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授業体験レポート:2017秋【中国語編】第5回 「イヤな予感がする・・・!」

スクールブログで人気の連載、レギュラーコースの授業ルポ。この秋、13シーズンめを迎えました!

2017年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!

ISSの教室では実際にどのような授業が行われているのでしょうか?

毎週金曜更新、英語・中国語を交互にお届けします。それでは、中国語の授業ルポ第5回をお楽しみください。

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丸第9回 中日翻訳

 

今回の中日翻訳のテーマは「日本語を使いこなす」でした。が…。

 

課題文が手書きだったので、「使いこなす」よりも、いや、「日本語に訳す」よりも前に、原文の中国語に何が書いてあるのか「解読」するのに手こずりました。字が下手なわけではないのですがギッシリ詰まっていて、日ごろワープロ打ちの文字を見慣れているせいか、とても読みにくく感じました。

 

しかし、このギッシリ感には理由があります。課題文は「就学理由書」という、日本留学の許可を申請する書類であり、押し合いへし合い書かれた文字には申請者の必死の思いが籠もっていたのでした。

 

審査官が中国語を解したとしても、基本的には訳文を見るでしょうから、その良し悪しが申請者の一生を左右するかも知れません。広告文や説明書の課題にもまして、翻訳者の責任を強く意識させられました。

読み手と目的がハッキリしている文章ですから、これまで何度も授業で言われてきた通り、原文のニュアンスを汲み取った上で、どのような表現が好印象を与えるのかということも考える必要があります。

 

たとえば、中国語ネイティブは自分の長所を堂々とPRしますが、日本人審査官向けに少しマイルドな表現へと工夫する、力が入って重複しているところは上手くまとめ、起承転結を意識しつつ、段落の最後が盛り上がるような順序に訳す、等々…。

 

講師の先生によると、学校単位で申請書の翻訳を引き受けることもあり、そうなると似たような訳文が何十枚も出来上がってしまうため、よくある表現には何通りもの訳し方を用意していらっしゃるのだそうです。

 

審査官もコピペ申請書を読むのはイヤなはず。そこまで気を遣えてこそ、プロを名乗る資格があるということですね。

 

 

丸第10回 日中翻訳         

 

今週は、訳読と翻訳の違いから話が始まりました。

 

その昔、外国語の学習には「訳読」が付き物でした。この文を日本語に訳しなさい、というような問題が必ずテストに出たものです。

 

そのときの訳文は、自分がどこまで知っているかを示すもの。でも、翻訳文は相手あってのものなので、また別の配慮が必要です。

 

これまでの授業でもあったように、日本語と中国語はそもそもの発想がかなり違っており、日本語がポイント・ポイントに着目するのに対して、中国語は出来事が起こった順に並べないといけません。

 

今回は交通事故を伝える新聞記事の訳でしたが、指摘されてみると確かに、日本文の情報は飛び飛びです。

 

被害者2人のうち、片方は年齢職業住所まで書かれ、片方は〇歳くらい、で終わっていたり、トラックが「走行中」に信号機に衝突したとは書いてありますが、交差点を曲がったとき起きた事故のはずなのに、それは全然書かれていなかったり。中国語はこれらの欠落した情報をきちんと補わないと文として変だし、読み手に伝わりません。

 

訳語も文全体を考えて選ぶ必要があります。被害者の女性は 女性” “女子” “女人” のどれで訳すことも可能ですが、文全体の意味から、選べる言葉は限られるのだそうです。

 

先生曰く「じゃ『鶴の恩返し』で現れた女の子は何て訳す?“小姐”ならヴィトンを下げてるみたいだし、“女性”は現代女性を指すからダメ。“女人” だと色目で見てるみたい。ここは無色透明な“女子”がいいですね。“女郎”ならどうだろう。機を織るのは、与ひょうの方になっちゃうかも。最後は与ひょうが追い出されちゃったりして」

 

やれやれ、一語決めるのにも、お話全体を把握しなくちゃいけないとは…。日本文が点なら中国文は線、シャーロック・ホームズの次は松本清張か、とタメ息をついていると、授業の終わりに課題ではない紙が配られました。中間フィードバックです。

 

学期の折り返し地点で、中日・日中両方の講師から一人ひとりに対して、前半のパフォーマンスに対する講評がいただけます。今期の目標をどのくらい達成できたかが評価されるのですが、イヤな予感通り、原文の読みが浅い点をズバリご指摘いただき、ぐうの音も出ませんでした…。

 

後半巻き返すには、奇跡のパワーが必要かも。それでは皆様ご一緒に。

来る年も、フォースが共にあらんことを!

 

 

 

 

 

 

 

| 授業ルポ | 10:00 |

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