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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 79回 職業が出てくるフレーズ
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 



昔も今も女子学生の間で人気の職業は CA (Cabin Attendant)、つまり「客室乗務員」です。私が指導する大学でも CA になるための特別講座が開かれており、多くの学生が参加しています。私が子どもの頃は CA ではなくstewardess(スチュワーデス)と言っていましたが、時代の変化を受けて呼び方も男女両方に使えるようになりましたよね。chairman の代わりに chairperson、policeman ではなく police officer などがその一例です。通訳の現場でもそうした言葉への配慮が求められています。

今回は職業が出てくるフレーズを学んでいきましょう。

1.a yeoman’s work 大変な作業

Moving house from time to time is a yeoman’s work but I always enjoy the new environment. (たびたびの引っ越しは大変な作業ですが、新しい環境をいつも気に入っています。)

a yeoman’s work という言い回しに私が初めて出会ったのはCNNの放送通訳現場でした。「大変な作業、労力を伴う仕事」という文脈で使われていたのです。yeoman 自体は主にイギリスで用いられる単語で、「自作農、自由農民、(王室などの)侍従」という意味があります。一方 yeoman’s service は「いざというときの(あっぱれな)忠勤、適切な助力」です。yeoman はカタカナであえて表記すると「ヨーマン」と発音するのですが、語源は中世の英語らしく、「リーダーズ英和辞典」を引くと young manと出ています。語源まで調べてみると、なるほどと合点するのが英語学習の楽しいところですよね。


2.a fisherman’s story ほら話

He was known for telling a fisherman’s story.  That’s why nobody believed him.(彼はほら話を言うことで知られていました。だから誰も信じなかったのですね。)

最近の放送現場では fisherman を「漁師」ではなく「漁業関係者」と言います。a fisherman’s story は「ほら話、大げさな話」という意味で、fisherman’s tale あるいは fish story などとも言います。もともとは「釣師の手柄話」から来た言い回しです。ちなみに fishy は「うさんくさい、まゆつばの」という意味もあります。

冒頭で、男女両方に使える単語をご紹介しましたが、fisherman も最近は fisher と言うようです。仕事としてではなく、趣味で釣りをする「釣り人」であれば、fisherman ではなく、angler を用います。でもサンフランシスコの地名 Fisherman’s Wharf はそのままですよね。


3.be in the driver’s seat 責任者の立場にある

The gentleman over there is their company president.  He is in the driver’s seat.(あそこにいる男性があちらの会社の社長です。責任者の立場にある方です。)

be in the driver’s seat は文字通り訳せば「運転席にいる」です。それがイディオムとなり、「責任者の立場にある」「状況を支配している」という意味になりました。be responsiblebe in charge of なども同様の意味です。

ところで日本の車は「右ハンドル」ですが、これは英語で right-hand steering wheel と言います。ハンドルはこの場合、和製英語です。自動車関連用語は和製英語になったものが多く、rearview mirror は「バックミラー」、horn は「クラクション」のことです。「ウィンカー」も winker ではなく、正しくは turn signalindicator となります。学習者向けの英和辞典には自動車の図が表示され、各機能が説明されているものもありますので、ぜひチェックしてみて下さい。


4.a gossip merchant ゴシップ魔

We have to be careful not to become a gossip merchant through the use of SNS. (SNSを使うことでゴシップ魔にならないよう、気を付けなくてはいけません。)

a gossip merchant は「ゴシップ魔」という意味です。merchant 自体は「商人」で、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」はThe Merchant of Venice というタイトルです。merchant は特にイギリスにおいて口語の際、ネガティブな意味を含みます。「何か悪いことを楽しむ人」というニュアンスがあるのです。a gossip merchant 以外にも a speed merchant(スピードを出しすぎて運転する人)などが挙げられます。

ところで英語学習の際、ぜひとも押さえておきたい文献は3つあります。一つは聖書、もう一つはギリシャ神話、最後はシェイクスピアです。これらの中には英語のフレーズになったエピソードがたくさん掲載されているのです。全集を読破するのはなかなか大変ですので、ダイジェスト版でも子ども向け絵本でも構いません。ぜひあらすじだけでも把握しておくことをお勧めします。もちろん私もすべて読み通せていませんので、一学習者としてコツコツと上記3点のストーリーを追いかけています。学びはまだまだ続きます。


柴原 早苗
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。
 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 07:00 |

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