠されている、文字には現れていない「言わんとしていること」を読み取ることで、適切な言葉の選択や表現方法に繋がります。ただ、いざ訳出になるとなかなかそのポイントに気づけなかったり、気づいたとしても少し自信がなかったりとまだ不安定感が残ってしまいます。

 

授業冒頭では、難しかった「省略」箇所や「読み取りにくかった」部分等を先生が質問することで、受講生の考え方や疑問点を確認し、「適切な訳出」へと導き、考え方のポイントを教えてくださいました。自分自身では全く気づけなかったポイントもあれば、同じように躊躇してしまった箇所もあり、クラスメイトの考え方を知ることで今後の訳出の助けになる部分が大きく、大変勉強になりました。

 

これまでの授業で何度も学んできたことですが、読み手だけでなく用途や媒体に合わせた訳出を考えると、文章の構成もまた違ってきますし、選択した言葉によって連想されるイメージが左右されますので、一つ一つの言葉の選択には責任を感じます

 

また、今回は少々政治的な内容を含む文章でした。普段 馴染みのない内容の場合、訳出する前に関連する文章をインターネットで調べて知識を入れてからとりかかることにしていますが、知識・勉強不足なこともあり訳出の足をひっぱる原因にもなってしまいました。日訳するということは多くの場合日本人が読むことを想定して訳出しますが、外国の方が読んだ場合、差別的な言葉や表現を含んでしまう事もあり、また、国際的なデリケートな話題では配慮が必要ということも学びました


8回目の授業になります。

今回は今や時の人となった「本庶佑先生」のノーベル賞受賞記者会見を題材にした日中訳が中心でした。実際は会見=会話を文字にしたものですので、言葉や質問と回答の内容が多少前後する部分もあったとは言え、文章自体に癖も無く比較的取り組みやすいと感じましたが、授業を受けてからその考えは一変しました。

 

文章を翻訳する時は、その用途や読み手に合わせて文体や語調等を選択します。今回の課題に関して言えば、私を含めた多くのクラスメイトは「自身の今後の展望」という方向性をもたせた訳出でしたが、あるクラスメイトは「後進への期待」という思いのこもった訳出でした。同じ原文を訳出するにしても、これほどまでに違う方向性をもたせることができるのかと大変勉強になりましたし、考えの至らなかった自身の未熟さを痛感しました。実際に、一つの課題訳文で文体や用法を変えた幾通りもの訳出を提出することもありますので、重要なポイントだと感じています。


また、「言葉を選ぶ」ことについてはこれまで何度も学んできましたが、今回は、日本語の癖に着目して適切な言葉を選択することを学びました。日本語は言葉の中のある一要素のみを利用して表現しようとする特徴があります。例えば、意外性を表す際に「嘘!?」と言うことがありますが、外国人は「嘘」という言葉そのものの意味のみを汲み取るため、ムッとしてしまいます。このように言語の特徴に着目することが、適切な言葉を選択する助けとなります。こうした「言葉の選択」を学ぶ時には、先生は訳例にいくつか候補を挙げながら、それぞれの場合の語調や伝わり方等の違いを教えてくださるので勉強になります。また、自身の訳出が間違っていた時には、どうしてそういう考えに至ったのかを理解する手助けにもなっています。

 

先生は以前にもお話されたことがありますが、授業はただ添削をする場ではなく考え方を学ぶ場所であることを、今回の授業でも重ねてお話しされました。おっしゃる通り、添削のみではその場限り、その場しのぎにしかなりませんから、やはりこうして授業を受けることで考え方を学ぶことは貴重な機会だと感じています。

 

 

| 授業体験レポート | 09:46 |

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