通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

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ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第13回:秦燕先生(中国語翻訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「学習の喜び」

         秦燕先生(中国語翻訳者養成コース)

 

 

ISSとの関わりはさかのぼって2002年頃からになるでしょうか。当時、私の通訳の相棒が通訳として活躍しているにも関わらず、ISSでは受講生だったことを知り、刺激を受けました。私より通訳歴が長く、大先輩の彼女を惹きつけるISSという学校にはどのような魅力があるのだろうと興味を持ちました。

2010年、私の念願がかなって、ISSの講師になることができました。ISSは語学力の向上を目指している方が学ぶだけでなく、プロを目指す、プロフェッショナルの人材を養成する学校でした。ここで講座をもつ大役に、ワクワク、そしてドキドキしながら授業に臨んでいる自分が今も続いています。

私が担当する翻訳者養成コースの基礎科に通っている生徒さんの中には、多くの社会人の他に大学生もいました。つまり、生徒さんの学習歴が長かったり、短かったりとさまざまです。そこで、私は、生徒さんが今まで学習された知識をより系統的に整理しながら、上級クラスの本科1へ進むように意識を持たせつつ、毎回テーマを決めて授業を進めています。

 

例えば、文法の整理については、文の構造を訳例に照らし合わせながらその仕組みを解説します。特に構文の使い方や前置詞句の位置付け、そして助詞の「得」、「的」、「地」の特徴を重点的にアプローチします。ソース言語の構造に頼りつつ、的確かつ読みやすい訳文に仕上げていくのです。

 

もう一つは、生徒さんに「思考回路」を意識していただくということです。人々はそれぞれの思考回路をもって生活を営みますが、ここで話している「思考回路」は中国語脳で考えることで、単なる言葉の置き換え作業ではないことを意識して欲しいのです。つまり論理の展開や帰結の意味での「思考回路」でしょう。中日間の言語思考回路は近いものがあるものの、根本的に違うということを忘れてはいけません。例えば、「どうも」や「すみません」。この二つの言葉は日本人にとって万能用語と言っても過言ではありません。軽い謝罪や感謝、ひいては、挨拶などにも使える便利な言葉です。これを中国語化する場合は、その内容を汲んで処理する必要がありますし、「〜と思われる」、「〜ではないかと言える」といった語尾をはっきりとさせない表現も中国語化する際、違った意味での難点があります。つまり、文法上では受身や可能の形で捉えることができるからなのです。「北方領土の帰属問題が解決されない中」の「北方領土」についても、ネイティブの考え方、表現までをも考え合わせ、「日俄之間存在的南千島群島(日称北方領土)主権帰属問題尚未解决」と訳し、なお「主権」を付け加える必要があると思われます。

 

私の授業で、生徒さんにどうしても吟味して欲しいもう一つのことは、ことばの力です。どういうことかといいますと、辞書では、同じ意味と示されている単語でも実際には異なった意味になることがしばしばあります。私は標準訳例の他に、a,b,c,dの複数の同類単語を並べ、aの単語を使って得られた効果、bを選択した場合の効果など、生徒さんと一緒に吟味しながら、ことばのインパクトの大切さを学んでいきます。

基礎科の授業は、プロの翻訳への第一歩です。読みやすいライティングとして完成するということを考えると、あれもこれも教えたくなるのは私だけではないと思いますが、限られた時間の中、生徒さんに何を理解してもらうか、理解してもらったものをどのように次のステップに繋げるかなどを優先に考え、授業に臨んでいます。

翻訳は言語が異なれば、物の考え方も違うため、文章を表現するときにその背景にある理論や理屈も異なります。そのまま原文のロジックを使って文章表現をしていくと、分かりにくい情報になるだけでなく、時には誤解を招くことにもなりかねません。しかし一方、これこそが翻訳者にとって翻訳作業の醍醐味であり、チャレンジする価値のある、すごく面白い勉強の一つと言えるでしょう。少なくとも私はその中の一人です。

 

ワクワク、ハラハラ、新たな発見がいっぱいのISS翻訳コースの授業はいかがですか。

 

<禁無断転載>

 

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<秦燕先生のプロフィール>
中国大連外語大学日本語学科卒業後来日、お茶の水女子大学人間文化研究科博士単位修得退学。早稲田大学高等学院中国語非常勤講師、日中学院中国語非常勤講師、主に日中通訳、国家資格ガイド試験対策クラスなどを担当する。アイ・エス・エス・インスティテュートでは基礎科レベルを担当。

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| ISS講師からの応援メッセージ | 09:00 |

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