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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 85回 高さ関連の語を用いた英語表現
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 


2016年5月には日本で8年ぶりのサミットが行われました。G7伊勢志摩サミット、正式名称は「第42回先進国首脳会議」です。サミット (summit) とは英語で「頂上」のことで、首脳が集うことからサミットと名付けられました。ちなみに英語で「頂上」はpeakとも言いますが、オックスフォード現代英英辞典の図解説明を見ると、peakは「とがった山頂の1点」を指しているのがわかります。summitはどちらかというと、とがった部分を含む頂上全体という意味なのですね。いずれにせよ、非常に高い部分であることに変わりはありません。

そこで今月は「高さ」に関連した用語を使ったフレーズを取り上げていきます。


1.high-water mark 最高点、絶頂

His election win in 1985 was the high-water mark of his popularity. (1985年の選挙勝利が彼の人気の絶頂でした。)

high-water markは名詞で「最高点、最高水準」という意味です。この言葉を耳だけで聞くと、一瞬high watermarkとも思えますよね。watermarkは「水準、水位線」のことですが、今回ご紹介するのはhigh water(高潮、満潮)とmark(印)の合成です。

ちなみに「干潮」はlow waterで、「最悪状態、不振のどん底」はlow-water markとなります。新しい単語が出てきた際にはこうして反意語もついでに調べておくと、単語力のアップにつながります。


2. hit a plateau 停滞期に達する、壁にぶつかる

Though she studied hard, she hit a plateau and her grades did not improve. (彼女は一生懸命勉強しましたが停滞期に達してしまい、成績は向上しませんでした。)

plateauは元々フランス語から来た単語で、英語では「高原、台地」という意味です。複数形はplateausまたはplateauxと書きます。xで終わるあたりがまさにフランス語ですよね。

hit a plateauまたはreach a plateauは「停滞期に達する」ということです。ここでは名詞ですが、I have plateaued and I could not lose my weight anymore (停滞期に達してしまい、これ以上体重を落とせなかった)という具合に動詞としても使えます。

ところで「オーレックス英和辞典」(電子版)にはplateauのもう一つの意味として「飾り皿、頂部の平らな女性の帽子」という意味も出ています。気になったのでplateauplateを入力し画像検索するとなぜか骨のレントゲン写真が!実は「脛骨プラトー骨折」という症状があるのです。キッチン用品から医療分野に飛んだリサーチでした。


3. peaks and valleys 山あり谷あり、浮き沈み

Don’t worry about the past.  Life has its peaks and valleys. (過去を心配しないで。人生は山あり谷ありなのだから。)

peaks and valleys は文字通り訳すと「山頂と谷底」という意味です。それを比ゆ的な意味として用いるのが今回ご紹介するフレーズです。peaks and troughsと言うこともできます。

ところでpeakを使った単語は他にもいろいろあります。peak oilは「石油の最大産出時点」、peak seasonは「繁忙期、ハイシーズン」という意味です。一方、peak timeは主にイギリスで使われる言葉で、「ゴールデンアワー」のことです。アメリカではprime timeとなります。ゴールデンアワーは和製英語なのです。


4. move heaven and earth あらゆる手を尽くす

I would move heaven and earth to help my children grow up in a peaceful world. (平和な社会で育つことができるよう、あらゆる手を尽くして子どもたちを助けたいと思います。)

move heaven and earthは「全力を尽くす、あらゆる手を尽くす」です。heavenは「天、天国」「この上ない幸福」「空」という意味があります。

私の愛用する電子辞書には「ワイルドカード検索」という機能があります。これは単語の後半だけがわかっている場合「〜heaven」のように入力すると、後ろにheavenが付く単語がヒットしてくるのです。これを使ったところ、seventh heaven(第七天[ユダヤ人が神と天使のいる所と考えた最上天])、Stairway to Heaven(レッド・ツェッペリンの曲「天国への階段」)、tea-of-heaven(ヤマアジサイ)などが出てきました。

いかがでしたか?今回は「高さ」に関する表現をご紹介しました。ちなみにpeanut heavenとは「劇場の最上階最後部席」だそうです。最後部席はピーナツしか提供されなかったことから生まれたフレーズです。舞台上の役者さんが「米粒みたいに小さい」「ピーナツぐらいの小ささ」という語源ではなかったのですね。


柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:00 |

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