ネイティブがよく使う自然な中国語表現を毎月テーマ毎にご紹介する「中国語表現コラム〜更上一層楼(更に上へと)」。中国語ビジネスコミュニケーションコースご担当の張意意先生に執筆していただいています。どうぞお楽しみください。
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今回は、「読む」練習について考えてみたいと思います。英語の読解クラスはよく見かけますが、中国語の読解クラスはあまりないような気がします。漢字をピックアップすれば、何とか意味がわかると思われるでしょう。しかし、語学のレベルアップには「聴く」、「話す」と同じ量か、それ以上に「読む」勉強が必要です。
「読む」練習によって、もっと論理的に話せるようにもなりますので、会話のレベルを上達させるためにも、たくさん読みましょう。
読むことはすなわちじっくり吟味することです。吟味することによって、言葉、文型、意味を覚え、雰囲気、ニュアンスをしっかり理解して、身につけることにつながります。
では、なにをどのようにして「読解」の勉強を進めればよいのでしょうか。
私がお勧めするのは、ご自分の好きな分野から本を選んで、始めてみることです。好きでなければ、眠くなるし、続かないからです。好きな分野の本を一冊手に取って、大体8割程度意味が分かりそうであれば、最後まで読んでみましょう。場合よっては2〜3回同じ本を読んでもよいと思います。
なぜかというと、一回目は多分辞書を引きながら、意味を掴むだけで精いっぱいだと思います。また、辞書だけに頼っていては解決できない問題がたくさんあります。
例えば、「お茶」や「花が咲く頃」と言えば、日本人は自然に「绿茶(緑茶)」や「樱花(桜)」を連想しますが、恐らく南方の中国人は「乌龙茶(ウーロン茶)」、北方の中国人は「花茶(ジャスミン)」を連想するでしょう。連想する花も地域によって違います。
このように、中国語と言っても、言葉そのものだけではなく、使われている場と状況や、地理、歴史、文化、生活習慣などにも広く関わっています。読む書籍が増えれば、自然に知識として積み重ねることができます。
何回か繰り返し読むことによって、単語の表面上の意味だけではなく、広く文化的な意味や特有の言い回し、文の並びの習慣(ロジック)を理解し、自分のものにすることができます。さらに、特別気になった 部分(例えば、どうしてもわからない部分や、感動或いは衝撃を受けた部分)は「暗記」することをお勧めします。
簡単な文でも、日本語と中国語のロジックは実に違います。
例えば、「日曜日は家にいますか」の質問に対し「日曜日はちょっと買い物に出かけたいです」を日本人のロジックで訳すと「星期天小一会儿去买东西」となりますが、中国人のロジックでは「星期天我准备出去一小会儿,去买点儿东西」です。
中国人のロジックは、文の組み立て方、前後の関係、論理展開の順序などに気をつけることによって習得できます。論文などの起承転結やストーリーの流れを受け入れ、その枠組み通りに自分の言いたいことを表現すれば、ネイティブに近づけると思います。ただ、この分析は簡単なものではないので、「読解」の授業があればよいのにと思っています。
独学の場合は、硬い文章(『人民日報』の社説)や、柔らかい文章(小説)など、違うスタイルの文にたくさん触れ、比べながら読むことと、読むときに、単語よりその流れを掴むことに気をつけましょう。
次回は、「書く重要性」ついて、ご紹介したいと思います。ご期待ください。
今月の中国語新語:
空少:“空中少爷”的简称。是指负责民航客舱安全以及为乘客提供服务的男性机组人员。
男性キャビンアテンダントのことを言う。
例:在去上海的航班里遇见了一位英俊潇洒的空少。
上海行の飛行機に、かっこいい男性キャビンアテンダントがいました。
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張 意意
ビジネスコンサルタント。中国北京外国語学院卒業。証券会社を経て、現在、コンサルティング会社経営。現役通訳者、翻訳者としても活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。
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中国語ビジネスコミュニケーションコース
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※張意意先生からのメッセージもありますので、ぜひご覧ください!
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