通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

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ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第2回: 日野峰子先生(英語通訳者養成コース顧問)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

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「未来の仲間たちへ」

         日野峰子先生(英語通訳者養成コース顧問)

 

 

会議通訳者には東京の、特に語学系が強い大学の卒業生が多いのですが、私はその中ではちょっと異質で北海道大学出身です。大学ではESSでアカデミック・ディベートに夢中になっていました。その頃、札幌近郊の空調メーカーで、施設の改築プロジェクトに2年間という長期間招聘されたデンマーク人の建築家のために、通訳・翻訳のアルバイトを探していることを知って応募、その後スイスから加湿器を輸入していたその会社のお手伝いを何年にも渡ってすることになります。

建築図面を翻訳したり打ち合わせの通訳をしたりしましたが、通訳訓練など受けたこともない私の通訳は、今思うと大変お粗末なものだったに違いありません。何もかも自己流でしたが、しょせん学生アルバイトですから、さほど期待値も高くなく皆さん優しかったのが幸いでした。


改築プロジェクトが終了した時、とても美しく仕上がった工場の一角で、この会社のお客様や関わった人たちを招いてお披露目のイベントが行われました。そこで建築家がプレゼンテーションをすることになったのです。それまではこぢんまりとしたミーティングでしか通訳をしたことはありません。数十人ものお客様の前であらたまったスピーチを訳すのは初めての経験です。大変緊張しましたが、終わった後の達成感は何物にも代えがたいものがありました。この経験がその後の私の進路を決めたのです。

 

卒業後はそのままフリーの通訳者となり札幌をベースに仕事をしながら、時々東京に短期の通訳講座を受けに出てきていましたが、結婚後、夫が東京に転勤になったのを機にきちんと通訳訓練を受けてみようと思いました。2校受験しましたが、もう一校の方は入学クラスを知らせるドライな通知をくれただけだったのに対し、ISSからは奨学生として受講料を割り引くので是非入学するようにと電話をもらったのです。どちらに入ろうか迷う必要がなくなりました。


レベルチェックテストでいきなり同時通訳科を受講することになり、最初はとっかかりがつかめずずいぶん苦労しましたが、何かを習得したと感じるたびに、より早くそこまで到達する方法はなかったのかと考えるようにもなりました。その時の経験から生み出したのが、現在のシステマティックな教授・訓練法です。効率的に通訳スキルを身に付ける最良の方法だと自負しています。

 

とはいえその方法でだれもが一足飛びに通訳者になれるわけではありません。通訳学校に入学された皆さんは、お金と時間を自分のために投資することを決めたわけですから、何が何でもその投資を回収するつもりで課題に取り組み授業についてきてください。まずは何度も練習して「これならばお客様に満足していただける」と思える質の訳出にたどり着いてください。ここで妥協をしたら進歩はありません。それができたら、今度はできるだけ少ない回数で、最終的には1度目からその品質で訳せるようになることを目指します。

 

ところで、こうして「通訳」「訳出」「訳す」といった言葉を私たち講師も当たり前のように使うからでしょうか、時折がちがちの直訳でとても不自然な通訳を耳にすることがあります。文字通り「訳す」ことばかりを考えていてはいつまでたっても質の高い通訳にはなりません。対象とする両言語の間に意味的に等価な表現を「探す」というアプローチを習得することが優れた通訳者になるための第一歩です。


そのためには両言語で十分に深く豊かな表現力が必要です。もともと自分のものになっていない表現が、ほかの言語から訳そうとしてみたら口をついて出てきた、などということが起こるわけはないのですから、通訳しようとする前に両方の言語能力をしっかりと磨いておくべきですし、その努力はどのレベルに到達しても終わることはないのです。


シャドウイングやリプロダクションなどの「訳さない」訓練はそのための効率的な方法ですが、これらも一度だけ行って課題をこなしたつもりになっていては時間の無駄でしかありません。暗記するのではなく繰り返しているうちに自然に覚えてしまったというくらいの境地を目指すと、自然と表現力を向上させることができます。伸び悩みを感じている人は「訳す」作業にばかり集中してこうした基礎訓練を怠っていることが多いものです。

 

さて、この学校の教務の皆さんの面倒見の良さは、私が入学した当時も今も変わりません。講師として教え始めていつの間にか四半世紀近くにもなることに先日気付いて愕然としましたが、私の厳しく辛辣なコメントを浴びた生徒さんを慰め励まし、継続を促してくれるスタッフの皆さんがいるからこそ、存分に私自身が考える高いスタンダードの授業を続けてくることができたと感じます。私は将来一緒に仕事ができる仲間を育てるために、これからも厳しくあり続けますが、ISSには温かい教務スタッフと、同じ志を持った多くの仲間がいることを忘れないでください。

<禁無断転載>

 

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<日野峰子先生のプロフィール>
北海道大学卒業後、すぐにフリーの通訳・翻訳者に。1988年から2年間、アイ・エス・エス・インスティテュート東京校同時通訳科に学び、卒業と同時に会議通訳デビュー。CAD/CAMシステムベンダーのユーザーカンファレンス、ライフサイエンス・セミナー、世界医師総会・理事会、半導体関連の技術会議などを定期的に手掛ける他、シーラカンスシンポジウムなど珍しい会議にも嬉々として取り組み、幅広い分野にわたる国際会議で同時通訳者として活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは、主にプロ通訳養成科、同時通訳科などの上級レベルを担当。

 

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