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「NIPPON 〜到来した平成の開国〜」 第11回 NIPPON 「移民政策についての“本音と建前”」

読者の皆さん、こんにちは。

ランゲージワン株式会社で多言語コンタクトセンターの企画営業をしている高橋恵介です。

 日本における言語のバリアフリーを目指して、この分野で活動すること約25年。日本に住む外国人の悲喜こもごもを見てまいりました。

 連載第11回目の今回は、「移民政策についての“本音と建前”」についてお話ししてみたいと思います。

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【本音と建前】
現在開催されている第190回国会で、外国人技能実習制度に関する法案が審議されています。人身売買、劣悪な強制労働の温床であるなどと、国連や米国務省など、世界からそのあり方に批判を受けている制度ですが、新しい法律を作り、新組織「外国人技能実習機構」を設立し、「取締りと拡充」を掲げて、外国人技能実習制度のさらなる推進を図ろうとしています。新機構は、立ち入り調査や指導において法的権限がなかった「国際研修協力機構(JITCO)」に代わる組織として、今年度中に動き出す見込みです。

果たして今回の小手先のマイナーチェンジによって、外国人技能実習制度が改善されるとは到底思えません。ただ国会審議の中で議論されている内容を聞くと、この制度が「本音と建前」を併せ持った典型的な日本風の制度であることがよくわかります。

外国人技能実習制度の「建前」は、日本の進んだ技術を開発途上国に移転するために、開発途上国の人を日本で研修させ、研修期間終了後には母国に戻ってその技術移転を進めるというものです。「建前」通りに、技術移転が進められている好事例があることは事実ですが、「本音」の部分では、安価な労働者を外国人によって賄っている例が多数見られます。日本の受入企業の多くは、人材不足が深刻な業界が多く、日本人の就労が進まず、外国人技能実習生を受け入れることによって、人材を確保しているという側面が強いのです。

【自民党特命委員会からの提言】
人口減少と少子高齢化社会の中で、外国人労働者の受け入れの是非は、もはや不可避な議論となっています。今年3月には、自由民主党の労働力確保に関する特命委員会においては、外国人労働者をさらに受け入れる方向で、政府に提言する準備をしていると報道されています。5月の連休明けにはその提言が発表されると見られていますが、その内容はかつて自民党内にあった外国人材交流推進議員連盟において、移民政策論者である坂中英徳元東京入国管理局局長が提唱していた「1000万人の外国人受け入れ案」と近い内容となっているようです。

安倍総理も菅官房長官も「移民政策を取らない」という発言をわざわざしていますし、自民党内でも意見が大きく分かれるトピックスなので、政府はこのまま外国人受入に舵を切ると言う判断にはならないと思われますが、ここ最近はこれまでとは少し様子が違うように思われます。石破大臣など閣僚からも、移民政策を考える必要があるという発言があり、「建前」ではなく「本音」で議論を進める方向で発言している人が、政府内からも出てきています。

【実質的な移民政策】
日本の人口減少を見るときに、外国人の受け入れ以外に選択肢はないということは明らかです。実質的な「移民政策」とも言える外国人技能実習制度改正のこのタイミングで、未来の日本のあり方について、有意義な議論をするためにも、外国人受入について、「建前」を前提にした議論ではなく、「本音」での議論を進める時が来ているのではないでしょうか?
 
| NIPPON 〜到来した平成の開国〜 | 18:45 |

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