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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 84回 花の名前を用いた英語表現
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 


「通訳者にはどういった実力が必要ですか?」という質問を受けると、私は「語学力・知識力・体力」と答えています。英語と日本語の語彙変換力がどれだけ優れていても、背景知識を知らないと厳しいものがあるからです。と同時に、大変な集中力に瞬発力も必要ですので、体力作りも必須です。ですのでその一環として、私はこまめに運動をするようにしており、時間が許す限りたくさん歩くようにしています。

日本は四季が豊かですので、春夏秋冬それぞれの草木や花を眺めながらウォーキングすることは、私にとって心和む時間です。家の近所にも、よく見てみると美しい花が咲いているのですよね。

今月は花の名前を使ったフレーズをご紹介します。


1. as fresh as daisy 元気はつらつとした

Despite his busy schedule, he arrived at the meeting looking as fresh as a daisy. (彼は忙しいスケジュールであるにもかかわらず、会合には元気はつらつとした様子で到着しました。)

as fresh as a daisyは「元気はつらつとした」という意味です。同様の意味を持つフレーズはほかにもas fresh as paintas fresh as a roseがあります。このフレーズが生まれたのはおそらく18世紀から19世紀ごろです。なぜdaisyを用いるかと言いますと、ヒナギクは朝に花開き、夕方に閉じるからだそうです。

daisyは、やや古い略式表現では「第一級の人(物)」という意味があります。また、Daisy Stateはアメリカのノース・カロライナ州の愛称です。daisy wheelは印刷用語で「デージーホイール」を指し、これはヒナギクの花のように円形に並べてあるタイプライターなどの活字を意味します。


2. be not all roses 良いことばかりではない

My life has not been all roses but it was not that bad! (私の人生は良いことばかりではなかったけれど、さほど悪くもなかったですねえ!)

be not all rosesは「良いことばかりではない、楽なことばかりではない」ということです。日本語でも「バラ色の人生」という表現がありますよね。be not all roses またはbe not a bed of rosesと言います。

ところでroseで思い出すことがあります。小学校4年生の時、私はオランダからイギリスへ引っ越したのですが、そのときオランダのクラスメートが寄せ書きをしてくれました。その中にRoses are red, Violets are blue, Sugar is sweet, And so are you.という詩が書かれていたのです。これは16世紀のイギリス詩人エドマンド・スペンサー (Edmund Spenser)が作ったものとされています。この詩は今でもバレンタイン・デーや大切な人へのメッセージとしてよく使われているようです。


3. gild the lily (満足なものに)余計な手を加える

Don’t wear that scarf.  It would be gilding the lily. (そのスカーフはしない方がいいわよ。かえって余計だから。)

lilyは「ユリ」、gildは「金箔をかぶせる」という意味です。gild the lilyは、すでに満足いく状態のものに無駄な改良を加えてしまう様子を表します。一説によると、このフレーズの語源はシェイクスピアの作品「ジョン王」から来ているようです。シェイクスピアの文ではpaint the lilyとあり、今ではgild the lilypaint the lily両方が使われます。

ところでユリはフランス王家の紋です。日本の皇室のシンボルは菊、イングランドおよびアメリカの国花はバラ、オランダはチューリップ、スペインはカーネーションだそうです。一つのフレーズを機に国花まで調べてみると、新たな発見がありました。


4. a shrinking violet 恥ずかしがり屋

I used to be a shrinking violet when I was two years old.  I was always nervous. (2歳のとき、私は恥ずかしがり屋でした。いつも緊張していたんです。)

a shrinking violetまたはa modest violetは「恥ずかしがり屋」という意味です。violetはスミレのことで、英語では謙譲・貞節・薄命の象徴とされています。shrinkは「縮む」という意味で、これはスミレがほかの花に比べて小さくなっていくように見えるためだそうです。「恥ずかしがり屋」という意味になったのは19世紀初めでした。

ところで「虹」の色は日本語の場合、「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」と表します。英語ではred, orange, yellow, green, blue, indigo, violetの7色です。「紫」がpurpleではなくvioletなのも興味深いですよね。

今回は花関連の表現でした。これを機に花言葉も調べたいと私は思っています。


柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:00 |

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