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授業体験レポート:2017秋【中国語編】第2回 「人として....」

ISSスクールブログで人気の授業体験レポートは、この秋で13シーズン目を迎えています。2017年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!今回は中国語翻訳者養成コース本科2のQさんのレポートをお届けします。

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丸第3回 中日翻訳

 

いよいよ今回から通常運転の授業が始まりました。翻訳クラスでは、まず自宅で翻訳の課題(宿題)を訳して事前に提出し、授業中は先生の模範訳例やクラスメートの訳文を見ながら、訳を吟味していく作業が中心になります。

 

課題はA4の紙1枚に収まる程度なのですが、毎回、締め切り時間ぎりぎりに提出するというトホホな有様です。でも、時間が限られているのは誰しも同じ。締め切りを意識するため、翻訳作業がだいぶ速くなりました(ような気がします)。

 

さて、このたびのお題は「創業記念パーティーでの挨拶文」。訳文は企業の広報誌に載せるという設定になっています。本科2のテーマは「仕事としての翻訳」なので、依頼者の意向や訳文の目的を意識することがとても大切なのです。日ごろビジネス文書に縁がなく、苦手意識のある私。しか〜し!課題文を見ると、ところどころ業界用語は散りばめられているものの、かなりの部分が決まり文句ではありませんか。これはラッキー!

 

…と思ったら、本科2はやっぱり甘くありませんでした。何気なく訳した箇所に、とんでもない地雷が埋まっています。たとえば、原文の順番通り「社員の皆さん、来賓の皆樣」と訳したら大間違い。こういう場合は「お客様が先」が鉄則です。それに加えて今回は祝辞なので、通常「景気の後退」「業務の見直し」等とする表現もネガティブ感をぼかす方向に訳すなど、細かく気配りする必要があります。

 

そしてトドメは最終行。原文に“最后”と書いてあるからって、創業記念の祝辞で「最後に」はいただけません!先生のご指摘通り、「結びに」等とすべきですよね。こんな基本もすっぽ抜けているとは、翻訳うんぬんより人として、社会人としていかがなものか(泣)。しかも「目的を意識する」「原文に引きずられない」と入学時から耳にタコができるほど注意されているというのに…。次回はエッセイの訳ですが、どんな地雷が埋まっているか今から戦々恐々です。

 

丸第4回 日中翻訳

 

こちらの授業も基本は課題の訳例と受講生の訳文の分析が主ですが、テンポが速く、発問中心のスタイルなので一瞬たりとも気が抜けません。今回は、インターネットクラスの受講生からの質問に答える形で、翻訳における「忠実さ」の話からスタートです。

 

翻訳は依頼業務のため、原文を忠実に訳すのが基本です。ただ、原文が日本語の場合、実は書きたいことと書いてあることにズレやねじれが生じていることがあります。たとえば、


「3日ほど旅行した」→旅行期間は ×約3日 〇ぴったり3日
「閉まるドアに注意」→閉まるドアに挟まれないよう注意


言われてみれば、そうですよね。閉まるドアより閉まらないドアの方が危ないってば。

 

語順も、比較的融通のきく日本語に対して中国語は厳格です。なので、中国語訳するときは日本語をシャッフルし、「発生順」「原因→結果」「大→小」など、決まった順序に並べ替える必要があります。たとえば日本語は「波風」ですが、風が立って波が起こるのですから中国語では“风波”。そりゃそうだ。

 

そういう訳で、原文と訳文の間では、言葉が消えたり増えたり順番が変わったりは日常茶飯事。原文が言いたかったことを整理して訳す必要も出てきます。そこで翻訳者には、忠実の義務に加えて「善管(善良なる管理者としての)義務」が発生する、と先生はおっしゃいました。自動翻訳もだいぶ精度が上がりましたが、善意の管理はまだまだ人間の領域のようです。

 

その辺に注意して次回の課題に取り組む所存ですが、それにしても長いです。AIなら淡々とこなすのでしょうが、思わずため息が出ちゃいます。だって、人間だもの…。

 

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