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「NIPPON 〜到来した平成の開国〜」 第12回 NIPPON 「日本消滅の危機・・・国民的議論を」

読者の皆さん、こんにちは。

ランゲージワン株式会社で多言語コンタクトセンターの企画営業をしている高橋恵介です。

 日本における言語のバリアフリーを目指して、この分野で活動すること約25年。日本に住む外国人の悲喜こもごもを見てまいりました。

 連載第12回目の今回は、「日本消滅の危機・・・国民的議論を」についてお話ししてみたいと思います。

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【日本消滅の危機】
外国人が増えると治安が悪くなる、という漠然とした不安が日本人の中には根強くあります。しかし、この不安を理由に、外国人の受け入れに反対することで「日本消滅」の危機が現実となってしまう可能性が高まることを、私たちは知っておく必要があります。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、日本で人口減少がこのまま進むと、100年後には人口4000万人、約1650年後には「2人」になるとされています。もちろん「2人」にはならないでしょうが、真剣に捉えるべき衝撃的な数字です。

【不良外人】
私が北陸地方の大手通信会社で仕事をしているときに、外国人向け営業施策を提案し進めようとしたところ、「外国人相手だと料金の回収が難しいのではないか」「不良外人が多いのではないか」という意見が聞かれました。果たして料金回収リスクが本当にあるかを確認したところ、実際は月々の料金を遅延することなく支払っている外国人がほとんどで、日本人の未回収率よりも外国人のそれは低かったのです。

私の周りの人たちに「不良外人と言えば何が思い浮かびますか」と質問したところ、「上野公園で偽造テレカを売っているイラン人」との答えが多くありました。確かに1992年頃、不法滞在していたイラン人は約30000人いて、代々木公園、新宿駅南口周辺、私が住んでいる柏にも沢山いました。しかし、現在は入国管理が強化され、日本にいるイラン人は4000人ほど。同国からの不法滞在者についてはほぼいません。今後も入国管理は強化されるでしょうから、望まれない外国人の入国は島国日本においては、さほど心配する必要がないと考えられます。

「外国人の増加=治安悪化」の印象については、メディアの報道も大きく影響していると考えられます。日本国内で外国人が事件を起こすと、比較的大きなニュースとして扱われます。そのニュースによって、日本人の中に外国人と治安悪化が結び付き、印象付けられているようです。実は、日本における外国人の犯罪率は日本人の犯罪率よりもはるかに低いのです。

【コミュニケーションの壁】
イメージで「外国人の増加=治安の悪化」と捉えてしまう背景は、他にもあると思います。その中でも一番不安を掻き立てているのは、コミュニケーションが取れないから、何を考えているのかわからない、という点ではないでしょうか。しかし、コミュニケーションの壁を崩すことは難しいことではありません。

ランゲージワンは、多言語コールセンターとして、消防119番通訳、医療通訳、法律通訳、自治体窓口通訳、公共交通機関通訳、商業施設通訳、金融機関通訳などを、24時間体制で提供しています。今や電話通訳サービスは、日本のコミュニケーションインフラに欠かせない役割を果たすようになっています。電話通訳サービスを利用した人は、円滑にコミュニケーションを交わした経験から、「漠然とした不安」を取り除かれているのではないでしょうか。

【国民的議論へ】
6月2日付の日本経済新聞「私見卓見」で、斉藤潤慶應義塾大学特任教授が名文を寄稿しています。一部を引用させていただきますが、是非全文をお読みください。

「欧州でのテロの頻発を受けて、世界的に移民排斥を求める声が出ており、日本でも外国人労働者の受け入れに慎重な意見が多い。しかし安全安心社会が崩壊することへの懸念には、治安対策の強化で対応するのが本筋だ。入国後の就業状況を継続的に把握することが必要だろう。地域社会が外国人と積極的に関わりをもつことも抑止力になる。外国人労働者を受け入れなければ「日本消滅」が待っているだけだ。今こそ国民的議論が必要とされている。」

今年、「平成の開国」が各方面で本格化し、国民的議論が巻き起こる兆しがあります。このコラムの読者の皆さまも、一連の動向に是非ご注目を。

(つづく)

 

| NIPPON 〜到来した平成の開国〜 | 17:33 |

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