通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

ISSスクールブログ

アイ・エス・エス・インスティテュートが運営しています。


<< 中国語ビジネスコミュニケーションコース特別セミナーレポート「成功するための中国語プレゼンスキル」 | main | ISSライブラリー 〜講師が贈る今月の一冊〜 第12回 : 豊田実紗先生(英語翻訳) >>
『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 94回 「食用肉」の語を用いたフレーズ
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

先日のこと。近所のスーパーでラム肉を見つけました。日本ではあまり見かけませんよね。以前暮らしていたイギリスではラムや鹿肉(venison)、ホロホロチョウ(guinea fowl)などが店頭に並んでいました。一方、魚の種類は日本の方がたくさんあります。食文化の違いです。

 

そこで今回は「食用肉」の語を用いた英語表現をご紹介しましょう。

 

 

1. beef up 強化する

 

In order to prevent any cyberattack, we need to beef up our computer security. (サイバー攻撃を防ぐため、コンピュータのセキュリティを強化する必要があります。)

 

「強化する」は英語でbeef upと言います。beefは「牛肉」としてなじみのある単語ですが、beef upという句動詞になると「(組織や法律などを)強化する、増強する」という意味になります。ちなみにbeef自体を動詞として使うこともでき、略式表現としてbeef about (ぶつぶつ文句を言う)という用法があります。

 

「ジーニアス英和辞典」にはWhere’s the beef?というフレーズもあります。主にアメリカで使われるくだけたフレーズで、「真意は何?」です。「ハンバーガーのバンズだけ大きく、肉が少ししか入っていない」という状況から生まれた表現です。

 


2. be pigged off 不愉快になる

 

I had a terrible experience and I was thoroughly pigged off. (ひどい経験をして、本当に不愉快になりましたよ。)

 

be pigged offは「不愉快になる」という表現で、主にイギリスで使われます。pigを辞書で引くと、pigの持つニュアンスとして「不浄・大食漢などを連想させる」と出ています。動詞としての使い方もあり、その場合、「がつがつ食べる」という意味です。たとえばpig out on pizzaなら「ピザをがつがつ食べる」となります。

 

肉食文化でもあるためか、「ブタ」でも色々な単語が英語にはあります。hogは「去勢された食肉用の大きい雄ブタ」、boarは「去勢しない雄ブタ」、sowは「pigより大きい雌ブタ」です。ちなみにroast pigは「焼き豚」で、丸焼きのものを指しますが、roast porkは肉の一部を焼いたものです。

 

日本では同一の魚でも成長過程により呼称が違いますよね。いわゆる「出世魚」です。たとえば「ブリ」の場合、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリとなります。ワカシの段階ではまだ体長は15センチほどですが、ブリになると90センチ以上になるのです。

 


3. chicken out 尻込みしてやめる

 

He was afraid of the roller coaster so he chickened out at the last minute. (彼はジェットコースターが怖かったため、最後の最後で尻込みしてやめました。)

 

chickenは「ニワトリ」という意味のほかに、「臆病者」という意味もあります。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では、マイケル・J・フォックス演じる主人公のマーティが「チキン(腰抜け)」と呼ばれてカッとなるシーンが何度か出てきますよね。chickenを動詞として使うのは今回ご紹介するchicken outぐらいですが、chickenを形容詞の「臆病な」という意味でも用いることがあります。

 

ちなみにDon’t count your chickens before they are hatched.は「かえる前にひなを数えるな」ということわざです。日本語の「とらぬタヌキの皮算用」と同じです。どちらも動物が出てきているのが興味深いですよね。

 


4. rabbit on 無駄話をする、重要でない話題を延々としゃべる

 

The girl was really talkative and she rabbited on about her day at school. (その女の子はとてもおしゃべりで、学校での一日を延々としゃべっていましたね。)

 

rabbit onは「延々としゃべる」というニュアンスを持ちます。「聞いている方には興味もなく、つまらない。早く終わらないかなあ」という状況をイメージできますよね。

 

rabbitは「家ウサギ」のことで、「野ウサギ」は英語でhareと言います。「不思議の国のアリス」に出てくるウサギはMarch Hareと言い、日本語では「三月ウサギ」と なっています。ということは、Peter Rabbitは「家ウサギ」という設定なのでしょう。先日オランダの画家、ディック・ブルーナさんが亡くなりましたが、ブルーナさんが描いたMiffyは、イギリスのショップサイトによれば“a cute white rabbit”だそうです。

 

ところでJR東日本の宇都宮線・快速列車は「ラビット」という愛称で知られています。うーん、なぜ「ラビット」なのでしょう?気になったので調べたところ、インターネット上では「rapid(速い)」や「ウサギのように主要駅を結ぶ」などの掛詞から来ているとの説がいくつかありました。気になるところです。

 

 

柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

------------------------------------------------------------------

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:00 |

☆好評連載中!
『柴原先生のワンランクアップの英語表現』
banner_shibahara.jpg

CATEGORIES

RECOMMEND BOOKS


SELECTED ENTRIES

CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< July 2018 >>

リンク

モバイル
qrcode