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英語翻訳コース特別セミナーレポート「プロ翻訳者が教える英文法強化トレーニング」

3月6日(火)、東京校にて、英語翻訳者養成コース春期特別セミナー「プロ翻訳者が教える英文法強化トレーニング」を開催いたしました。


講師は今野由紀子先生。30年以上にわたって、幅広い分野の翻訳を手がけてきたベテランのプロ翻訳者です。当校で総合翻訳科・基礎科1、基礎科2クラスの講師をご担当されています。

 

このセミナーでは、翻訳者になるために英文法がいかに重要か、また英文法強化トレーニングの具体的な方法について、お話しいただきました。

 

 


丸翻訳者にとっての英文法は、スポーツにおける基礎体力!


「翻訳」は、世間一般的に言われる「英語力」とはまた別物。


TOEIC高得点、英会話がペラペラ、英文もスラスラ読める…というだけではなく、原文の意味を一語一語正確に、緻密に理解し、忠実に再現するという非常に高度な正確性が求められます。


実は、英語が得意という方でも、多くは「なんとなく大体意味がわかる、通じる」というレベルで、翻訳するにはスキルが不足しているのだそう。


翻訳は単なる知識ではなく、技能。職人技ともいえます。


今野先生は、翻訳はスポーツに近いと考えているそう。一人前になるためには、長く厳しく辛いトレーニングが必要。地道に一歩一歩積み上げていかなくてはいけません。そして、スポーツにおける「基礎体力づくり」は、翻訳では「英文法強化」になります

 

トップアスリートを目指すには当然、日々の基礎体力づくりと技術トレーニングが必要ですよね。小手先の技術だけでどうにかなるものではありません。


同様に、プロ翻訳者になるためにはまず、徹底的に英文法を勉強し、基礎体力を上げる必要があります。並行して翻訳技術の訓練を行い、訳出スキルを磨いていきます。


今野先生が言うには、英文法の重要性をないがしろにすると、ある程度のレベルまでいくと必ず伸び悩むのだそう。「いまさら英文法はいいから、はやく翻訳技術を学びたい!」「はやく訳出スピードを上げたい!」という受講生も多いのですが、やはり基礎力がないとスキルアップ、スピードアップはできないので、焦らずじっくり基礎固めをするように指導しているそう。すると案外、基礎が完成すると実力が飛躍的に伸びるそうです。急がば回れということですね。

 


丸おすすめの英文法書のご紹介


今野先生おすすめの英文法書や辞書を多数ご紹介いただきました。
その中から一例をご紹介します。


「英文法解説」(江川泰一郎,金子書房)
今野先生が大学受験のときから愛用しているという、昔からある定番の1冊です。
解説が詳しく、豊富な例文が載っており、非常に信頼できる参考書。


「表現のための実践ロイヤル英文法」(綿貫陽 マーク・ピーターセン,旺文社)
こちらは「ロイヤル英文法」よりも上級者向けの本です。マーク・ピーターセンによるネイティブ感覚での文法解説が充実しており、ライティングの際に非常に参考になります。レギュラーコースの「総合翻訳科・基礎科1」クラスでテキストとして使用しています。


「日本人の英語」シリーズ(マーク・ピーターセン,岩波新書)
今野先生が文法書の中で一番衝撃を受けたという一冊が「日本人の英語」。


この本を読むまでは、「名詞に冠詞がつく」と思っていて、a なのか the なのかで迷っていたそう。おそらく、ほとんどの方がそういう認識だと思います。しかし、マーク・ピーターセンによると、その考え方はナンセンスで、根本的に概念が異なるそう。


あえて言えば「冠詞に名詞がつく」としか言いようがないのだとか。それってどういう意味?と思った方は、ぜひ、一読してみるとよいでしょう。


英文法書を選ぶポイントは、自分の目的に合っているか内容を確認すること。

たとえば、「自動詞と他動詞の違いを知りたい」など具体的な目的を持って、解説を比較してみると、どの本が自分に合うか判断しやすくなります。書店に足を運んで、実際に解説を比較してみることをおすすめします。

 


丸英文法の勉強法


マル英文法書を常に手元において、毎日のように読む習慣をつける
英文法書は1回読めば終わり、というものではなく、辞書のように何度も繰り返し引いて読むものです。今野先生は今でも、翻訳の仕事の際に英文法書を確認するそうです。


マル紙辞書を読む習慣をつける
辞書は文法解説と用例が充実しているので、知らない単語の意味を調べるだけでなく、読み物としても優れています。たとえば、ライティングの際に助動詞や前置詞で迷ったときなど、あやふやな知識の補強に役立ちます。


