通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

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ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第24回:成田あゆみ先生(英語翻訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「一流の人は謙虚である -それをいつも再確認できる場所」

         成田あゆみ先生(英語翻訳者養成コース)

 


ISSとの出会いは1997年にさかのぼります。当時、大学院で行き詰まっていた私はある日、「このままではいけない。1年だけ翻訳者になるための勉強をしよう、それで芽が出ないなら他のことを考えよう」と思い立ち、朝日夕刊の広告欄を見ながら3校の翻訳学校に資料請求を行いました。そのなかで最初に資料を送ってきたISSと、2番目に送ってきた某に申し込み、半年間は2つの翻訳学校に通い、2期目からはISS一本に絞りました(その理由はのちほど)。


ISSインスティテュートは当時「ISS通訳研修センター」という名称で、翻訳コースは翻訳事業部(当時)の小会議室が教室でした。ワープロで訳文を作成してファックスで提出、ネットはなく、電子辞書は出始めたくらいの時代です。今より英語も実務翻訳の世界も、世間にとって謎に包まれていました。


クラスメートと一番町から四ツ谷駅まで歩きながら「一体どうやったら仕事がもらえるんでしょうね?」と語り合ったものです。お金はなく、先の見通しもなく、でも妙に高揚感のある日々でした。

 

1期目の途中で、翻訳事業部のチェッカーの方に声をかけて頂き、初めてOJTのお仕事を頂きました。なにしろ正社員経験のない大学院落ちこぼれの私です、打診の電話を頂いたときは、こんな私でも人さまの役に立てることがあるのだと、受話器を置いてからわんわん泣きました。


OJTの内容はスクリーン印刷に関する社内報の翻訳でした。検索というもののない当時のこと、スクリーン印刷の用語を調べるのは大変で、「印刷用語英和辞典」5000円を思い切って買ったりと四苦八苦しました。こうして私の仕事人生は、それが始まったという自覚もないまま、就活も新人研修も経ずに動き出しました。


今もチェッカーさんの赤の入った当時の訳が手元にあります。やたらと気合いの入った若い訳です。

 

2期目の途中で、受講生に回ってきた求人募集広告に応募し、派遣翻訳者に。数年間、いくつかの会社に社内翻訳者として勤務した後、派遣事業部(当時)の方が翻訳事業部につないでくださり、初めて実務翻訳の案件を頂きました。幸いにもおめがねにかなったようで、以後フリーランスになり、現在に至ります。その後ほどなくして、講師の仕事も頂くようになりました。

 

おかげさまで、講師歴も気付けばかなり長くなりました。ここ数年、受講生の方々のスタンスがずいぶん変わったように思います。昔は英語力をステータスのあるアクセサリーのように捉えた「労せずお洒落に、他人から羨まれる仕事をしたい」人、あるいは英語で百戦錬磨の仕事歴がある方が「まあ翻訳で小遣いくらいは」というケースが少なくありませんでしたが(このようなスタンスではとても務まらないくらい、実務翻訳は地味でハードな仕事です)、最近は「年を取っても長く続けられるようなスキルを身に付けたい」という方が増えているように思います。一生自活していくには今何をすべきか、真剣に考え、少しずつ動いている方が多く、とても励まされています。

 

ISSインスティテュートの講師の方、そして教務スタッフの方々は、翻訳技術をステータスではなく、職人技術ととらえています。その姿勢に応えなければと、ある時は目一杯背伸びをし、ある時は引っ張ってもらってここまで来ました。実は某で「ある一流ホテルのフレンチの料理人は、技術を盗まれないよう、鍋に洗剤を流してから皿洗い係に渡すのよ」と皮肉を言われましたが、ISSではむしろ、日本の通翻業界のトップパフォーマーの仕事ぶりを折に触れて垣間見ることができました。一流の人は惜しみなく与え、そして謙虚である。それをいつも再確認できることが、ISSとの縁が長く続いた最大の理由だと思います。

 

教室で出会った受講生の方が翻訳者になるケースも次第に増えてきました。自分より少し若い翻訳者の真摯な姿勢からも、この仕事に就く者のあるべき姿を教えてもらっています。

 

自分なりの行き詰まりを経て転向し、「こんな私でも」の思いだけで突っ走ってきた…私のISS人生(?)を総括するとこんな感じになります。振り返ると勢いだけは人一倍ありました。


組織に属する機会を逃したまま、翻訳という引きこもり系の仕事に就いてしまった私にとって、ISSで出会った方々――翻訳者や講師仲間、受講生の方々、そしてコーディネーターやスクールの教務スタッフの方々は、変化を続ける翻訳業界において立場の違いを超えて支え合ってきた”同志”と呼べる存在です。ここは同志の縁が驚くほど長く続く、不思議なスクールです。

 

これからもISSがそのような場所であり続けることを願います。そして、同じ志を持つ方と、教室で新たに出会えることを楽しみにしています。

<禁無断転載>

 

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<成田あゆみ先生のプロフィール>
1997年ISS通訳研修センター(当時)入学、派遣翻訳者を経て、2000年よりフリーランス英語翻訳者。アイ・エス・エス・インスティテュート英語翻訳者養成コース講師。

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