通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

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ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第9回: 今野由紀子先生(英語翻訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

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「翻訳をライフワークに」

         今野由紀子先生(英語翻訳者養成コース)

 

 

翻訳は地味で難しい仕事ですが、この技能を身につければ、失業や定年などに左右されず、一生収入を得られる大変良い仕事です。私は若い頃、何か自分のライフワークを持ちたいと思い、書くことと英語が好きだったので、翻訳は自分にぴったりだと思い、翻訳の道を選びました。あまり深く考えずに怖いもの知らずの決断でしたが、30年以上この道を歩んできて、その選択は間違っていなかったと思っています。

 

とはいえ、最初の数年はまだインターネットもない時代ですから、一つの単語を調べるために図書館めぐりをするなど、ずい分苦労しました。授業でよく言うのですが、今勉強する人達は本当に恵まれています。ただ、人は自分がいかに恵まれているか、なかなか分からないものですね。

 

私は大学卒業後すぐ、母校で英語を3年間教えました。3年で辞めた理由はいろいろありますが、一つには、自分には英語を教える資格が本当にあるのだろうかという疑問を抱いたからです。勿論、教員免許は持っていたし、大学の英語科を卒業したので、世間で認められている資格はありましたが、英語の知識・技能について一歩踏み込んでみると、まだまだ未完成の域を出ていなかったのです。「人は本当に自分の身についていることしか人に教えられない」と私は思っており、こんな状態で人の前に立って教えていいのかと自問したわけです。

 

30年以上試行錯誤を繰り返しながら、曲がりなりにも翻訳で生計を立ててきて、一応これが私のライフワークだと言えるようになった今、今度は翻訳を人に教える立場に立たせていただいたのは有り難い限りです。不思議と、若い頃に感じたような疑問はありません。むしろ、30年間の苦労を通して少しずつ分かってきたこと、どうしたら原文を正確に理解し、読者に分かりやすい表現で翻訳できるか、翻訳者が陥りやすい習癖やミスは何か、それを防ぐ方法は何かなど、自分が悪戦苦闘してきた課題をはじめ、翻訳の難しさとともに楽しさを受講生の皆さんに何とかして伝えたいという熱き思いに駆られています。ISS で7年教えてきて、最近は英語と日本語のそれぞれの言語が持つ美しさ、まったく異なる二つの言語の世界を行き来する面白さを伝えたいと切に望んでいます。

 

ISS で私は良い受講生に恵まれ、毎回の授業をおそらく誰よりも私自身が楽しんでいますが、「教えることは、とりもなおさず学ぶことだ」と実感して、誰よりも私自身がたくさん学んでいます。翻訳を教えるようになって、時折自分の翻訳の質が向上してきたと感じることもあります。授業でいつも言っていることを実行しなくてはと、自分を戒めることになるからです。

 

この所、受講生について少し気がかりなことがあります。最近の若い人は(年寄りじみたこの言い方は自粛すべきと分かっていながらつい使ってしまいます)、打たれ弱いという点です。ちょっと注意するとすぐ身を引いて防衛体制になり、心を閉じてしまう人がいます。私などはガンガン打たれてもへこたれない部類に入る方で、それだからこそここまでやって来られたと自負するのですが、最近は少子化もあって、大事に大事に育てられてきた人が多いせいでしょうか。間違ったり注意されたりすることをひどく恐れる傾向があるようです。むしろ自分の間違いや弱点に早く気づき、自分で気づかなければ気づかせてもらい、早く改めて弱点を克服することが向上への早道です。

 

いつも言っていることですが、翻訳をマスターするために必要なものは、英語の語学力と日本語の表現力は当然のことながら、最後にものを言うのは、集中力と最後まであきらめない粘り強さです。集中力は、だれでも好きなことには集中しますから、翻訳が好きでないと難しいかもしれませんね。粘り強さとは、分からないことを分かるまで徹底的に調べる、これぞふさわしいと思う訳語を見つけるまであきらめないということです。悩み抜いて、訳が決まったときの喜びは格別です。また、自分に依頼された仕事をやり終えたときの達成感。これもまた翻訳の醍醐味ですね。ぜひ皆さんに味わってもらいたいと思います。

 

<禁無断転載>

 

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<今野由紀子先生のプロフィール>
上智大学外国語学部英語学科卒業後、桜蔭学園で英語教諭を3年務める。翻訳歴はフリーランスとしてJICA 関連レポート、通信会社のシステム関連書類等の翻訳に携わった後、貿易商社で社内翻訳者として勤務し、通信文や製品マニュアル等の翻訳を行う。その後15年間、某大使館で様々な分野の英日翻訳を担当。アイ・エス・エス・インスティテュートでは総合翻訳科・基礎科1&2 レベルを担当。

 

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