電子辞書は携帯に便利ですが、画面が小さいので、例文をすべて確認するには、何度もボタンを押す手間がかかります。その点、紙辞書は一覧性が抜群。解説と用例を読むには、紙辞書の方が圧倒的に使い勝手が良いです。


マル対訳本を使って精読の訓練をする
精読とは、一語一語緻密に読み込んでいくこと。翻訳に欠かせないスキルです。
今野先生のおすすめは、講談社のバイリンガル・ブックスシリーズ。見開きで左右に英語と日本語で対訳が書かれています。新渡戸稲造の「武士道」や、「英語で話す日本の文化」など、勉強になるテーマが充実しています。使えそうな表現はノートに書き出しておくと参考になります。


マル英文の構造分析の訓練をする
英文を構造として理解するために、どのような文型で成り立っている文なのか分析する訓練です。下記のように、主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)、修飾語(M)のどれにあたるのか、また修飾語がどこにかかっているか、関係代名詞の先行詞はどれか、などを緻密に分析します。


Advanced technology of communication

                  S   

has enabled us to enter global markets
        V         O            C
    that      have been previously  inaccessible.
関係代名詞        V          M(修飾語)       C
   (主格)


「総合翻訳科・基礎科1」クラスでは、この構造分析のトレーニングを、翻訳訓練とあわせて毎週行っています。修了生からは、「今まで単語の羅列にしか見えなかった英文が、単語ひとつひとつの関係性が浮き立って見えるようになった」、「英文を構造として理解できるようになったことで、読むスピードが上がった」という声をいただいています。構造分析ができないときは、英文法知識があいまいな証拠。自分の弱いところが明確になるので、知識補強が効率よく出来ます。

 


丸その他翻訳に役立つ勉強法


マル新聞を使って、毎日コラム記事などを要約し、それをさらに訳す
文章の内容を整理し、要旨をつかむ訓練と、訳出訓練の他、語彙や表現を増やす訓練にもなります。


マル良い本をたくさん読む
語彙・知識を増やすためには、やはり多読が必要。手軽に読める新書本などをたくさん読み、知識の幅を広げておくと、翻訳する際の助けになるとのこと。すばやく大意・要旨をつかむ訓練にもなります。

 


丸英文法力チェック・クイズ


英文法の重要性を皆さまが理解したところで、英文法力をチェックするクイズを行いました。簡単な短い英文の文法構造を正確に理解しているかどうかを確認します。皆さま、文章自体の意味は理解されていますが、細かい文法の質問をされると、詰まってしまうようです。


たとえば、この一文。


 You like that musician? I tell you, he is anything but an artist.


意味としては、「あのミュージシャンが好きなの?いいかい、彼はアーティストだなんて言えたものじゃないよ。」で、皆さま大体そのように訳されていました。


しかし、「この文章中の but の品詞は何でしょう?」と質問されると困ってしまう方がほとんど。接続詞の but ではないようだけど、何だろう…と一瞬沈黙が。正解は前置詞です。「artist」という名詞の前にある、前置詞の but です。辞書にも解説と用例がたくさん載っていますが、今まで気にとめたことがなかった、という方もいらっしゃいました。


他にも仮定法の would や could を過去形と間違えてしまったり、a と the の冠詞の違いや、コロンの有無の違いだけで、文章の意味が全く異なってしまう例を紹介しました。


クイズを通して、参加者の皆さまも、翻訳する際に、原文をいかに細部まで正確に理解する必要があるか実感したようです。文章が長く、構造が複雑になればなるほど、意味を正確に理解するのが難しくなってきます。そのよりどころとなるのが、英文法の知識なんですね。

 

 

丸英文法強化に近道なし


英文法を強化するためには、やはり大量に読む、書くといった地道な訓練が欠かせません。ただ読むだけでは身につかないので、ノートにポイントをまとめる、英文の構造分析を行うなど、何かしら手を動かしながら、知識を自分のものとして吸収していかなくてはいけません。一朝一夕には身につきませんが、鍛えた文法力は翻訳のよりどころとなり、自分の訳出の自信につながります。翻訳をしながらも、いまいち自分の文法力に自信がない、原文の解釈に迷いや不安がつきない…という方は、じっくり腰を据えて、基礎体力づくりに取り組みましょう!


お忙しい中、特別セミナーにご参加くださった皆さま、誠にありがとうございました。
本日のお話が、皆さまの勉強法の参考になりましたら幸いです。

 

 

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