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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 105回 ゲーム関連の語を使った英語表現

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

今の時代、「ゲーム」と言えば誰もがスマートフォンで楽しめるゲームを思い描くと思います。一方、私が幼少期のころはボードゲームが主流でした。寒い時期、こたつに家族が集まり、色々なボードゲームを楽しんだことが懐かしく思い出されます。こたつの上にはもちろん「みかん」がありました。ちなみに「こたつ」は日本特有のものらしく、辞書にもそのままkotatsuと出ていました!

 

今回はゲームに関連した言葉を使ったフレーズを見ていきましょう。

 

1.   a house of cards  砂上の楼閣

 

It’s my fault.  I didn’t plan thoroughly.  That is why the schedule collapsed like a house of cards. (私のせいです。ちゃんと計画しなかったんですね。だから計画は砂上の楼閣のごとく崩壊したんです。)

 

a house of cardsは「砂上の楼閣、不安定な計画」という意味です。cardはトランプのカードのことで、まるでトランプで作った家のごとく、あっさり崩れてしまう様子から生まれた表現です。

 

日本語では「トランプ」と言いますが、英語ではplaying cardsと言います。trumpは「切り札」のことなのですね。なお、英語で「トランプの札を切る」はcut the cardsと言います。ちなみに「切り札」やトランプを「切る」の日本語の語源は諸説あるようで、ゲームのキリとなる「限り札(きりふだ)」という説、他の強い札を「切り絶つ」という説などがあるようです。

 


2.   play a/the waiting game   チャンスをうかがう

 

We should play a waiting game.  It will surely take some time so be patient. チャンスをうかがうべきですよ。時間はかかるのですから辛抱強く待ちましょう。)

 

play a/the waiting gamegameは「試合」のことです。冠詞はa およびtheどちらも使えます。Merriam-Websterという伝統ある辞書のサイトを調べると、初出は1850年と出ています。スポーツ用語でも「持久戦に出る」という意味でこの表現は使われることがあります。

 

ところでwaitingと言えば、「女官」を英語でlady-in-waiting(複数形はladies-in-waiting)と表現します。私は最初にこの語を見たとき、「王子様の婚約相手」というイメージを抱いてしまいました!

 


3.   have an ace in the hole   奥の手がある

 

She thought that she had won the match, but the opponent had her ace in the hole. (彼女は試合に勝ったと思っていましたが、対戦相手には奥の手がありました。)

 

an ace in the holeはもともとポーカーの用語ですが、日常会話でも「奥の手、最後の切り札」という意味で使われます。aceはラテン語のas(ひとつ)という語から来た単語です。テニスのサービスエースもaceですよね。なお、an ace up your sleeveもやはり「とっておきの決め手」という意味、hold all the acesは「優勢を得る」です。また、within an ace of …ingは「もう少しで〜しそうになる」という意味です。

 


4.   Monopoly money   得体の知れない金、現実には価値のない金

 

The news reported that the business school was built with Monopoly money. (ニュースによると、そのビジネススクールは得体の知れない金で作られたとのことです。)

 

Monopoly moneyの「モノポリー」とはサイコロを振って土地を独占していくボードゲームです。そこで使われるお金をMonopoly moneyと言います。上記の例文は、モノポリーのお金のごとく現実には価値がなく得体の知れないお金という様子を表しています。インフォーマルな場面で主に使われる言葉です。

 

ところでゲームのモノポリーは1930年代にアメリカで誕生しており、日本には60年代に入ってきました。この原稿を執筆するにあたり、「まさか」と思いつつも検索したところ、やはりありました!トランプ大統領がネタになっているモノポリーです。さらに探してみると出てくる出てくる!”Trump the Game” というボードゲームまでありましたね。興味がある方は画像検索するとすぐにヒットします。

 

いかがでしたか?今月はゲーム関連の用語をきっかけに色々と見てみました。ところで「遊び」で思い出したことがあります。海外に暮らしていた幼少期、イギリス人の友達に受けたのは折り紙とあやとりだったのです。私はスポーツが全くダメでしたが、折り鶴を追ってあげたり、七変化するあやとりの作品を披露したりすることでずいぶん友達に喜んでもらうことができました。何か一つでも得意なことを携えて海外に行けば怖いものなしと思ったものです。言葉が通じなくても、こうしたちょっとしたことがコミュニケーションにとって助けになるのですね。

 

 

柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 10:00 |

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