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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 82回 布にちなんだ表現
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 



「大掃除」は日本の冬の風物詩ですよね。一方、アメリカやイギリスなどでは大掃除のことをspring cleaningと言います。春の暖かな気候の中、家の中をきれいにして気分一新を図るのが目的だそうです。じゅうたんやカーテンを洗って冬の間にたまった汚れを落とせば、気持ちよく新しい季節を迎えることができます。春の大掃除なら冷たい水であかぎれになることも避けられますよね。ちなみに子どものころ私はイギリスに暮らしていたのですが、家には定期的に窓掃除の職人さんが来ていました。イギリスには窓やじゅうたん専門のクリーナーさんがいたのを思い出します。

今月はcarpetを始めとする「布」関連のフレーズをご紹介しましょう。

1. the red carpet treatment 丁重なもてなし

Wow, what a surprise! I didn’t expect to be given the red carpet treatment.(わあ、驚いた!丁重なおもてなしを受けるとは思っていなかったわ。)

red carpetは来賓を迎える際に敷く赤いじゅうたんのことです。red carpetだけでも「丁重な歓迎、盛大なもてなし」という意味を持ちます。give … the red carpet treatmentで「〜を盛大にもてなす、〜に最高の待遇をする」となります。毎年2月にアメリカで行われる映画の祭典「アカデミー賞授賞式」では、会場の入り口にレッドカーペットが敷かれますよね。映画ファンにとっては数々のスターが一堂に会する貴重なイベントであり、マスコミにとってもファッション・チェックができるチャンスです。


2. behind the curtain 秘密に、黒幕で

There must be someone behind the curtain.  He is not bold enough to do such a thing. (誰かが黒幕でいるはずだよ。彼はあんなことをするほど大胆ではないのだから。)

behind the curtainは文字通り訳せば「カーテンの後ろに」ですが、今回ご紹介するのは「秘密に、黒幕で」という意味です。behind the scenesと言うこともあります。sceneは複数形ですが、curtainでは単数形というのも興味深いですよね。

辞書でcurtainを引くと、curtains(複数形)の意味として「終わり、死、解雇」なども紹介されています。そういえば米ソ対立の時代にはthe Iron Curtain(鉄のカーテン)がありました。


3. make something up out of whole cloth 事を完全にでっちあげる

I can’t believe it!  I am sure they made it up out of whole cloth. (信じられない!きっと彼らはそれを完全にでっち上げたのよ。)

make something up out of whole clothは「事を完全にでっちあげる」です。a lie made out of the whole clothも「真っ赤なうそ」という意味で用いられています。whole cloth自体の辞書初登場は『オックスフォード英語辞典』で、15世紀初めだそうです。ただ、今のようにマイナスのニュアンスとして使われるようになったのはアメリカにおいてです。口語表現として19世紀ごろに登場したとされています。

なお、日本語では「真っ赤なうそ」と「赤」を用いますが、white lie(罪のないうそ)では「白」が使われます。英語と日本語では色の持つニュアンスも異なります。興味がある方は辞書をチェックしてみてくださいね。


4. rags-to-riches 立身出世の、赤貧から大富豪になった

People are interested in the rags-to-riches story of a property tycoon. (人々は、ある資産家の立身出世物語に興味があります。)

rags-to-richesは無一文から大金持ちになる様子を表すフレーズです。ragは「掃除用のぼろ布」という意味で、破れているような布を指します。この表現がどのようなきっかけで誕生したのかは定かではないようですが、「立身出世の」という意味では頻繁に使われます。アメリカ大統領選挙を見てみると、どの候補者も「自分の親(あるいは祖先)は貧乏だった。でもがんばって働いてアメリカンドリームを実現した」というメッセージを打ち出しています。

ところでragに似たつづりのrugは「床の一部に敷くじゅうたん」のことです。一方、carpetは床や階段などに「敷き詰める」タイプを言います。私が愛用する『ジーニアス英和辞典(第5版)』の巻末にはpicture dictionaryがあり、家具や自動車など細かい部分まで描いた説明があります。こうしたページを見るのも楽しいですよね。

 


柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。
 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:00 |

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