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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 98回 「自転車用語」を用いたフレーズ
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

数年前にジョギングにはまり、毎日せっせと走ったことがあります。念願のハーフマラソンにも出場し、完走できたときは本当にうれしかったですね。あいにくその後関節を痛めてしまい、今は走りから遠ざかっているのですが、毎朝早く起きて近所を自転車で一周しています。暑い時期でも自転車なら風を感じることができますし、関節への負担もありません。自転車マイブームはしばらく続きそうです。

 

今月は自転車の用語を使ったフレーズをご紹介します。

 

 

1. take one’s foot off the pedal 力をゆるめる

 

Don’t be nervous.  You have worked really hard.  You can take your foot off the pedal. (緊張しないで。うんと努力してきたのだから。力をゆるめても良いのですよ。)

 

「くつろぐ、力をゆるめる」を英語ではtake one’s foot off the pedalと言います。「ペダルから足を離しても良い」ということが、くつろぐという意味になるのですね。状況を想像すると納得がいく表現です。

 

pedalはラテン語、イタリア語、フランス語を経て英語となった単語です。ラテン語のpesは「足、足部」のことです。ped-も同じく足を意味し、pedestrian(歩行者)、centipede(ムカデ。-pedeは「〜の足を持つ生物」)、pedicure(ペディキュア)などもおなじみです。

 

なお、日本語で「ペダル」は「ダル」を強く読みますが、英語のpedalpeに強勢があります。発音はその都度確認すると良さそうです。

 


2. get a handle on … 〜について理解する

 

I can’t get a handle on this manual. (このマニュアルが理解できません。)

 

understandの略式表現にget a handle on … があります。have a handle on … と言うことも可能です。handleは「ドアなどのとって」のことで、自転車ならhandlebar、車の「ハンドル」は英語でsteering wheelと言います。最近はPC用語に「ハンドルネーム」がありますが、これは和製英語です。英語の場合、nick namescreen nameと言います。ちなみに匿名で投稿する際には「ペンネーム」という語が使われますが、ラジオでは「ラジオネーム」と言うのですね。

 

ところでhandleを辞書で調べていたところ、handlebar mustacheという語に遭遇しました。これは両端が上に曲がった口ひげで、「カイゼルひげ」と言うのだそうです。

 


3. act as a brake on … 〜にブレーキをかける

 

I had to act as a brake on his plan. (私は彼の計画にブレーキをかけねばなりませんでした。)

 

「ブレーキ」の語源は中期オランダ語のbraekeです。名詞の「ブレーキ」だけでなく、「ブレーキをかける」という動詞としても使えます。「ジーニアス英和辞典」によると、brakeの同音語はbreakで、しかもbreakの変形から誕生した語であるとの説明がありました。

 

上記例文の場合、「抑制、牽制」という意味での「ブレーキ」です。一方、実際に車や自転車などの「ブレーキをかける」は英語でapply the brakesput the brakesput on the brakesなどと表現します。

 

なお、自動車後尾のブレーキライトはbrake lightです。アメリカ英語ではstop lightとも言います。

 


4. big wheel 大物

 

He became a big wheel in the PR company. (彼はそのPR会社で大物となりました。)

 

「大物、有力者」を口語ではbig wheelと言います。他にもbig wheelには「観覧車(Ferris wheel)」の意味があります。1970年代、アメリカではWheel of Fortuneというクイズ番組が大人気でした。そこにはまさにwheelである回転板が出てきます。wheel of fortune自体は「(運命の女神の)紡ぎ車」「回転車輪型ギャンブル装置」のことです。

 

運命の女神についてさらに調べてみたところ、「モイラ」というギリシャ神話に出てくる3人の女神に行きつきました。クロトが運命の糸を紡ぎ、ラケシスが割り当て、アトロポスがその糸を断つという話です。英語を学習していると聖書やギリシャ神話を語源とする表現がよく出てきます。子ども向けの絵本で構いませんので、ぜひ一度そうした「源」にあたることをお勧めします。

 

今回は自転車関連の表現を見てみました。ちなみに毎月8がつく8日、18日、28日は自転車安全日だそうです。8が二輪車に見えるからなのですね。

 

 

柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

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