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「北京から見る日中翻訳業界」 第14回 「ワケありツアーにご用心」


先日輪タクのおばちゃんと世間話しているとき、「あら、あんた日本人かい?こんどね、わたしも日本に行くんだよ。だからさ、日本でなに買ったらいいか教えてくれない?」なんてことを聞かれました。

輪タクというのはだいたい交通が不便なところで、地下鉄やバスの駅までなんていう短距離専用で利用される屋根付きの三輪オートのことで、本来は障害者の移動に使うためのものであって客を乗せることは認められていない、いわゆる白タクの一種なわけです。地域によって値段が変わりますが北京の中心区では8-15元(約160-300円)ですね。北京の中心区の交通が不便なのかってことは、聞かぬが花というところです。

違法だから取り締まりを避け、こそこそと毎朝ラッシュ時に住宅地区から、また夜は遅くまで今度は駅周辺で客を待つ、結構大変なお仕事なのに大した儲けにもなりません。そういう人でも海外旅行に出かけるということ、しかも日本で爆買いする気マンマンってところに興味深いものがあります。


日本では1回の旅行で数百万使うような中国人富裕層を面白おかしく取り上げることが多いですが、中国から日本への旅行もバリエーションが広がってきており、5-6日程度のパックツアーなら、なかには航空券単体価格より安い料金にパックされているものも少なくありません。

中国国内のパックツアーで注意を要するのは、「買い物に連れて行かれること」と「エクストラ料金をとられること」です。万里の長城のツアーなのに関係のない商品の即売会に連れて行かれ、一定人数が買うまで説明会が終わらずにツアーが出発できないとか、長城の麓まで到着したと思ったら登る料金は別請求されたりなどといった具合で、買い物する店も、食事するレストランもツアー向けに用意されているのです。

中国の旅行業界は、ツアーを組む旅行会社と、実際に旅行客を帯同する旅行社とが分かれることが多く、下請け側ではひどくなるとお金を払ってツアー客を買ったりします。当然下請け側は旅行社もガイドもこの時点ではほとんどタダ働きです。そこからどうやって回収するかというと、土産物屋やレストランからのキックバックと、現地徴収のエクストラとなるわけで、パックツアーでは割損な買い物とまずい食い物がパックされていることが多いわけです。日本から中国のパックツアーでも現地旅行社との提携で某有名北京ダックチェーンに案内されることが多いですが、まぁ「点到為止」、この辺で置いておきましょう。


さて、冒頭の輪タクのおばちゃんは、そういう事情を良く知っているから、日本で騙されないためにはどうしたらいいのかってことを心配しているわけですが、日本にそんなことはないですよって思いたいところです。

残念ながら現実は理想と異なり、最近中国で話題になるのは日本で騙された体験談であり、おばちゃんの心配は的を射ているわけです。日本で受け入れする旅行社の多くは中国や台湾・香港系で、市価の10倍もふっかけるような「独自の免税店」とか、ツアー客専用の超低レベルメニューを用意した「有名中華料理店」に誘導されます。以前イタリア旅行した時に見た、路地裏の寂れた中華料理店にぞろぞろ入っていく中国人団体ツアーの光景を思い出しました。

せっかくの日本旅行ですから、「なにを買ったらお得か」とか、「どこで買ったら騙されないか」などということから離れ、日本ならではの買い物やグルメ、楽しい体験を日本で提供して、また来てもらえるようになればいいですね。翻訳会社としてもその一助になれればと考えているところです。

 
| 【中国語翻訳コース】 | 12:00 |

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