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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 97回 「『海』関連の英語表現 」を用いたフレーズ
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

先日とある洋雑誌を読んでいると、国別の祝日に関する記事がありました。日本は世界の中でも国民の祝日が多いことで知られます。私が子どもの頃は5月の連休が終わると夏休みまで休み無しでした。けれども1996年から7月に海の日が設けられたのですよね。6月一か月間を頑張れば7月には祝日があると励みに思ったものでした。

 

今月は「海」にちなんだ英語フレーズを見ていきましょう。

 

 

1. sea change 大変化

 

After reading the book, there was a sea change in Jim’s attitudes.(その本を読んだ後、ジムの態度には大変化が見られました。)

 

sea changeは「大変化」という意味です。a sea change in …という用法で使われます。もとはシェイクスピア「あらし」から生まれた表現です。通常は単数形で用います。

 

ちなみに辞書を引いてみると、seachangeという一語はオーストラリア英語でも独自の意味を持つことがわかります。語義は「Iターン田舎暮らし」のことで、「都会から海辺や田舎に引っ越して新生活を始めること」と「ジーニアス英和辞典第5版」には出ています。そうした人たちのことをseachangerとも言うそうです。

 

昔オーストラリアを旅行した際、書店でオーストラリア英語専門のオックスフォード英英辞典を見かけました。オックスフォードからはカナダ、ニュージーランド、アメリカ版の英英辞典が出ています。いつかじっくりと読んでみたいです。

 


2. all at sea 途方に暮れて

 

I am all at sea with the new rules.(新しいルールに途方に暮れています。)

 

「途方に暮れて」を英語ではall at seaと表現します。allの代わりにtotallycompletelyなどを使うことも可能です。

 

この表現が生まれたのは18世紀ごろで、イギリスの法律家ウィリアム・ブラックストーン(William Blackstone)「イギリス法釈義(Commentaries on the Laws of England)」で用いています。また、イギリス出身の探検家セルース(Frederick C. Selous)がその探検記でも記しているようです。

 

なお、at seaは「航海中で、海上で」という意味で、Worse things happen at sea(もっと悪いことが海上では起こるのだから)という表現があります。これは落ち込んでいる人を励ます際に使うフレーズです。

 

 

3. a sea of … たくさんの〜

 

Although I had to face a sea of trouble, I managed to overcome all of them.たくさんの困難に直面したものの、何とかすべて切り抜けることができました。)

 

a sea of troubleは「たくさんの困難」という意味です。a sea of … は「多くの、たくさんの」ということで、他にもa sea of blood(血の海)、a sea of flame(火の海)、a sea of faces(顔また顔)などの用法があります。同じ「多さ」でも「非常に多い」というニュアンスがあります。

 

ところで日本語の「おびただしい」は漢字で「夥しい」と書きますが、「夥」の「果」と「多」から成り立つことからもわかるように、「木の実のように多い」という意味から来ています。漢字を分析するのも楽しいですよね。

 


4. oceans of … 莫大な〜

 

The president seems to have oceans of money from his business.(社長はビジネスを通じて莫大なお金を持っているようです。)

 

先の例文同様、こちらも量の多さを表す表現です。oceans of … あるいはan ocean of … という使い方が可能ですが、いずれも略式表現です。要はlots of … ということですよね。oceans of moneyoceans of trouble(多くの困難)、an ocean of time(莫大な時間)などの表現もあります。

 

大洋州やオセアニアを英語ではOceaniaと書きますが、これはoceanから生まれた単語です。ocean自体はギリシャ神話Oceanus(オーケアノス)という大洋の神から来ています。ギリシャやローマ神話なども英語を学ぶ上でぜひ読みたいところです。

 

以上、今月は海にちなんだ英語をお届けしました。みなさま、ぜひ楽しいMarine Day(海の日)をお過ごしくださいね!

 

 

柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

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