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授業体験レポート:2017秋【中国語編】第4回 「基本だよ、ワトソン君!」

 

スクールブログで人気の連載、レギュラーコースの授業ルポ。この秋、13シーズンめを迎えました!

2017年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!

ISSの教室では実際にどのような授業が行われているのでしょうか?

毎週金曜更新、英語・中国語を交互にお届けします。それでは、中国語の授業ルポ第4回をお楽しみください。

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丸第7回 中日翻訳

 

今回の中日翻訳のテーマは「様々な文体の訳し分け」でした。

 

出された課題は短文でしたが、まずは先生の訳例にビックリ。1つの原文に複数の訳がついています。確かに課題文は、企業紹介や宣伝文など、解釈1つでいろいろな訳が可能なものでした。

 

初回の授業ですでに指摘を受けていたのですが、たとえば“我喜歓狗。”という同じ文でもシチュエーションや目的によって、「私は犬が好きです」「ワンちゃんが好き」「あたしイヌ派」等々、訳し分ける必要があります。

 

さらに大事なことは、1行だけを見るのではなく、訳文全体の文体や方向性を統一すること。先生はいつもおっしゃるのですが、洋服と同じように、文章もTPOやコーディネートを意識しなければなりません。カジュアルなら全身カジュアル、エレガントなら全身エレガント。シャネルスーツに地下足袋では、いったい何に変装するつもりか分かりません。

 

全体を見ずにちまちまと中国語から日本語への移し替え作業を進めると、何の目的で誰に向けて書いたのか判別不能な怪文書が出来上がってしまいます。

 

そしてもちろん、原文あっての翻訳ですから、遣われている言葉を手掛かりに、原文が伝えたかった内容を的確にあぶり出さなければなりません。

 

…ということは良く分かっているはずなのですが、実際に翻訳していると、自分の思い込みや言葉遣いのおかしなところには気づきにくいものです。一般向けの文章に専門用語を使ってしまったり、イメージ重視の宣伝文に注をつけてしまったり…。

 

洋服なら鏡を見ればいいのですが、文章だとそうもいかないので、自分やクラスメートへの添削指導や解説を参考にできるのは本当にありがたいです。

 

丸第8回 中日翻訳

 

原文が何を言いたいかをつかむ、というのは日本語から中国語に翻訳するときも大切ですが、原文が日本語の場合、考察というより「推理」(下手をすると「判じ物」)の次元に突入していると思うことがしばしばあります。

 

今回の課題文では靴に関する話題が扱われていましたが、先生の最初の質問は、ここでの靴は女性用か、男性用か、でした。そんなこと、原文のどこにも書いていないんですけど……と困惑する日本語ネイティブ受講生をよそに、中国語ネイティブのクラスメートは的確にこたえることができました。

 

決め手は文中に使われている、「お気に入り」「大キライ」といった言葉。なるほど、男性向けなら、もう少し違った表現になるでしょうね。

 

「靴ベラを使うなど、丁寧に履くことも長持ちのコツ」の「こと」はイコール「習慣」だ、といった隠れた情報を探しだすのは、一読、原文に特に疑問を感じない日本語ネイティブにとっては難しい作業です。

 

他にも、たとえば日本語には「こんにゃくは太らない」のように、頭としっぽがあって胴体のない、ホラーな文型があります。この手の文を「こんにゃく文」と呼び、本来なら「こんにゃくは(カロリーが低いから食べても)太らない」とすべきところ、( )の中が省略されているのだそうです。

 

そもそも、「こんにゃく文」を最初に見たとき、省略されている箇所があるということすら気づかなかった私ですが、いまだ胴体探しに四苦八苦しているようでは、名探偵どころかワトソン君への道もまだまだ遠いようです。もっと観察眼と推理力を磨かなければ…。

| 授業ルポ | 09:05 |

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