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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 87回 記述記号を使った英語フレーズ
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 

英語にも日本語にも、文章を表す際には色々な記号や約束事がありますよね。たとえば原稿用紙に書くとき、新たな段落であれば一文字下げますし、原稿用紙の一番下のマスに点や丸を一緒に入れるといったルールがあります。ちなみに私が学生時代に苦労したのが英文のコロンとセミコロンの使い分けでした。どちらもよく似た形で混同していたのですが、先生から「コロンはイコールマークとほぼ同じ」と言われ、ずいぶん楽になったのを覚えています。

 

今回はこうした記号を用いた表現を見ていきましょう。なお、文章で用いるカッコや句読点、疑問符などの記述用語は「約物(やくもの)」と言います。

 

 

1.draw a blank 思い出せない

 

I knew her face but I’ve just drawn a blank on her name. (彼女の顔は知っていたのですが、名前が思い出せませんでした。)

 

blankは「空欄、空所」ですが、他にも形容詞で「白紙の、無表情な」といった語義があります。draw a blankは「思い出せない」という意味です。また、The investigation has drawn a blank.(調査では結果を得られなかった)という用法でも使えます。

 

blankはフランス語の「白(blanc)」から来た単語で、blanketも同じ語源です。そういえば子どもの頃に過ごしたイギリスで、当時Blankety Blankというクイズ番組が大人気でした。あの頃はインターネットもなく、社会全般の情報量が少なかったため、誰もが同じ番組を見ては盛り上がっていたのです。

 


2.by way of parenthesis ついでに言えば

 

Please let me say, by way of parenthesis, that I have no idea about the latest gadgets.ついでに言えば、最新のガジェットに関して私は全く分からないということを言わせてください。)

 

by way of parenthesisは「ついでに言えば」という意味です。もともとparenthesisは「挿入語句」のことで、前後をコンマやダッシュで区切って入れる語句を指します。parenthesisはイギリス英語で、parenthesesがアメリカ式スペルです。一方、gadgetは「道具、仕掛け」のことで、この文章では「真新しいグッズはよくわからない」という様子を表しています。

 

ところでparenthesisを使った語にparenthesis-free notationがあります。日本語では「ポーランド表記法」と言い、演算関連の用語です。ポーランド人学者が考案したため、そう呼ばれるようになりました。

 


3.Period! 以上!

 

No, I’m not going to buy you a smartphone. Period! (だめ、スマートフォンは買いません。以上!)

 

periodは「終止符、ピリオド」のことですが、Period!とつづることで「以上!」という意味になります。話を打ち切る際に使う表現です。上記の例文では子どもにスマートフォンをねだられたものの、「買わない」という親の意思表示を表します。イギリス英語であれば、Full stop!と言うこともできます。

 

periodの語源はperi(ひと回りの)とod(道)です。それが「回路、周期」という意味になり、現在の「時期、期間、時代」となりました。ちなみに「周辺」のperipheryも同じ語源から来ています。「まわりくどく言う」はperiphraseです。

 


4.question mark 未知のこと

 

His future remains a question mark. (彼の将来はわかりません。)

 

「不確かなこと、未知のこと」を英語ではquestion markと言います。question mark自体は「疑問符」で、「?」と表しますよね。なぜ「?」の印になったかに関しては、ラテン語のquaestioqoが縦に並べられ、それが次第に形を変えたという説があります。

 

ちなみにスペイン語の場合、疑問文であれば最初に「?」をひっくり返した「¿」を付け、文末は「?」で締めくくります。最初から「あ、この文章は疑問文だ」と読解時に心構えができるので便利ですが、逆に最後まで読んで疑問文だったかを知る楽しみがなくなってしまうようにも個人的には思います。もっとも、日本語の縦書きの場合、「?」が付かないと、平叙文か疑問文かもわかりません。これはこれで難しいのでしょうね。


今回は「約物」を使ったフレーズを取り上げました。なお、英文を書く際、約物には細かいルールがあります。これを機に色々調べておくと良いでしょう。

 


柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:00 |

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