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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 108回 体の部位とハイフンを使った英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

春先からストレッチ系のスタジオプログラムに出ています。あまりにも自分の体が硬いため、何とかしようと思い立ったからです。ヨガやピラティスなどを日常生活に取り込むことでストレッチ効果も出ています。おかげで夜もぐっすり眠れるようになりました。やはり体はきちんとメンテナンスすることが一番ですね。

 

さて、今月は体の部位とハイフンを使った英語フレーズのご紹介です。


head-scratching (困惑するような)

 

He made some head-scratching comments so we were totally puzzled.  (彼は困惑するようなコメントをしたため、私たちは完全に途方にくれましたね。)

 

headは「頭」、scratchは「掻く」、つまり「頭を掻くような」という意味からhead-scratchingという表現が生まれました。ちなみにscratchには「引っ掻く」の他に「計画をやめにする」「何とか成し遂げる」などの意味もあります。アメリカ政治では「候補者名を名簿から消す」という状況も表します。

ところでドラマやアニメなどの「照れるシーン」で頭を掻く光景が描かれていますよね。でも実際の日常生活において同じニュアンスで頭を掻く人をあまり見ないような気がします。ボディランゲージも時代の流れなのでしょうか。興味深いところです。

 


soul-searching 内省

 

She had to do a lot of soul-searching to analyse her defeat. (敗北を分析するために、彼女はたくさん内省せねばなりませんでした。)

 

soul-searchingは「内省」です。「魂を探す」という意味からできた表現です。「内省」の他にも「自己省察、反省」などの語義があります。なお、soulは肉体に対する「魂、霊」のことで、spiritよりも宗教的なニュアンスが濃くなります。死後も存在するという意味合いでsoulが用いられます。また、「精神、心」という意味もあり、たとえばWalking is good for the soul.は「ウォーキングは精神に良い」ということです。

2016年の大統領選で敗れたヒラリー・クリントン候補も、敗北後のインタビューで「たくさんのsoul-searchingをした」と答えています。

 


hand-wringing (絶望的な)

 

We are seeing a lot of hand-wringing articles about refugees fleeing their country. (祖国を逃れた難民たちの絶望的ともいえる記事をたくさん目にしています。)

 

hand-wringingwringは「ねじる、締める」という意味です。水などを切るために「絞る」という意味もあります。hand-wringingは苦しみや悲しみのあまりに「手をもみ絞る」という様子から生まれた表現です。辞書によってはhandwringingと一語で表すものもあります。また、人を表すhandwringerという名詞も辞書には出ています。

handは中学で学ぶ基本単語ですが、実に多くの意味がありますよね。「手」以外にも「手伝い、参加、勝負」などの語義もあれば、「婚約、誓約」もhandと言います。a safe pair of handsは「頼りになる人」、hand over fistは「どんどん、あっという間に」です。ぜひ皆さんも辞書でhandを引いてみてください。

 


foot-dragging (引き延ばし)

 

Because of administrative foot-dragging, the plan was delayed for a year. (事務的な引き延ばしのせいでその計画は1年遅れてしまいました。)

 

取り組みなどが遅くて引き延ばされてしまうことを英語でfoot-draggingと言います。dragは「足を引きずる」という意味ですが、他にも「わざとぐずぐずする」という語義もあります。そういえば国会審議などで票決を引き延ばす戦術に「牛歩戦術」というのがありますよね。のっそり歩く様子をfoot-draggingから連想してしまいました。ちなみに英語で牛歩戦術はfilibusteringと言います。

「ぐずぐずする」は英語で他にもprocrastinateという動詞があります。これはpro(前への意)という接頭辞にラテン語のcrastinus(明日に属するもの)という語がついたものです。英語のことわざにNever put off till tomorrow what you can do today(今日できることを明日に延ばすな)やTomorrow never comes(明日という日は決して来ない)があります。英語学習もしかり、ですよね!

 


今月は体の部位の後にハイフンをつけたフレーズを取り上げました。体のパーツも文化によって意味合いが異なります。異文化コミュニケーションを学ぶ上でぜひ色々な言語における部位の解釈を調べてみてください。きっと発見があるはずです。

 

 

柴原 早苗
放送通訳者。獨協大学・順天堂大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。「放送通訳者・柴原早苗のブログ」http://sanaeshibahara.blog.so-net.ne.jp/

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:00 |

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